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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第24話 大阪③ あべのハルカス、串カツ


 スパワールドで楽しんだあとは、そのままスパワールドにあるホテルに宿泊する。スパワールドの中にホテルがあるというのはとてもありがたい。


 新世界から近いので、夜にちょっと出かけて飲んでくるなんてこともできるからな。


「佐藤さん、失礼します」


「はい、どうぞ」


 今日も喜屋武さんと明日の打ち合わせだ。明日は大阪から兵庫へと移動する。しっかりと打ち合わせをしておこう。さっきのプールでは、できる限り2人をジロジロと見ないように注意していた。さすがにこれならセクハラと言われることはないはずだ。


「死刑です」


「なんでやねん!!」


 まさかのセクハラを通り越していきなりの死刑宣告!? 思わず大阪弁で突っ込んでしまったぞ!


「あまりにも女性をジロジロと見過ぎです。さすがにこれは死刑ですね」


「またセクハラとか言われると思って、あえて見ないようにしてたのに横暴すぎるわ!」


「どうせ隠密魔法がかかっている状態で女性に触れたらどうなるのか考えていたのでしょう。いやらしい……」


「………………」


 ごめん、反論できないわ……


 喜屋武さんはエスパーなのかとも思ったが、たぶん男なら誰しもがそのことを考えてしまうことはお見通しなんだよな。決して俺だけにそんなことを思っているわけではないはずだ……ないと信じたい。


「その様子だとやはり考えていたようですね」


「すみません、せめて執行猶予をください……」


「仕方ないですね。今回は考えていただけのようだったのでギリギリ執行猶予を付けましょう。ですが、もし実行に移したとしたら、一族郎党皆殺しになります」


「こえーよ!!」


 なんで家族も巻き込まれなきゃいけないんだよ!


「異世界との外交に重大な問題が発生します。一国の姫であるミルネ様の魔法を性犯罪などに使用したら、その存在ごと抹消されたとしてもおかしくはないでしょうね」


「………………」


 確かに初めてこちらの世界で魔法を犯罪に使った犯罪者として歴史に名を残すなら、むしろいっそ殺せえ状態になるのかもしれない。しかも性犯罪だからな……


「……家族にだけは迷惑を掛けないって決めているから、絶対に犯罪行為はしないよ」


 自転車で日本一周をした時もそうだが、俺が好き勝手やる分、両親や弟達に迷惑を掛けることは絶対にしないと誓っている。特に性犯罪なんかはなおのことだぞ。


「まあ小心者の佐藤さんがそんなことをするわけがないとは思っていますけれどね。一族郎党は冗談ですが、ミルネ様の魔法を犯罪に使ったら、普通よりも重い罪になる可能性があることは忘れないでください」


「わかっていますよ。そんな大それた犯罪なんて起こすわけがないので安心してください」


 まったく心外であるな。いくら俺でもそれくらいの分別はあるぞ。


「執行猶予中なのも忘れないでくださいね」


「………………」


 そっちは冗談じゃないんだね……






 ◆  ◇  ◆  ◇  ◆


「こ、これは高すぎるのじゃ……」


「日本一高い高層建築物だからね。さすがに良い眺めでしょ」


 ミルネさんを連れてやってきたのはあべのハルカスである。あべのハルカスは高さ300m。日本一高い高層建築物である。そして意外と知られていないことだが、二番目は横浜ランドマークタワーで296mだ。……実はたった4mの差なんだよね。


 日本一高い建築物は東京スカイツリーになる。そちらは634mであべのハルカスの2倍の高さと考えると、とんでもなく高いよな。


「今日は天気がいいから大阪の街がよく見えますね」


 あべのハルカスからは大阪城、梅田スカイビル、通天閣タワーなどがよく見える。今日みたいに天気が良いと、明石海峡や京都のほうまで見えるからな。


「……ミルネさん、大丈夫そうですか?」


「う、うむ! 別に怖くなんかないぞ!」


 ……こっちの世界に来てからビルに上ったことはあると聞いていたが、その高さの比じゃないからな。それに展望台は一面がガラス張りとなっているので、これほど透明なガラスを見たことがないミルネさんからしたら相当怖いだろう。それこそ、一歩踏み出せばここから真っ逆さまみたいに思っているのかもしれない。


「こっちのほうは一部の床がガラスになっているんだよ。結構怖いから無理をしなくていいからね」


「ひっ……」


 高いタワーにあるガラス張りの床がここにもある。本気で高い場所がダメな人はいるし、後ろから驚かしたりするのは本当にやめたほうがいいぞ。


 ミルネさんも怖くてガラスの床には立つことができなかった。少し怖がらせて悪かったが、ガラスから十分に離れたところから大阪の景色を楽しんでもらえたようで何よりである。




「うむ、これは美味しいのじゃ!」


「ええ、これは美味しいです。しかしどこのお店も本当に混んでおりますね」


「ここは有名店だからね。いやあ〜どれもうまくて最高!」


 あべのハルカスを降りて新世界のほうに戻り、大阪で有名な串カツのお店へとやってきた。この辺りにそのお店はいくつもあるのだが、どこのお店もいつも混んでいるんだよな。


 串カツは串に刺した野菜や肉に衣を付けて揚げた料理だ。それをソースに串ごと付けて食べるのだが、揚げたてアツアツの具材にサラッとしたソースをつけて食べるから、普通の揚げ物よりも軽いのだ。


 具材も肉に野菜に魚介類と幅広い。定番のエビや肉もうまいが、子持ち昆布はおすすめだ。あとは変わり種でチーズやバームクーヘン、たこ焼きの串カツなんてものまであったりする。


 本来ならば一度串カツをソースに入れたら、もう一度ソースを付けてはいけないといういわゆる二度漬け禁止のルールがあるのだが、最近では感染症とか飲食店テロ動画の炎上により、ソースは個別に付けるようになっている。


 足りなかったら付け合わせのキャベツでソースを足すみたいな話もできないので寂しい限りである。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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