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第9話 静岡県① 富士サファリパーク、ハンバーグ


「ほ、ほう! これはなかなか迫力があるのじゃ!」


「くれぐれもここで魔法は使っちゃ駄目だからね」


「グルルル……」


 俺達の目の前には肉食獣の代表格であるライオンが迫っている。山梨県をあとにして静岡県に突入し、富士サファリパークにやってきた。


 ここ富士サファリパークでは自分の車や園内を回るバスに乗って、いろいろな動物を見て回ることができる。ジャングルバスに乗ると、動物の形をしたバスに乗り、金網越しにクマやトラ、ライオン、チーターなどの肉食獣を間近で見ることができるのでおすすめだ。


 最近ではスーパージャングルバスという、バスの両側だけでなく、天井までが金網仕様のバスまであるらしい。動物達を下からのアングルで見ることができるのはここしかないんじゃないかな。


「うむ、こうしてみると可愛くもあるのう!」


「確かにエサをねだっている姿は可愛いかもしれませんね」


「う〜ん、怖可愛いっていう新しいジャンルになるのかな」


 そしてサファリパークの一番の目玉である猛獣への餌やりを体験している。バスの金網越しに長いハサミを使ってエサをクマやライオンにあげることができる。猛獣の鋭い牙や口の中まで間近で見れて大迫力だ。しかしエサをねだっている姿は可愛らしくも見える。


「少なくともゴブリンやオークなどの魔物に比べれば可愛いぞ!」


「やっぱり異世界に魔物はいるんだ……」


 このサファリパークにいるのがゴブリンやオークなどの魔物だったら……いや、全然面白くなさそうだな。一度くらいは見たくはあるけれど、正直あんまり可愛くはなさそうだ……




「ぬおおお、こやつらはとっても可愛いのじゃ!」


 サファリパークをバスで一周したあと、カピバラやレッサーパンダやカンガルーなどの動物達が間近でふれあうことができるふれあいゾーンに来ている。


 ここでは可愛らしい動物達に近付いてエサやりを体験することもできる。さっきの猛獣達と違って、ここにいる動物は100%癒し系の動物達である。


「……確かにこれは見ているだけでも癒されますね。抱きしめてモフモフしてみたいです」


「さすがにそこまでやったら駄目ですよ。軽く触るくらいですからね」


 いくらふれあいゾーンだからといって、抱きしめるはアウトな気がする。いつも澄まし顔でいる喜屋武さんがそこまで言いたくなる気持ちも分からなくはないけれどな。


「ぬわあ〜ちょっと待つのじゃ!?」


 エサを持ったミルネさんがカンガルーに囲まれてしまっているのもなんだか微笑ましい。ミルネさんも困っているというよりは嬉しそうである。たぶん向こうの世界では見たことがない動物が大半なのだろう。


 ちなみにカピバラは意外と毛並みが硬くてモフモフではないようだ。カピバラといえばここ静岡県にある伊豆シャボテン動物公園にあるカピバラ露天風呂が有名である。あれは動画で見ているだけでも本当に癒されるからなあ。ブラック企業での日々の疲れを癒してもらった時期もあった。


 そして関東や東海に住んでいたら、誰もが聞いたことのあるホントにホントにホントにホントにライオンだ〜のCMが有名である。実はあれ、有名なアニソン歌手が歌っていて、カラオケでも曲があり、ネタで歌ったこともあるんだよね。サファリパークに来たことはないけれど、知っている人なら大勢いそうだ。






「それでは失礼しますね」


 目の前にいる店員さんが、目の前でハンバーグの塊を半分にカットしてくれる。


 ジュウウウウ〜


 そして半分にカットしてくれたハンバーグのまだレアな赤い身のほうを鉄板に押し付けて火を通してくれた。


「こちらで焼き上がりましたので、ソースをかけてからお召し上がりください」


「ありがとうございます」


「さっきから肉の焼ける美味しそうな匂いがしてたまらんのう!」


「目の前でハンバーグを切って焼いてくれるのは嬉しいですね」


「目や耳や鼻でも楽しめるところが面白いよね。中身はまだ赤いけれど、そのあたりはきっちりしていて安全だから」


 富士サファリパークをあとにしてやってきたのは、静岡県で有名な某ハンバーグレストランである。ここのチェーン店はなぜか静岡県にしか展開されていないので、静岡県に来なければ食べることができないのだ。


 そしてこのお店で有名なげんこつ大のハンバーグを外側だけ炭火で焼き上げてから、最後の仕上げにお客さんの目の前で半分にカットして熱々の鉄板で焼いてくれる。これにより中身はまだ赤いレアなハンバーグを楽しめるのだ。


「おお、こいつは美味しいぞ! 中から熱々の肉汁が溢れてくるのじゃ! 口の中いっぱいに肉の旨みが広がってくるぞ! それにこのかかっているソースがこの肉の美味しさを引き立たせるのじゃ!」


「中身がまだ赤いレアな状態のハンバーグとは珍しいですね。ええ、これは食べ応えがあって美味しいです」


「牛肉100%のハンバーグで、肉の味がこれでもかってほど味わえるよね。この味がこの値段で味わえるのは本当に驚きだよ。できれば静岡県だけじゃなくて、他の県にも進出してほしいんだよねえ」


 実際には肉の品質管理とかがあるから難しいんだろうな。それに静岡県に来なければ食べられないというのも、人気の要因であるかもしれない。店によってはものすごく混むから注意が必要だ。


 それにしてもミルネさんはとても美味しそうに料理を食べてくれるよな。こちらの世界のすべての食べ物が初めての経験になるとはいえ、本当に食べることが大好きなんだろうな。これは俺も案内する甲斐があるというものだ。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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