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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第26話 兵庫県② 有馬温泉、竹田城跡


 明石焼きを食べたあとは日本三大名泉と呼ばれる温泉のひとつである有馬温泉へとやってきた。ちなみに日本三大名泉とは有馬温泉、草津温泉、下呂温泉の3つとなっている。


 そして歴史の深い日本三大古泉とは有馬温泉、道後温泉、そしてもうひとつが白浜温泉といわき湯本温泉の2つの説があるらしい。有馬温泉はそのどちらにも入っており、日本の中でも一二を争うほど有名な温泉である。


 しかしそんな有名な有馬温泉だが、意外と神戸市にあることは知られていなかったりもする。どちらかと言うと、温泉街は都市から離れているというイメージが強いのかもしれない。


「ふう〜いい湯じゃったのう。それにしてもこの温泉というものは場所によって全然違うのじゃな」


「そうだね、温泉街の様子もだいぶ違うし、温泉の特徴も全然違うからな」


「金の湯、銀の湯、炭酸温泉、本当にいろいろな種類の温泉がありましたね」


 ここ有馬温泉には様々な泉質を楽しむことができる。有名なのは喜屋武さんが言っていた3つだが、他にも4種類の泉質があり、合計7種類もの泉質を楽しめるのだ。


「さて、温泉も十分楽しめたみたいだな。それじゃあ宿に移動しようか」




 本日の宿へとやってきた。そして今日も喜屋武さんとの打ち合わせだ。


「打ち合わせをする前に温かいうちに食べちゃいましょう」


「さっき買っていたお菓子ですね。ありがとうございます」


 いつも通り明日の打ち合わせを喜屋武さんとするが、その前に宿への道のりで有馬温泉で有名なお土産で炭酸せんべいと御座候(ござそうろう)を買ってきた。もちろんすでにミルネさんにも渡している。


「うちの地域では大判焼きと呼んでいましたね」


「なるほど。うちのほうだと今川焼きだったな」


 大判焼き、今川焼き、回転焼き、太鼓焼き、じまん焼きなどなど。小麦粉で作った生地に餡を入れて焼いたお菓子なのだが、日本各地やそのお店によって様々な呼び方をする。ここ兵庫県では御座候と呼ぶのだ。


 地域によって呼ばれ方が異なるお菓子は他にもあるが、これほど呼ばれ方が違うものはこのお菓子以外にないだろうな。


 炭酸せんべいは炭酸温泉を使って作ったせんべいだ。他の炭酸温泉が出てくる場所でも売られているらしい。


「そういえば神戸の小学校は他の県とけっこう変わったことが多いんだよね」


「そうなのですか?」


「たとえば神戸の小学校は9割以上が上履きを使わないんだってさ」


「上履きがない……では学校の中に入る時はどうしているのですか?」


「土足で上がるんだってさ。普通に教室でも靴を履いて授業を受けるらしいよ。教室内の砂ぼこりを抑えるために油引きといって、床に油を引くんだって」


「それは面白いですね」


「他にも日直のことを日番(にちばん)と言ったり、中学校の時にトライやるウィークと言う4泊5日の職業体験学習があるんだって」


 俺の地域でも小学校や中学校の時に職業体験や自然学校みたいなことをやっていたが、長くても2泊3日までだ。それに受け入れ先もいろいろな職場があるらしい。地域による学校あるあるはよくあるが、ここ兵庫県は特に多い気がするな。






 ◆  ◇  ◆  ◇  ◆


「ふあ〜あ、さすがにまだ眠いのう……」


「まだ日が出てきたばかりだからね。運良く見られるといいんだけどなあ」


「こればかりは完全に運ですからね……」


 時刻は朝の7時。まだ日が出てきてから少し経ったくらいだ。こんな朝の早い時間から行動するのには理由がある。


「よし、それではいくぞ。……テレポート!」


 いつものようにミルネさんが俺と喜屋武さんの手を繋ぎ、転移魔法で俺の行ったことがあり、イメージした場所へと一瞬で移動する。




「おお! これはなんと美しい光景なのじゃ!」


「これば素晴らしいですね。なんて幻想的な光景でしょう。以前に写真では見たことはあるのですが、実際にこの目で見るのとは全然違います」


「……まさか一回目で見ることができるなんてな。俺も初めて見られたけど、まさに天空の城だ」


 俺達がやってきたのは天空の城、日本のマチュピチュとも呼ばれている竹田城跡地、その城を一望できる立雲峡(りつうんきょう)という展望スポットにやってきている。


 真っ白い雲の中に浮かび上がる城跡。天守などの建物はもうないが、見事な石垣はそのままの姿で残っている。


「ここまで見事な景色は初めて見たのじゃ……」


「いろいろな条件が重ならないと見ることができない景色だからね。今回は本当に運がいいよ」


 雲海が発生する条件はいろいろとあるらしいが、一番雲海が発生する可能性があるのは9月〜11月のようだ。それ以外の時期にこれほど見事な雲海が見られるのは滅多にないはずだ。


 事実俺が旅をしていた時に、朝早くからここまで苦労をして登ってきた際には、雲海のかけらさえも見ることができなかった。滅多に見られないということは知ってはいたが、それでもなかなか険しい道のりを超えてきたこともあってガッカリしたものだ。


 転移魔法があるから一瞬でここに来られるため、感動も少し薄れるかとも思ったら全然そんなことはなかった。もしも何日もこの山道を通い詰めて見られたなら、きっともっと感動するんだろうな。


「本当は竹田城跡のほうから見る景色も綺麗だと思うんだけど、冬季の朝は入場できないんだよね」


「それは残念じゃのう……」


 一時テレビのCMで一躍有名になった竹田城跡だが、あまりにも人気になりすぎたために、マナーの悪い客が増えたり、転落事故も起きてしまった。そのため時間による入場規制がされるようになってしまったのだ。有名になりすぎるというのも問題だな。


「とはいえ一回でこの景色が見えただけで本当にラッキーだったよ」


 ミルネさんの転移魔法があって、毎朝来ることができるとはいえ、この時間帯に毎日起きるのは辛いからな。本当にミルネさんか喜屋武さんの運がすごく良かったのだろう。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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