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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第52話 宮崎県② サンメッセ日南、青島、宮崎料理


「ほお~これは立派な像じゃな」


 俺達の目の前にあるのは7体の大きな石像。不思議な表情を浮かべ、大きな頭と同じくらいの大きさの胴体がある石像が7体も並んでいる。


「……これはイースター島のモアイ像ですよね? なぜ宮崎県にあるのですか?」


 そう、この7体の石像は世界の不思議のひとつであるイースター島で有名なモアイ像だ。ここサンメッセ日南にはイースター島の完全復刻されたモアイ像が7体並んでいる。


「日本のモアイ修復チームが15体のモアイを立ち上げた際の奉仕と友情に対して、イースター島の長老会と島民が日本で復元することを初めて許可してくれたんだ。ここサンメッセ日南には世界で唯一公式の許可を得て復刻されたモアイ像を見られることで有名なんだ」


「ふむ、宗教的な像かなにかなのか?」


「それも詳しくは分かっていないんだよね。このモアイ像は絶海の孤島であるイースター島に1000体ものモアイ像が存在したんだ。でも、なんでそんなに多くの像を作ってきたのかはまだ解明されていないんだ。それに大きなモアイ像を運んだ方法もはっきりとはわかっていないらしいよ」


 数ある世界の不思議の中のひとつに数えられているイースター島のモアイ像。さすがにイースター島まで行くことは難しいが、ここ宮崎で復刻されたモアイ像を見ることは可能なのである。


「そういえば宮崎の人たちはここにあるヤシの木をフェニックスって呼ぶらしいね」


 このアフリカのカナリー島原産のヤシ科のフェニックスと呼ばれるヤシの木は、病害虫に強く寿命が長いためにフェニックスと呼ばれているらしく、県の木とも呼ばれている。


 宮崎の学校にはこのフェニックスが一本以上は生えているらしい。他にも宮崎の小学生は黒板消しのことをラーフルと呼んでいる。俺も知らなかったのだが、あの黒板消しの商品名称がラーフルというらしい。……いや、そんなの知らんよ。


 他にも世界の昆虫展や蝶の地上絵などが楽しめた。




「なんだかものすごくデコボコしておるのじゃな」


「昔服を洗うのに使われていた洗濯板に似ているから、鬼の洗濯板と呼ばれているんだよ」


「これが自然にできるというのはすごいですね」


 宮崎にある小さな島えである青島は洗濯板のようなのこぎり状の波状岩に取り囲まれている。上空からの写真などで見ると、本当に洗濯板の上にポツンと島があるようにしか見えないぞ。


「この島はパワースポットにもなっていて、島にある青島神社も有名だね」


 島には亜熱帯性の植物が多く生い茂っており、南国の島の雰囲気が味わえる。島の中央には縁結びの御利益がある青島神社があり、青島に向かう弥生橋の手前には幸せの黄色いポストがあったりもする。


 他にも夏には綺麗な海で海水浴やマリンスポーツが楽しめたり、地元の名物料理や海で獲れた海鮮を提供する出店などが多く出店している。夏に恋人や子供と一緒に楽しめる場所となっている。


 




「おおっ、これはまたたくさんの料理が並んでおるのう!」


「ええ、これは楽しみですね!」


 夜ご飯は宮崎県の名物料理が楽しめる居酒屋へとやってきた。


「冷や汁は暑い夏に食べる料理で、宮崎で取れた魚や野菜をサッパリとした冷たい出汁にと一緒に食べる料理だよ」


 アジやタイなどを焼いてその身をすり鉢ですり身状にする。そしてそのすり身に味噌を加えて弱火で炒める。その焼き味噌に冷たい出汁を加え、キュウリや大葉とゴマと豆腐を加えた汁をご飯にかけて食べる料理だ。汁に直接氷が入っていたりもするぞ。


「これはサッパリとしておいしいですね。野菜と魚と味噌の味がとてもいい味です」


「うむ、これはいくらでも食べられるのう!」


「続いて鳥刺しだね。宮崎だと新鮮な鶏肉が手に入るから、とてもおいしいし、いろんな部位をほとんど生の状態で食べられるんだよ」


 九州の南のほうでは独自の生食基準が設けられており、生食用の鶏肉の衛生基準が細かく設定されている。加工側にも鳥刺し協会から認可を受けたりと、安全に鳥刺しを食べられるように努力しているのである。


 他の場所と比べればはるかに安全に鳥刺しを食べられるというわけだ。とはいえ絶対、完全に安全というわけではないので注意は必要だ。まあミルネさんの場合には解毒魔法が使えるらしいので、食中毒の危険はないから羨ましい。


「おお、これはうまいのう! まさか鶏肉を生で食べられるとは驚きじゃ」


「日本だと衛生的にかなり気を付けているからね。異世界だとそのあたりは怪しいから食べたら駄目だよ」


 さすがに異世界で肉を生で食べるなんてことは危険極まりないもんな。


「最後は宮崎の地鶏であるみやざき地頭鶏(じとっこ)の炭火焼だよ」


 宮崎のブランド鶏である地頭鶏を炭火で焼いたもので、強火でじっくりと黒い色が付くまで焼き上げた料理である。


「味は塩だけなのに本当においしいのじゃ!」


「確かにシンプルに炭火で焼き上げただけなのに本当においしいです。これは……いえ、何でもありません」


 うん、喜屋武さんの気持ちはとてもよくわかる。これは間違いなく今日イチのビール案件だよね……


 鳥刺しに炭火焼き、そりゃ九州の酒の消費量が多いわけだよ。


 そのあとのデザートは甘くておいしい宮崎産のマンゴーを食べて、宮崎のおいしい料理を楽しんだ。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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