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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第65話 鳥取県② 砂丘、サンドアート、カニ


「おお~これはすごい景色じゃな! こんな景色は初めて見たのじゃ!」


「ここは鳥取砂丘と呼ばれている砂丘だよ。鳥取県と言えば、ここを思い浮かべる人が多いと思うよ」


 昼食を食べてやって来たのは鳥取砂丘である。


 砂丘とは風に運ばれてできた砂の丘だ。砂漠と砂丘の違いは年間の降水量とかによるらしいけれど、細かいところは分からないな。


「実際にこの目で見てみるとすごい迫力ですね。それに思っていたよりもとても広いです」


 俺も初めて鳥取砂丘を訪れた時、その大きさには本当に驚かされた。


「素肌だと少し砂が冷たいのじゃな」


「まだ時期的にも寒いからね。でも夏場よりはまだマシだよ。日差しの熱を溜めて、火傷するくらいの熱さになることがあるらしいからね」


 冬だと寒いくらいで済むが、夏場だと50度を超える日があるらしいからな。さすがにそんな中で素足になるなんてできそうにないだろう。


「足が砂に沈んでいく面白い感触なのじゃ!」


「思いっきり走って坂を下っても面白いよ。転んでも痛くはないけれど、砂が身体中に付いちゃうから大変だけどね」


 鳥取砂丘には馬の背と呼ばれる砂の丘がある。そこから一気に下のほうまで走り下りたり、段ボールなどをそり替わりして下るのがなかなか面白い。


 周りは柔らかい砂なので、たとえ思いっきり転んだとしてもそれほど痛くはない。とはいえ身体中が砂だらけになることは間違いないけれどな。




「これはなかなか面白いのじゃ!」


「……さすがにラクダに乗るのは初めての体験ですね」


「はは、2人ともいい感じだよ」


 今ミルネさんと喜屋武さんはラクダに乗って鳥取砂丘をのんびりと歩いている。


 ここではラクダに乗ったり、パラグライダーに乗ったりといったアクティビティも楽しめるようになっている。ミルネさんもパラグライダーへ乗りたそうにしていたが、あっちは少し危険だからな。


 ラクダは基本的には一人乗りだが、小さい子供と一緒なら2人でも乗ることができるらしい。ラクダの2つのコブの間に座れる器具を付け、その上にミルネさんと喜屋武さんが乗っている。


 まあ、普通の場所ではラクダに乗る経験なんてできないだろう。


 短いコースではあるが、2人ともラクダに乗って鳥取砂丘を楽しめたみたいだ。




「はあ……これはすごいですね。これが全部砂でできているのですか」


 鳥取砂丘の次にやって来たのは砂の美術館だ。ここではサンドアートと呼ばれる砂を固めてから少しずつ削って作った砂の彫刻が数多く並べられている。


 しかもかなり大きな作品も多くあるので、喜屋武さんが驚いている気持ちもわかる。本当に手先が器用な人じゃないと、ここまで細かいところまで作ることができないよな。


「これは見事じゃな。本当にこれが砂でできているのか触って確かめてみたくなるのじゃ」


「気持ちはものすごく分かるけれど、触っちゃだめだからね」


 当然ながらここにある作品を触るのは厳禁である。とはいえミルネさんの言うように、本当に砂でできているか確かめてみたくなる気持ちも分からなくはない。


 中にはお城や人の像、童話の一面なんかを切り取ったシーンが砂で作られている。


 そして館内にある展示物を上の階から見下ろせるようになっている。旅中にいろんな美術館を見てきたが、その中でもかなり見ごたえのある美術館であった。




「いろいろな料理が並んでいるのじゃ」


「鳥取県もいろんな料理なんかがあるからね。やっぱり海に接していると、なにかしらの名物が取れるからいいよな」


 今日の晩ご飯は鳥取県の名物料理などをいろいろと食べることができるお店だ。


 今日観光してきた場所以外にも、鳥取県にはアニメや漫画などの有名な作品の聖地がある。たとえば妖怪で有名なゲゲゲの鬼太郎なんかは水木しげるロードとして作者である水木しげる記念館などがあったりする。


 そして名探偵コナンの作者の地元には青山剛昌ふるさと館があり空港の通称なんかは鳥取砂丘コナン空港だもんな。まさか空港の通称にキャラクターの名前が入るとは恐れ入る。

 

「岩ガキにウニ、カニが海鮮では有名だね。特にカニはズワイガニ、松葉ガニ、そして松葉ガニのメスの親ガニが有名だよ」


 オスは松葉ガニとして有名だが、メスである親ガニ、またはセコガニはこちらのほうで有名だ。しかもどのカニも冬場が旬なのは素晴らしいよな。


 本当かは分からないが、鳥取県の学校では年に一度カニが給食に出るらしい。もしも本当だったら羨ましいことこの上ないぞ!


「本当にどの料理もおいしいですね。特に海鮮系はすばらしいです」


 やっぱり海が近いと海鮮系の食材はおいしいよな。もちろんその分値段は高くて、以前の旅中にはカニの食べ比べなんてとてもではないけれどできなかったが、今回はしっかりと海の幸を味あわせてもらった。


「あと鳥取県の茶わん蒸しには春雨が入っているんだよね。食感的に面白いかも」


 鳥取県の茶わん蒸しには春雨が入っているというのも有名かもな。意外とちゅるんとしていて茶わん蒸しにも合う気がする。


 他にはホルモン焼きそばであるホルそばやうどんのだし汁に中華麺を入れた素ラーメンなんて料理も楽しんだ。


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キャンプ場
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