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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第28話 岡山県② 吉備津神社、岡山名物


「ここは神社というものじゃな」


「うん。ここは吉備津神社っていう、ここ岡山県で一番有名な神社だよ」


 ミルネさんも日本の城や神社について詳しくなってきた。なんだかんだで、もう結構な場所を回ってきたからな。


「吉備津神社は日本で唯一の吉備津造り(比翼入母屋造(ひよくいりもやづく)り)っていう建築様式で建てられた神社なんだよ。2つの屋根みたいな入母屋が特徴的で、国宝にも指定されている場所なんだ」


「……なるほど。吉備津神社と言えば、きび団子が有名なんでしたか?」


「そうそう。でもどちらかというとここは桃太郎のおとぎ話で有名な場所かな」


「桃太郎?」


「そっか、ミルネさんは知らないよな。こっちの世界では誰でも子供のころに聞かせられるおとぎ話だよ。桃から生まれた桃太郎という男の子が、おばあさんの作ってくれたきび団子を渡してイヌ、サル、キジと仲間になって、悪い鬼達を退治するってお話だよ」


「こ、この世界の人間は桃から生まれるのか!?」


「いやいや、そこはおとぎ話だからね。普通はそんなことはないから!」


 まあそこはおとぎ話だからな。実際には桃から人が生まれるわけないとか、桃を真っ二つにしたら中の男の子ごと切れちゃうとか、きび団子1個で仲間になって命を懸けて鬼と戦う味方ちょれえとか、いろいろとツッコミどころは満載な話ではある。


「なるほど、ここが桃太郎のお話のもとになった場所なのですね」


「桃太郎の話のもとになった温羅(うら)退治の舞台になった場所で、ここから少し先には鬼ノ城って場所もあるんだ」


 桃太郎の話の中では海を渡った鬼ヶ島という場所だったが、元の話では山の中の城となっている。


「なるほどのう……その桃太郎というのは妾達の世界でいう勇者みたいな者ということじゃな!」


「ええっと、確かにそれに近い感じかもな……」


 言われてみると、異世界ものでよくある勇者召喚されて魔王を退治する話と似ていると言えば似ている。


 桃から生まれて鬼退治する桃太郎、召喚されて魔王退治をする勇者、桃太郎も異世界人だった説とは斬新だな。


「ふう~この団子とお茶はホッとするのう」


「昔ながらのおやつみたいなものだからね」


 360mもある長い渡り廊下を見て回ったあとは吉備津神社の茶屋でちょっとひと休みする。ここでは(きび)を使ったきび団子が有名だ。ちなみに黍を使わないきび団子もあるが、その場合は吉備の地名から名前を取っているらしい。




「岡山県の名物もいろいろとあるからね。ここのお店はいろんな種類の料理を出しているから、少量ずつ頼んでおいたよ」


 ここ岡山県にも様々な名物料理がある。岡山市内には岡山県のいろんな種類の名物料理を出してくれるお店や居酒屋が多くある。


「おお、これは甘辛くて美味しい麺料理じゃな!」


「それはひるぜん焼そばだね。鶏肉とキャベツが入った焼きそばなんだけど、甘辛い味噌ダレをつかった焼きそばなんだ。普通の焼きそばはソース味や塩味なのに対して、ここの焼きそばは味噌ダレを使っているのが特徴的なんだよ」


 蒜山(ひるぜん)高原では昔北海道のジンギスカン料理がブームとなったのだが、その際に使っていた味噌ダレを焼きそばに使ったのがその発祥とされてる。今ではB級グルメとしても有名な岡山県の名物料理となっている。


「こっちは焼うどんですか。焼きそばと焼うどんが名物になっているのは面白いですね」


「そっちは津山ホルモンうどんだね。牛のいろんなホルモンの部位が入った焼うどんだよ」


 津山のほうでは昔から牛馬の市が開かれていたり、大きな食肉処理場があったりと、新鮮な牛のホルモンが手に入りやすい環境だった。その新鮮なホルモンを使って作られた焼うどんが名物料理となったのだ。


 喜屋武さんに言われてみると、焼きそばと焼うどんが名物となっている県は珍しいかもしれない。


「こっちのはカツにソースがかかっておるのじゃな」


「そっちのはデミカツ丼だね。かかっているのはデミグラスソースだよ」


 デミグラスソース、またはドミグラスソースとは煮込まれたソースという意味で、肉や野菜の煮汁をトマトケチャップやウースターソースで味を付けた濃厚なソースである。


 具体的に決められた材料みたいなものはないので、各お店によってソースの味は全然異なる。そのソースをたっぷりカツとご飯にかけたものがデミカツ丼となる。


「こちらの魚はずいぶんと小さいですね」


「それはママカリだね。小さいニシン科の小魚で、全国で獲れる魚なんだけど、岡山県の瀬戸内海産のは脂がのって肉厚でおいしいんだよ」


 正式名称はサッパで、いろんな場所で獲ることができる魚だが、とても小さいため小骨をとる処理が大変だ。また、鮮度がすぐに落ちてしまうため、お酢に漬けるのが一般的だ。お寿司で食べてもおいしいぞ。


 そしてデザートは岡山県でも有名な白桃を食べた。桃太郎のお話にも出てくるように、岡山県では昔から桃が有名なのである。そんな感じで岡山県のおいしい料理を食べ尽くした。




 ちなみに岡山県あるあるとしては、岡山県では普通の市立の小学校が制服着用となっているので、他県からは私立の小学生と間違えたりするらしい。


 それと岡山県の方言である、はよしーねーという言葉は、早くしなさいという意味で、早く死ねという意味ではない。他の県の人が言われると意味が分からずにガチへこみする人がいるから、岡山県民の人はマジで気を付けてね!


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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キャンプ場
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