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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第34話 高知県② カツオのたたき、ウツボ、龍河洞


「おお、どれもおいしそうじゃな!」


「確かにこれは素晴らしいですね!」


 ひろめ市場の中をいろいろとまわって買ってきた高知県の様々な料理がテーブルに並ぶ。これでテンションが上がらないわけがない。


「まずは高知県で一番有名なカツオのたたきだね。高知県では新鮮なカツオが食べられるから、塩だけで食べることが多いんだ」


 高知といえばカツオのたたき。普通カツオのたたきはポン酢で食べることが多いが、ここ高知では獲れたて新鮮なカツオの味を最大限に楽しむために味付けは天日塩だけで食べる塩たたきが有名である。


 ちなみにカツオのたたきに添えられているにんにくはすりおろしたものではなく、スライスしたニンニクとなっている。


「むむ、これはうまいのじゃ! 周りだけ焼いておるから、生の味と焼いた味が同時に楽しめるわけか。それに先ほどの藁の香ばしさが素晴らしいのじゃ!」


「……すごいですね。生臭さのかけらも感じられません。東京の居酒屋やスーパーで食べるカツオのたたきとは別物です」


「高知のカツオのたたきは他の場所で食べるものとは別格な気がするよ。これなら塩だけで食べても最高においしいね」


 もちろんこの店はカツオだけではなく、塩や藁にまでこだわっているということもあるが、血生臭さのないカツオはこんなにもおいしいものなんだと本当に驚いたものだ。


 初めて食べた時には東京で食べるものとこんなにも味が違うのだと感動を覚えた。ちなみにこのカツオのたたきとにんにくとネギを巻いた太巻きを土佐巻きともいう。塩たたきもうまいが、ご飯と一緒の太巻きとして食べるのもうまいぞ。


「こっちはウツボのたたき。こっちのほうは同じたたきという調理方法だけど、弱火でじっくりと焼き上げるんだって」


 ウツボは中までしっかり火を通さなければ、身に硬い部分が残ってしまう。かといって火を通しすぎても旨みや食感を損なってしまうので、こちらも焼き上げるには長年の経験が必要となる。


「……ウツボってあのウツボですか?」


「多分喜屋武さんが想像しているやつだよ。確かに長くて見た目は少しグロテスクだね。でも味はサッパリとしていて、とてもおいしいよ」


 確かに見た目はあまりよくないから、喜屋武さんの言いたいことも分かる。だけどたたきにしてしまえば、プルプルとした食感で淡白な身の味が意外とクセになるんだよね。


「こっちのジュースもおいしいのじゃ」


「それは文旦のジュースだね。高知県は全国一の文旦の出荷量を誇っているんだよ」


 高知県で有名な文旦。ひろめ市場ではこういった飲み物や果物にスイーツまで販売しているのだ。


 ちなみにこの文旦だが、結構皮をむくのが難しかったりする。そこで高知県民は『むっきーちゃん』と呼ばれる果物専用の皮むき器を常備していることが多いんだとか。あとはゆずジュースも有名だな。


 カツオだけではなく、他の海鮮の刺身も新鮮でうまい。そして〆はこいつである。


「……なぜ餃子なのですか?」


「高知だと酒を飲んだ後に〆で餃子を食べることが多いんだよ」


 高知では酒を飲んだ後はラーメンではなく餃子で〆ることが多いらしい。昔はあちこちに屋台の餃子屋さんがたくさんあったようだ。


「ちゃんと〆にピッタリになるように小さめの餃子が多いんだよね」


 そのあたりはしっかりと考えられており、屋台餃子は小さめで食べやすくなっている。


 そしてここ高知と言えばお菓子の芋けんぴが有名だ。このひろめ市場にも有名な芋けんぴの店があったりする。普通の芋けんぴだけでなく、塩けんぴや黒糖けんぴなどといったいろんな種類があるのも特徴だ。


 個人的にも芋けんぴは好きで、旅中はいろんな芋けんぴを食べてきたが、高知駅にある芋けんぴが甘くておすすめだぞ。




「前に富士山で見た洞窟のようじゃな」


「あっちのほうは氷のある洞窟で氷穴、こっちは鍾乳洞だから少し違うのかな」


 ここ龍河洞は日本三大鍾乳洞のひとつである。


 鍾乳洞とは大昔に海底にサンゴなどが堆積してできた石灰岩が、地殻変動で地上に隆起し、そこから雨水や地下水などが侵食してできた洞窟だ。


 天井から水が滴り落ちる際に、その水に含まれる炭酸カルシウムがほんの少しずつ凝固し、長い年月が積み重なることにより、つららのような鍾乳石となっていく。


「だいぶ大きな鍾乳石があるのですね」


「この龍河洞には弥生時代から人が住んでいた形跡があるからね。本当にはるか昔から存在していた洞窟らしいよ」


 龍河洞の出口のほうには弥生時代の人間が暮らしていた住居の跡や、土器の上に炭酸カルシウムが滴り落ちて土器と一体化した鍾乳石の『神の壺』なんてものもあったりする。


 他にもクラゲのように鍾乳石が何本も垂れ下がるクラゲ石や、人の形に見えるマリア像や釈迦像なんて呼ばれる鍾乳石があったりする。


 ちなみに冒険コースという予約制のコースもあり、ツナギに着替えてヘッドライトとを持って、真っ暗な洞窟を探検するコースなんてのもあったりする。洞窟を探索しているとテンションが上がるのは俺だけじゃないはずだ。


「これ全部が自然にできたんだからすごいよね」


「確かにこんな大きな洞窟が自然にできたと考えると驚きですね」


 この龍河洞もすごいが、世界にはもっと幻想的な自然にできた洞窟が数多くある。いつかは行ってみたいものだな。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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