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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第38話 香川県② こんぴらさん、骨付鳥


「ここはこんぴらさんだよ」


「こんぴら……面白い名前じゃな」


「ああ、人の名前じゃないんだよね。ここは金刀比羅宮(ことひらぐう)といって、全国に600近くある金刀比羅(琴平)神社の総本宮になるんだ。ただどちらかというとこんぴらさんという愛称で呼ばれることが多いかな」


 こんぴらさんは海の神様として親しまれている大物主神(おおものぬしのかみ)を祀った総本宮である。また、有名なパワースポットでもあり、海の守護や豊漁、商売繁盛、病気平癒などの御利益がある。


「ここが有名なこんぴらさんなんですね。確か結構な階段を上るんでしたっけ?」


「そうだね……2人は結構体力があるからいいけれど、俺は気合を入れないとな」


 そう、こここんぴらさんは長い階段でも有名な場所でもある。本宮までは785段、奥社まではなんと1368段も登らなくてはいけないんだよね……


「朝からたくさんのうどんを食べたから、いい運動になるかもしれんのう」


「ええ、ちょうどいい運動ですね」


 まあ確かに今日はうどんを食べ歩きしたから運動をすることはいいんだけど、絶対にちょうどいい運動どころじゃないんだよね……


 香川県の小学校の遠足でほとんどの小学生がこのこんぴらさんを登っているらしいから驚きだ。今回も何組かの小学生を見かけている。


 ちなみに香川県のあるあるとして、香川県民は大みそかの時にはそばではなくうどんを食べるらしい。本当にうどんが大好きだよね。


 そして年明けのお正月には餡の入ったおもちのお雑煮を食べるそうだ。お雑煮も地域によってだいぶ違うらしい。うちは普通に焼いた餅を入れたしょうゆベースのお雑煮だな。




「……はあ、はあ」


「ふ~む、本当に長い階段じゃな」


「でも途中にいろいろとあって面白いですよ。さっきの可愛い顔をした犬の銅像も面白かったですね」


「うむ、それにこのべっこう飴というのは甘くてとってもおいしいのう!」


 俺はすでにグロッキーだというのに2人は軽々と階段を登っていく。ミルネさんは身体能力強化の魔法を使っているからまだわかるが、喜屋武さんはよくいつもの黒スーツと革靴でこの長い階段を登っていくよ。


 周りの人は登山スタイルで階段登っているくらいなのに……ちなみに俺は一番下の場所で無料で借りられる杖を使ってもこのありさまである。


「歴史があって趣のある建物じゃな」


「ええ、それにここからの景色はとても素晴らしいですよ」


「はあ……はあ……」


 何とか本宮まで辿り着くことができた。


 くそう、やっぱりだいぶ体力が落ちているみたいだな。自転車で来た時はここまで登ってきた時にこんなにも疲れていなかったのに。


 まあ自転車で走っていた頃はふくらはぎがムキムキになっていたからな。それに自転車で走っているから常にお腹が空いていたぞ。


「ここでは黄色いお守りも有名なんだ。お参りが終わったら買いにいこう」


 こんぴらさんでは幸福の黄色いお守りがあって、大人気なのでおすすめだぞ。パワースポットのお守りって普通以上に効果がありそうだよね。


「そうですね。厄除けの御利益もあるそうなのでぴったりです」


「うむ、さあ、ここで半分じゃな、もうあと半分頑張るとしよう!」


「………………」


 あっ、やっぱり奥社まで登るのね……






「おお、これまたおいしそうじゃな!」


「骨が付いたままの鶏がそれぞれ2つずつとは豪勢ですね」


「相変わらず君達は元気だね……」


 こんぴらさんの奥社までの1368段の階段をなんとか登り切り、帰りはなんとか許しをもらってミルネさんの転移魔法で降りてきた。


 さすがに1368段はしんどい……


 よく旅中はロクな休憩もせずに奥社まで登ってから、それを降りてきたものだよ。あの時の若々しい体力に戻りたいぜ……


「それでこれは香川県の名物なのですか? お腹が空いたので早く説明をお願いします」


「………………」


 喜屋武さんも相変わらずだな。まあこんな軽口を叩けるくらいの仲にはなってきたと思おう。


 というより俺のほうがお腹が空いている自信はあるぞ。


「これは骨付鳥(ほねつきどり)といって、香川県丸亀の名物だよ。鶏の骨付きのもも肉を焼いたご当地グルメなんだけど、2つあるのはひなどりとおやどりの2種類があるからなんだ。


 こっちがひなどりでまだ若い鶏を使っていて、そっちのおやどりは少し歳を取った鶏を使っているんだよ。味や歯ごたえが全然違っておもしろいんだよ」


「おお、ひなどりのほうは身が柔らかくて、ジューシーな味わいをしているのじゃ。それに皮はパリパリしておるな」

 

「おやどりのほうは身が引き締まっており、弾力と歯ごたえがあって噛めば噛むほど味が溢れてきますね」


 ひなどりとおやどりのどっちが好きか問題もよくあげられるが、これは完全に好みの問題だ。個人的には普通に食べるならひなどりのほうで、酒と合わせるならおやどりがすきかな。


 喜屋武さんのほうを見ると、少し物足りなそうにしている。そう、この骨付鳥はビールとマジで合うんだよ! 案内中だけど一杯くらいいいかなという気持ちになってしまう。


「あとはお皿にスパイシーな油がいっぱい出てくるからね。これをキャベツにつけてつけて食べてもおいしいんだよ」


 骨付鳥には付け合わせでキャベツが付いてくる。このキャベツに骨付鳥から出た油を付けて食べるのがうまいんだよ。ああ~ビールが飲みたいぜチクショー!


 それと合わせて、頼んだのがとりめしである。鶏の出汁による炊き込みご飯とスープは鶏の旨みがたっぷりなので、これだけでも十分にうまいのだが、骨付鳥と合わせるとさらにうまいんだよな。


 香川県でうどんと鶏をたっぷりと味わった。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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キャンプ場
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