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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第18話 和歌山県② 押し寿司、熊野那智大社


「ほう、これが寿司というものか。葉に包まれているんじゃな」


「寿司には寿司なんだけれど、普通のお寿司とはちょっと違うんだよね。こちらの世界の寿司は、魚の切り身とご飯を手のひらで握る握り寿司が基本だけど、こっちのは葉で握ったり、木箱に詰めて重しを乗せる押し寿司っていうんだ」


 めはり寿司とはご飯を塩漬けした高菜の葉で包んだものだ。昔は具などを入れずに、ソフトボールくらい大きかったそうだが、今ではいろんな具を入れた普通のサイズの寿司が多いそうだ。今回は高菜やマグロなどが入っている。


 ちゃりこ寿司というのは別名雀寿司とも呼ばれる小鯛を使ったお寿司だ。和歌山では小鯛(こだい)のことをちゃりこと呼ぶらしい。小鯛の尾を付けたまま握った形が、ふくら雀のように見えることから、雀寿司とも呼ばれる。


 なれ寿司とは塩漬けした魚と米を漬け込み乳酸発酵させたものだ。発酵が進むにつれて「馴れる、熟れる」ことからなれずしと呼ばれている。この酸味は酢を使っていないので乳酸発酵の味である。


 他にもさんま寿司や柿の葉寿司などといった寿司も和歌山では有名だ。なんで和歌山県には寿司の種類がこんなに多いんだろうな?


「ふむ、こっちのはシンプルな味じゃが、この甘しょっぱいタレが美味しいのじゃ! 生の魚を食べると聞いた時は驚いたが、どれも美味しいのう!」


 ミルネさんの世界では魚は生で食べるものではないらしい。やはり寄生虫の問題なのかな。


「酸味が効いて美味しいですね。どれも普通のお寿司とは違う味で新鮮です」


 押し寿司とかって普通はあんまり見る機会がないかもしれない。駅弁とかでたまに見かけるくらいかな。






 昼食を食べたあとは大門坂を進み、森の中の苔むした石段をゆっくりと登って、赤く大きな鳥居をくぐって熊野那智大社へとやってきた。


 熊野那智大社は全国4000社ある熊野神社の御本社だ。先にも述べたように世界遺産の構成要素にもなっている。


「美しい朱色の神社じゃな」


「本殿の奥には入れないようですが、こちらも立派ですね」


「……はあ、はあ。ふたりとも元気すぎるよ」


 ここまで来るのに結構な階段を登ってきた。一度お昼休憩を入れたとはいえ、その前の道のりを含めても結構な距離を歩いてきたのだが、ふたりともまだまだ元気そうである。男としてのプライドに反するが、俺も身体能力強化魔法をかけてもらうか迷う……


 そして熊野那智大社の先へ進み、三重塔へとやってきた。ちなみに正式名称は那智山青岸渡寺三重塔という。中に入ることもできるが、景色的には那智の滝を背景にした三重塔が一番綺麗に見える。そしてそのまま那智の滝へとやってきた。


「おお、これはものすごい迫力じゃな! 滝の飛沫がここまで飛んでくるのじゃ!」


 那智の滝の滝壺にはお竜拝所という、那智の滝を間近で見ることができる場所がある。水飛沫が少し飛んでくるほどの大迫力だ。


「これはなかなかの迫力ですね。さすがにここで滝行をすることはできないようですね」


「できてたまるか!」


 那智の滝の落差は133mであり、総合落差では日本12位だが、一段の滝としては落差日本1位を誇っている。華厳滝、袋田の滝と共に日本三名瀑に数えられているほど高い場所から水が落下してくる。こんなところで滝行なんかしたら、リアルに死ぬわ!


 まあだいぶ疲れはしたが、たまにはちゃんとした運動をするのもいいもんだ。本来ならばここから山を下らないといけないところだが、こちらにはミルネさんの転移魔法がある!


 いやあ、魔法って最高だぜ! ……いつか某ネコ型ロボットに頼りきるメガネの少年みたいになりそうだが、今回は疲れきっているので、遠慮なく頼らせてもらおう!




 そして転移魔法でやってきたのは、和歌山県の名勝天然記念物である橋杭岩(はしぐいいわ)だ。


「ふむ、これが自然にできたということには驚かされるのう。この海という存在は侮れんのじゃ!」


「こういうのを見ると自然ってすごいと思うよね。日本だけじゃなくて、他の国にはもっととんでもない景色とかもあるよ」


 串本から大島方面に向かって、海中に約850mの列を成して大小40余りの岩柱がそそり立っている。規則的な並び方が橋の杭に似ていることからこの名が付いたらしい。


 海の浸食により岩の硬い部分だけが残り、あたかも橋の杭だけが立っているように見えるこの奇岩には、その昔弘法大師と天邪鬼が一晩で橋を架ける賭をして、一夜にして立てたという伝説も伝わっているとか。


「この道の駅というものはなんなのですか?」


「道の駅は24時間空いている休憩スペースだよ。他にも名物や特産品みたいなのも売っていたりするね。簡単に言うと高速のサービスエリアの一般道バージョンかな」


 都心にはあまりないが、郊外に出るといろんな地域に道の駅は存在する。橋杭岩の道の駅は普通だが、特に三重県や和歌山には面白い道の駅が数多く存在する。


 マンボウを食べることができる道の駅紀伊長島マンボウ、ウミガメを見ることができる道の駅紀宝町ウミガメ公園、備長炭でバーベキューが楽しめる道の駅紀州備長炭記念公園、イノシシとブタを掛け合わせたイノブタを食べることができる道の駅イノブータンランドすさみなどなど。


 イノブータンランドなんて名前が面白すぎるもんな。最初に見た時は思わず笑ってしまったぞ。なんにせよ日本各地にあって、休憩もできて特産品も買えることもあって旅中はとてもお世話になったものだ。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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