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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第61話 沖縄県⑤ 宮古島


「さあ、綺麗な宮古島の海を楽しんでくださいね」


「おお、楽しみなのじゃ!」


 今日の午後は喜屋武さんの実家の裏にあるビーチでのんびりと過ごす予定だ。


 ミルネさんの魔法があれば周囲を快適な温度にすることができるので、冬の海でも泳ぐことができるのだ。てか実家の裏にビーチ……というか海があるとかすごく羨ましいんだけど。こういう離島ならではのことだよなあ。


「おお、さすが宮古ブルーと呼ばれる宮古島の海! たしかにこれは日本一美しい海といっても過言ではないかもしれないな」


 とりあえず宮古島の透明で鮮やかな美しい海を前に一人で叫んでみた。俺の方はさっさと水着に着替えて先に海へ出てきた。男の着替えなんてそんなものである。ミルネさんと喜屋武さんは喜屋武さんの実家で着替えている。


 やはり実家の裏に海があるとかすごく羨ましいな。実家の裏だから、とうぜん観光客なんかも一人もいない。まあ、時期が時期だから、ビーチへ行ったとしてもたぶん人はいないだろうけれど。それに冬の海で泳いでいたら奇異の目で見られることは間違いないからとても助かる。


 すでにミルネさんの魔法をかけてもらっているから、この寒空の中、半裸で海パン1枚でも寒くはない。他の人に見られたらおかしな人扱いされることは間違いないけれどな。


「タケミツ、待たせたのじゃ!」


「佐藤さん、お待たせしました」


「いえ、全然待ってないですよ」


 少し遅れてミルネさんと喜屋武さんが喜屋武さんの家からやってきた。


「そちらの水着もとても似合っていますよ」


「ふっふ、そうじゃろう、そうじゃろう!」


 ミルネさんの水着は青い水玉模様のビキニの水着だ。上下どちらにもフリフリのフリルが付いている。


 あれ、確か大阪のスパワールドでピンク色のワンピース型の水着を新品で買っていなかったっけ?


「それにしてもこちらの世界の水着は肌をかなり見せるのじゃな」


「こちらの世界では、異性と海へ行く時にアピールするポイントでもありますからね」


「なるほどのう。どうじゃ、タケミツ。こういうのをセクシーと言うんじゃろ?」


「……そうだね。とってもセクシーだよ」


 セクシーアピールをして、身体をしならせるミルネさん。


 ……う~ん、正直なところ、まだ幼いのでセクシーとはほど遠い体型ではあるが、とても可愛らしい。今日は周りに人はおらず見られる心配がないため、水泳キャップをかぶらずに髪をポニーテールにまとめている。


 金髪碧眼のこの年頃の女の子って、本当に可愛らしいんだな。俺が特殊な性癖を持っていたら危ないところだったぜ!


「おお~これは本当に綺麗な海じゃな!」


 そう言いながら海の浅瀬に入るミルネさん。


「そういえば新しい水着をまたわざわざ買ったの?」


 大阪のスパワールドで水着を買ってから、まだ1か月も経っていないはずなんだけど。


「……はあ~佐藤さん。女性は常に美しくありたいと思うものなのですよ。特にミルネ様にはこちらの世界のファッションに興味を持ってもらったほうが、何かと今後の交渉にも有利となりますからね」


「な、なるほど。そういうことなんですね……」


 どうやら男の俺には分からない理由と、異世界との交渉面からの理由があったらしい。


「それでは私たちもいきましょうか。それにしてもミルネ様の魔法は本当に素晴らしいですね。本当に全然寒くないですよ」


「そうですね……」


 あれ、でもその理論だと、喜屋武さんの水着を新調する理由にはならないような……


 今日の喜屋武さんは水色のストライプのビキニだ。前回の黒のビキニだとセクシーなイメージが強いけれど、こっちの方だと印象がガラッと変わって可愛く見えるから女性って不思議だよな。


 ……もしかしたら経費として国の税金を使っているかもしれないけれど、とても目の保養になるので、日本国民の皆さんに感謝しなければ!


「沖縄の海には危険な生物も多くいるので、気を付けて遊びましょう」


「わ、分かったのじゃ!」


 そう、綺麗な沖縄の海にも危険な生物はかなりいるので、気を付けて遊ばなければな。ウミヘビは言わずもがな、ハブクラゲやカツオノエボシ、ヒョウモンダコなんかも生息しているから、そういった生物には近づかないように遊ぶのがいい。




「とても楽しかったのじゃ!」


「ええ。私も久しぶりに地元で泳げてとても楽しかったですね」


「……相変わらず2人とも元気だなあ」


 俺の方は少し遊んで海からあがったが、2人は結構な時間海で遊んでいた。山登りの時にも思ったが、本当に体力あるなあ。


「とりあえずシャワーを浴びたら、いろいろと沖縄のお菓子を用意しておいたからみんなで食べよう」


「おお、お菓子か。楽しみなのじゃ!」




「紅いもタルト、サーターアンダギー、ちんすこう、それと果物のパイナップル、マンゴー、パッションフルーツだよ」


「おお、色とりどりで美しいのじゃ!」


「確かにこれは沖縄らしいですね」


 沖縄のスイーツをこれでもかと集めてみた。どれも沖縄のお土産としてもとても有名なものばかりだ。2人は甘い物が好きだから、こういったものを喜ぶと思っていたよ。


 今日は喜屋武さんの実家でのんびりと過ごす。たまにはのんびりと過ごすのも旅の醍醐味である。ひとつの都道府県でこれだけの日数を回ったのは沖縄が初めてかもな。さあ、明日からはまた本州へ戻ることになるぞ。


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キャンプ場
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