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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第54話 鹿児島② しろくま、すなむし温泉


「う~む、さすがにガラガラじゃな」


「まだ気温が寒いから、さすがにこの時期にかき氷を食べようとするお客さんは少ないだろうね」


 鹿児島ラーメンを食べたあと、商店街にあるしろくまで有名な喫茶店へとやってきた。さすがにまだ寒いので、お店に入っているお客さんは少なかったが、逆に言うとこの時期でも多少お客さんが入っているほど有名ということになる。


 そもそもしろくまとは削った氷に練乳をかけて、その上にチェリー、レーズン、ミカン、パインなどのフルーツや寒天に小豆などを乗せた鹿児島の氷菓子だ。最近ではそれをアイス状にしたものがしろくまアイスとしてスーパーなどでも販売されている。


「おお、これはおいしそうなのじゃ!」


「とてもおいしそうですね! これは食べ応えがありそうです」


「………………」


 目の前には巨大なかき氷の山がある。しろくまでも有名なこの店だが、もう一つ有名なのはかき氷のサイズである。俺の目の前にあるベビーサイズですら、普通の店で出しているかき氷の倍くらいの大きさになる。


 そしてミルネさんと喜屋武さんの目の前にあるレギュラーサイズはとんでもない大きさであった。よくラーメンを頼んだ後にこれほどお大きなかき氷を食べられるよな。甘いものは別腹という表現を軽く超えている気もする……


 ちなみにこのお店には様々な種類のかき氷があるが、いくつかのメニューにスペシャルサイズというものも存在する。他の人が頼んでいるのを見たことはあるが、さすがにひとりで食べきれるようなものじゃなかったな……


「アイスとは違った味じゃが、甘くておいしいのじゃ! 氷を削ったものに甘い蜜をかけるとこのような味になるのじゃな!」


「フルーツなどもたくさん入っていておいしいですね。この練乳味のかき氷も懐かしい味です」


 至福の表情でどんどんとかき氷を食べていく2人。ミルネさんの魔法で周りが寒くてもおいしくかき氷を食べられるが、よくこの量を食べられるな。俺も甘いものは大好きだが、ベビーサイズで十分である。




「これは美しい滝ですね。迫力はないですが、とても美しい色をしております」


「川の水が本当に綺麗だからこんなに綺麗な色になるんだよ」


 さすがに鹿児島ラーメンとかき氷を食べて満腹になったあとは、鹿児島の最南端である佐多岬の近くにある雄川の滝へとやってきた。


 腹ごなしの運動として、1.2kmほどある清流の横にある遊歩道をのんびりと歩いてきた。川のせせらぎや鳥のさえずりなどに癒されながら、遊歩道を進んでいくと山々の間にある滝美しい滝が現れた。


 落差は46mほどで、そこまで巨大な滝というわけではないが、山と山の間から流れ落ちる滝は見ていてとても心が安らぐ。そして滝の横には岩肌を伝って落ちる何本もの細い水の流れる様子がとても美しい。


「なにより滝つぼのエメラルドグリーンが本当に綺麗だよね」


「ええ。沖縄の海に近い色かもしれませんね」


 確かに沖縄の海の色は本当に美しい色をしているが、それに近い色をしている気がする。それにしても海や湖など、青色をしていたりエメラルドグリーン色をしていたり、本当に神秘的で美しいよな。


「あの岩肌もどうやってできたのか気になるのう」


「流れている雨水や川の水なんかが少しずつ岩肌を削ってできたらしいけれど、あんなものが自然にできるんだから不思議だよね」


 この岩肌や美しい色をした滝つぼなどもすべて自然にできたのだから驚くほかない。こういった神秘的な場所を巡るのも旅の醍醐味といったところだろう。




「なんともすごい光景じゃな……」


「まあ、遠くから見たら土葬されているようにしか見えないもんね」


 俺達の視線の先にはこんもりとした砂に埋められた人たちが見える。もちろんこれは土葬されているわけではなく、指宿(いぶすき)で楽しめる砂むし温泉である。


 指宿のビーチにある砂は単なる砂ではなく、海岸に温泉が自然に湧く場所があり、その温泉の熱によって砂が高温になって、その砂を身体の上にかぶせることによって温まるのだ。


 温泉の熱と砂の重みを感じながら、しっかりと温泉の効能も味わえるのだから驚きだ。この砂むし温泉は指宿でしか楽しむことができない温泉となるのでおすすめだぞ。


「まずは専用の浴衣に着替えてから、向こうの砂場で合流しようか」


 砂むし温泉の入浴方法は受付で専用の浴衣をもらい、男女別の脱衣所で専用の浴衣に着替えて、砂が髪に入らないようにタオルを巻いてから砂場へと移動する。そして従業員さんが掘ってれた穴へと入り、その上からさらに砂をかぶせてもらうというわけだ。


「なかなか面白い感覚ですね……」


「なんだろうね、分厚い羽毛布団に全身くるまれながらお湯をかけられている感覚なのかな」


「う~む、これはこれで面白い経験じゃな!」


 まあこんな経験はここでしかできないだろうから、味わっておいて損はない。サウナのようでサウナではなく、子供のころにビーチで穴を掘って埋まる感覚なのかな。


 砂むし温泉で汗だくになったあとは砂を落として、少し休んでから普通の温泉に入る。ここ指宿は砂むし温泉だけでなく普通の温泉も有名だからな。


 今日の疲れを温泉で取って、のんびりと身体をいやすことができた。


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キャンプ場
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