第59話 沖縄県③ 石垣島、与那国島、波照間島
「ほお~これは綺麗な海じゃな!」
「沖縄県は日本で一番海がきれいだからね。そういえば喜屋武さんは宮古島と那覇以外はどの島に行ったことがあるの?」
「石垣島は何度か来たことはありますがそれくらいですね」
「へえ~近いのに意外と離島はいかないんだ」
「沖縄のどの島もそれほど大差はないですからね。もちろんすべての離島を制覇するような知人もおりましたが」
「それは羨ましいな」
沖縄には160以上の島が存在し、人が住んでいる島は40以上あるらしい。中にはフェリーが出ておらず、船を持っていないといけない島なんかもあるらしい。
まずは石垣島へとやってきた。石垣島は沖縄本島、西表島に次ぐ3番目に大きな島で、石垣島を拠点としてフェリーで離島を巡るのが基本となる。石垣島のフェリーターミナルからはいくつもの島へのフェリーが出ている。
「石垣島のここ川平湾では船底に透明なガラスを敷いたグラスボートが有名なんだよ。早速乗ってみよう」
手続きをしてから15人ほど乗れるグラスボートに乗船する。
「おお、色鮮やかな魚やサンゴとやらがとても美しいのじゃ!」
「沖縄の海は透明度が高いからこんなに綺麗に見えるんだよね」
「沖縄では本州で見られないようなカラフルな魚が多いですね」
下を見ると、透明度の高い沖縄の青い海の中に色とりどりのサンゴ礁や魚が多くいる。沖縄の海は本州に比べて年中水温が高いので、熱帯魚や珍しい魚が山ほどいる。他にも運が良ければこの辺りではウミヘビなんかも見ることができるらしい。
「川平湾には小さな島々がたくさんあるから、その島々をカヌーで回るのも楽しそうだね」
この美しい沖縄の海をカヌーで回るのも楽しそうである。カヌーはやったことがないから、いつかはやってみたいんだけどな。
「おお、これもまたうまいのじゃ! 昨日食べた沖縄そばとはスープが少し違うのかのう?」
「そうだね、この八重山そばスープが少し違うのと、八重山かまぼこと細切りにした肉がトッピングされているのが特徴的だね。こっちのヒパーチ(島コショウ)とコーレーグースを使うのとおいしいけれど、かなり辛いから量には気を付けてね」
この辺りの石垣島から与那国島、波照間島、西表島などを含む12の島々は八重山諸島と呼ばれている。そしてこの八重山諸島の名物であるのは八重山そばだ。沖縄そばとはスープや麺や具材などが少し異なるらしい。
「うっ、確かにこれは辛いのじゃ……」
ミルネさんがコーレーグースを八重山そばに入れて驚いている。この調味料は沖縄で取れる島唐辛子という激辛な唐辛子を沖縄特産の泡盛につけ込むという沖縄らしい調味料だ。見た目は透明な液体の割にとてつもなく辛いので、注意が必要である。
「こちらは初めて食べるのですが、なかなかおいしいですね」
「宮古島だとやっぱり沖縄そばを食べる感じなのかな?」
「いえ、宮古島には宮古そばというものがあります。スープは少しあっさりしていますが、トッピングはこの八重山そばと同じようですね。特徴的なのはそれらの具を麺の上に載せるのではなく、麺の下に入れますね」
「な、なるほど……」
どうやら宮古島にもその島特有の麺料理があるらしい。沖縄は本当にその島々でいろんな料理や文化があるから本当に面白いよね。
「ふむ、ここも綺麗な海じゃな」
「沖縄の島はどこも綺麗だからね。それよりもこの場所はこっちの碑がメインだ」
「最西端之地。なるほど、ここが日本の最西端なのですね」
「そういうことだよ。沖縄の与那国島が日本という国の最西端の場所になるんだ」
ここ与那国島は日本の最西端の島である。さらにこの島の最西端にあるのがこの碑となるわけだ。神奈川県を出て、ようやくここまでこれたなといった感想である。
「おおそれはすごいのじゃ!」
とはいえ、実際にはまだ日本の都道府県の1/3くらいしか回っていないから、まだまだ先は長い。だけど俺も旅中に日本の最西端の地までやってきた時にはだいぶ感動していたな。
ちなみにこの島から那覇に戻るよりも外国である台湾の方が近いからな。この場所からは見えないが、別の展望台から台湾の地が肉眼で見える日もあるらしい。
今回の旅では危険を考えてダイビングはできないが、この与那国島には海底遺跡がある。海底遺跡とかは男の浪漫に溢れているので、いつかはこの与那国島の海底遺跡に潜ってみたいものである。
他にも有名な某医療系ドラマのロケ地がこの島となっている。ロケに使われた診療所がそのまま残っていて中にも入れるので、このドラマを知っている人ならおすすめな場所だ。
「そしてここが日本の最南端の地である波照間島だよ」
続けて転移魔法でやってきたのは、民間人が訪問できる日本の最南端である波照間島だ。行くことはできないが、沖ノ鳥島が日本の最南端の地になる。……まあ、あれは島と呼べるものではないがな。
「こちらの碑は少し小さいのじゃな」
確かに最南端之地の碑のほうが少し小さいかもしれないな。しかもここには3つくらい碑があってややこしいんだよね。
ここには日本最南端の郵便局がある。まあ、ここにあるものはすべて日本最南端のがつくんだけどな。日本最南端の宿、商店、公園、トイレなんでもござれである。
そして夜には日本最南端のこの辺りの緯度でしか見ることができない南十字星を見ることができる。某ミステリー漫画にも出てくるあれである。天気がよくなければ見ることができないが、初めて見た時には感動したものだ。





