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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第53話 鹿児島県① 桜島、鹿児島ラーメン


「これはまた大きなフェリーというやつじゃな」


「乗る時間はとても短いんだけどね。というよりもここから見えるあそこの大きな山がある桜島に向かうんだよ」


「なんじゃ、あそこに向かうのじゃな」


 今日は鹿児島県に入って、桜島の対岸にある鹿児島港からフェリーに乗り、桜島へと向かう。フェリー自体は大きいのだが、実際にフェリーの所要時間はたったの15分程度で到着する。距離は短いが、車で移動する人などがとても多いために大きなフェリーとなっている。


 せっかく桜島へ行くのならフェリーを使っていくことにした。実際のところ桜島は完全な島というわけではなく、東のほうには道路が繋がっており、車で行くことも可能となっている。


「こちらから見ると大きな山にしか見えませんね」


「桜島は1000m級の御岳という大きな山が島の中心にあって、その周囲に住宅や観光地があるからね」


 桜島の中心には北岳、中岳、南岳の3峰と他の山々が連なる火山となっており、とても頻繁的に火山活動を繰り返している。


 ドーン!


「なっ、なんじゃ!?」


 おっと、噂をすれば早速だな。


「あれが桜島の噴火だよ。とはいえそれほど大きな噴火じゃないから安心して大丈夫。少しすれば、黒い煙が上がってくると思うよ」


「本当ですね。なるほど、あれが桜島の噴火ですか」


「そうだよ。桜島はとても頻繁に活動している火山で、多い年では平均すると1日で3回も噴火するんだ」


 桜島の火山は大きな噴火もするが、基本的には小規模な噴火を繰り返している。この辺りに住んでいる人達は桜島の噴火に慣れきっており、多少の大きな噴火では動じないらしい。むしろ普通の地震の揺れも桜島の噴火と間違えてしまうようだ。


「本当に黒い灰が降ってきましたね。これが火山灰ですか」


「ああ、そういうことだよ。この黒い灰が火山灰だ。桜島だけじゃなくて、鹿児島本土のほうまで灰が降ってくるらしいから本当に大変だよね」


 ユラユラと雪のように降ってくる黒い灰。これが桜島の火山灰である。


「おお、これは綺麗じゃな」


「見た目は綺麗だけど灰には変わりないから、服につくと黒く汚れちゃうから気を付けてね」


「ぬおっ、それは気を付けないといかんのう!」


 雪のように舞い落ちる灰だが、当然灰なので服などは汚れてしまう。火山灰がいつ振ってくるか分からないため、この辺りの人達は絶対に洗い物を干したまま長時間出かけたりはしないようだ。


 また、車のフロントガラスに火山灰が積もったからといって、決してワイパーで拭いてはいけないらしい。なんでもワイパーによって火山灰の細かい粒子が引っ張られ、ガラスに細かなひっかき傷を付けてしまうようだ。


 火山灰と付き合って生活するのはなかなか大変らしいな。




「おおっ、本当にあの短い時間でこれほど灰が積もってしまうのじゃな……」


 桜島のフェリーターミナルに到着して辺りを見回すと、停めてあった車には早速少しではあるが灰が積もっている。こんな短時間でも灰がこれほど積もってしまうのは暮らしていく上で本当に大変だよね。


「それじゃあまずは展望所へ行ってみよう」


 さすがにここからは少し遠い道のりなので、転移魔法により有村溶岩展望所の入り口まで移動する。


「……すごいですね。あちこちに避難壕や退避壕などがありますね」


「さすがに火山弾が飛んでくるほどの大きな規模の噴火はほとんどないらしいけれど、用心するに越したことはないからね」


 桜島のあちこちに洞窟や強固な金属製の壁でできた避難壕がある。有事の際にはすぐに避難できるようになっているわけだな。


「黒い煙がモクモクと昇ってすごいのう!」


 展望所からは桜島の大きな山々が一望できる。桜島に住んでおり火山灰に迷惑している人にとっては申し訳ないが、桜島を訪れたタイミングで噴火してくれるのはありがたかったりする。


 展望所を見た後は桜島のあちこちにあるたぬき岩や西郷岩、火の神神社や埋没鳥居などの桜島の名所を観光していった。




「おお、このラーメンもおいしそうじゃな!」


 桜島から鹿児島市のほうへ戻ってきて、昼食を食べる。今日も今日とてラーメンなのは気にしてはいけない。やはり九州は名物のラーメンが多いから、どうしてもラーメンが多くなってしまう。まあおいしいから全然いいんだけど。


「鹿児島ラーメンは豚骨ベースに鶏ガラや野菜を使用したあっさり目のスープなんだけれど、店ごとに結構特色があって、同じ鹿児島ラーメンでもだいぶ味が違うんだよ」


 鹿児島ラーメンはご当地ラーメンには珍しく、これこそが鹿児島ラーメンというものがなく、各店によって特徴のあるラーメンとなっている。できれば有名店をいくつかまわりたいところだが、食べられる量には限界があるので、今日は俺の好きなお店にやって来ている。


「むむ、ここの店のチャーシューは本当においしいのじゃ!」


「ええ。チャーシューなのに口の中でとろけていくようです!」


 そう、ここのラーメンの最大の特徴は豚の希少部位である豚トロを使用した特製のチャーシューである。口の中でとろけていくチャーシューが濃厚なスープと合わさって最高にうまい。


 普段はベースとなる普通のラーメンを頼んでいる俺達もこの店ばかりはチャーシュー麺を頼んでいる。日本中を旅した中でもこの店のラーメンは3本の指に入るほどうまかったので、鹿児島を訪れる際にはぜひ食べてほしいラーメンだ。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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