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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第40話 山口県② 唐戸市場、フグ、瓦そば


 山口県の下関と言えばフグが有名である。


 この辺りではフグのことをフクと呼んでおり、スーパーなどでも普通に販売している。フグの皮とかだったら、そこまで高くなくていい酒のつまみにもなるんだよね。


 しかも羨ましいことに、山口県の小学校ではフグや鱧やくじらなどが給食に出てくるらしい。……山口県の小学生は贅沢すぎるだろ、常考!


「この市場にはたくさんのお店があるのじゃな」


「そうだね。しかもこの唐戸市場は見ての通り、お寿司ひとつから手軽に楽しめるんだよ」


 唐戸市場にはたくさんのお店があり、海産物を販売しているだけではなく、その場で食べられるお寿司や揚げ物などの販売も行っている。購入したお寿司はパックなどに入れて唐戸市場の外にある海の見える椅子などで食べることができる。


「というわけで、いろんな寿司を買ってきたよ」


「見たことないお寿司が沢山ありますね」


「それもこの唐戸市場の特徴だね。他の場所だとほとんど食べられないいろんな種類の食材があるんだよ」


 ここでは他の市場では食べることができない寿司のネタが数多くある。例えばマグロの脳天やカマトロ、鯨のベーコン、うちわエビやのどぐろの炙りなどなど。


 そして当然のようにフグのお寿司に白子の軍艦にフグのから揚げなども取りそろえられている。


 ただし、高価な食材だと1貫で500円するお寿司もある。旅の時は予算の関係もあって、2000円以内でどれを食べるのか悩みまくっていたが、今回はお金を気にせず好きなものを食べられるのだ。国のお金サイコー!


「おお、これはうまいのじゃ! 口の中に旨みが溢れてくるのう!」


「それはのどぐろの炙りだね。この魚は脂がのっているから、刺身もおいしいけれど炙りにするのもおいしいんだよね」


 のどぐろの正式名称はアカムツといって日本海側で獲ることができる高級魚だ。脂が乗っているため、煮付けや干物にしたりすることが多いけれど、寿司のネタとしても使われている。


 個人的にはこの市場でも3本の指に入るくらいおいしいのだが、漁獲量も少ないため、お値段も高くなっている。


「マグロの脳天なんて初めて食べました。トロに近い味なのですね」


「ここでしか見たことがないよね。トロみたいな味で少し歯ごたえがあっておいしいよ」


 マグロの部位にもいろいろとあるが、脳天というのはこの場所でしか見たことがないな。


「ほう、口の中でとろけるのう!」


「フグは身の部分もおいしいですが、白子もおいしいですね」


「から揚げのほうも結構いけるよ。外側はサクサクして中身は柔らかくてジューシーでおいしいよ」


 そして下関のフグである。下関はフグ食の歴史が深く、毒を取り除く調理法やフグの取引量が多いこともあって、下関と言えばフグというイメージが強い。


 そんなフグもここでは1貫ごとに食べられるのでおすすめだ。個人的にはから揚げがとてもおいしいので、唐戸市場にきたらぜひとも食べてほしいところである。


 本当はこのままフグ鍋やひれ酒なんかも楽しみたいところだが、まだまだ他にも見どころや食べたいものはあるからな。




「これはまた綺麗な海と橋じゃのう!」


 唐戸市場で腹ごしらえをしてやってきたのは山口県の角島(つのしま)だ。角島は山口県にある4k㎡の小さな島でその美しいコバルトブルーの海が有名である。


 また、本州から島への角島大橋はテレビやCMなどで取り上げられているほど美しくて有名な景色である。


「角島にはキャンプ場や海水浴場や釣りのスポットまであるリゾート地だね」


 島というよりは完全にリゾート地といっても過言ではないな。

 

「角島にある灯台は歴史的な文化財的な価値が高くて日本の灯台50選にも選ばれているんだよ」


 時期によっては夜にはライトアップもされており、昼は海水浴をして、夜は近くのキャンプ場に泊まって灯台の灯りを眺めるということもできる。


 俺も旅中は夜に泊まったが、普通に灯台としても稼働していたので、灯りがとても綺麗だったことを覚えているな。


「せっかくだから、島の中をちょっと歩いてみようか」


 食後の運動もあってミルネさんと喜屋武さんと島を歩いて回った。こういった島に来たら、急いで回るのではなく、のんびりと島を歩いて巡るのも楽しいものである。




「本当に瓦の上に乗せられているのですね……」


「そりゃ瓦そばだからね」


 角島をのんびりとまわった後は少し早めの夕食として瓦そばを食べにきた。瓦そばとは山口県の郷土料理で、熱した瓦の上で茶そばを焼いた上に錦糸卵や牛肉を乗せて、温かいつゆを付けて食べるそばだ。


 目の前には大きな瓦の上に3人分のそばが焼かれている。


「瓦とは何なのじゃ?」


「瓦は昔の日本の城や家に使われていた屋根の仕上げ材だよ。昔に戦をしていた時に、長い野戦の合間で身近にあった瓦を火にかけて野菜や肉を焼いて食べていたというエピソードを元にして作られた料理らしいよ」


「うむ、カリカリしていながらモチモチとしていておいしいぞ!」


「ゆでたそばを焼いて食べるのは初めてですが、とても良い香りでおいしいですね」


 瓦側はゆでたそばを焼いているので、カリカリした部分とそばの部分を両方楽しむことができる。また、使用しているそば茶そばといってそば粉に抹茶を練り込んで打ったそばだ。


 焼いたそばというものも変わった味がしていておいしい。山口県ではスーパーでも瓦そばは売っており、家庭ではホットプレートで焼いてみんなで食べるらしいぞ。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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