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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第44話 佐賀県② 吉野ヶ里遺跡、唐津バーガー


「ここが有名な吉野ヶ里遺跡ですか」


「確か遺跡とは昔の建造物じゃったのう」


「そうだね。この吉野ヶ里遺跡は弥生時代の遺跡の中では日本で最大の遺跡だよ。お米を作る稲作の文化が始まったり、多くの人が集落を作って国のような概念ができてきたのもこの頃になるのかな」


 魏志倭人伝にも出てくる邪馬台国という国が出てきたり卑弥呼という人物が現れるのもこの時代だったな。


 ここ吉野ヶ里歴史公園には映像などを使って歴史を学べる歴史公園センター、復元された環濠集落の様子や建物などを間近で見学できる環濠集落ゾーン、子供達が遊べる施設や広々とした広場やレクリエーションが楽しめる古代の泉ゾーン、弥生時代の森を再現した古代の森ゾーンの4つに分かれている。


「園内が広すぎて歩いて移動するには時間がかかるからバスなんかも走っているね」


「……公園内にバスが走っているとはすごいですね」


 実際のところ俺も旅中はここをざっくりと見学しただけでも3時間近くはかかったからな。本当にひとつずつ回ったら一日以上かかってもおかしくはない。


「それじゃあ、いろいろと回っていこうか」


 まずは入り口にある歴史公園センターでここができる過程を学べるミニシアターを見たり、この公園をどのように回るかのガイダンスを受ける。ここは本当に広くてどう回ればいいかわからなくなるから、初めてここに来たら必ずセンターには寄ったほうがいい。




「なるほどのう、昔の村を模した場所というわけか。妾達の世界でも大昔はこのような集落があったのかもしれんのう」


 そしてまず初めにやってきたのは環濠集落ゾーンだ。ここでは集落を丸々復元して当時の集落の様子を見ることができる場所だ。弥生時代辺りから集落同士での戦いが起こり始めたため、木製の門や外掘を作って侵入者を防いでいた。


 物見櫓などに見張りを置いて、外敵に備えていたのだろう。よくよく考えると、異世界ものでよく見る文明の進んでいない村の集落とかは弥生時代のような感じなのかもしれない。


「懐かしいですね。竪穴式住居や高床式倉庫など、歴史の授業で学びました」


 吉野ヶ里遺跡は歴史の教科書でもたくさん出てくるからな。高床式倉庫にはネズミ返しが付いていて、収穫した米を保存していたんだっけ。


「この時代の人達は甕棺(かめかん)と呼ばれている大きな土器の中に亡くなった人を入れて土の中に埋葬していたらしいね」


 集落の中にはお墓もあって、当時の埋葬方法なんかも詳しく学ぶことができる。当時の骨からも多くの情報を知ることができるからな。


「当時はたくさんの土器が出土して中を確認して見たら、そのすべてに人骨が入っていて驚いたらしいね」


「発見した人はさぞ驚いたことでしょうね……」


 そのあとは展示コーナーへ行き、当時作られていた土器や銅器、鏡に勾玉などを見学した。


 また、この公園では体験コーナーで実際に勾玉や土笛、鏡、銅剣、印などを作る体験コーナーなんかもあるから、子供には本当に楽しめる場所となっている。


 そしてこの公園の大きな広場では12月に吉野ヶ里ウィンターバルーンフェスタが開かれ、この吉野ヶ里遺跡に色とりどりで大きな気球が空を舞うイベントなんかも行われる。映像で見たことはあるがとても素晴らしい景色だった。


 なお、このイベント以外の時期にも定期的に気球に乗ることができるイベントが開催されている。気球に乗って広大な吉野ヶ里遺跡を空から一望できるなんて本当にすごいよな。時期さえあれば、是非にでも気球に乗ってみたいところである。



 

「確かこの木は松じゃったかのう」


「おっ、よく覚えていたね。ここは静岡県にあった三保の松原と同じ、日本三大松原の虹の松原だよ」


 ここ唐津湾沿いに虹の弧のように連なる松原は虹の松原と言って、約4.5kmほどの松の光景が続いている。


「湾内の綺麗な青色の海と松の緑色がとても綺麗ですね」


 やはり色の対比というものはよりお互いを映えさせるもので、とても美しい光景である。


「ここもとてもいい景色だよねえ。今回はそれと合わせてもうひとつここの駐車場に用があるんだよ」


「駐車場にですか?」


 てなわけで虹の松原を見て回りつつ、駐車場へとやってきた。


「なるほど……そういうことでいたか」


「他にもお店はあるんだけどね。せっかくなら虹の松原の景色を見ながら食べられるここがいいんだよ」


 駐車場には駐車をしている一般の自動車に交じって一台のマイクロバスが停まっている。


 そう、ここ唐津のご当地バーガーである唐津バーガーの販売車だ。九州には佐世保バーガーや対馬バーガーなどといったご当地バーガーがいくつかある。そのうちのひとつがこの唐津バーガーである。


「おお、これがハンバーガーという食べ物か! うむ、パンの間に肉や野菜などを挟んで甘辛いソースをかけたものじゃな。これはおいしいのじゃ!」


 そういえばこの旅でハンバーガーを食べたのは初めてか。こっちの世界のいろいろ知識を学んだならばハンバーガーもよく出てきたのだろう。特にアメリカとかでは、日本人のラーメンより身近な食べ物だろうしな。


「この唐津バーガーはパンが他のハンバーガーよりもパリッとしているのが特徴だね。あとはドリンクのミルクもちょっと甘めだったりするんだ」


 唐津バーガーの特徴はバンズがパリッとしていてサクサクということだ。それにスパイシーなソースと肉、チーズ、たまごに野菜、たっぷりの具材が入っても500円ちょっとしかからないのも嬉しい点である。


「ハンバーガーにもいろいろな特徴があるのですね。ええ、確かにこれはおいしいです」


 喜屋武さんの言う通り、シンプルなハンバーガーにもいろんな地域の特色があって面白いものなのである。

 

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