第101話 茨城県② 偕楽園、水戸納豆、牛久大仏
「ほう~これは中々見事なものじゃな!」
「ええ、赤や白色の様々な梅がとても綺麗ですね」
「この時期は梅が綺麗だよね。春には桜、夏にはツツジや竹に杉林、秋には紅葉や綺麗な紅葉が見られるよ」
ここは水戸にある偕楽園だ。
筑波山から降りてきて、温泉で少し休憩した後はのんびりと庭園を回っている。ちなみにつくば付近の小学校の遠足では筑波山に登るらしいから大したものだよ。大人が登ってもかなり疲れたもんな。
偕楽園は水戸藩第九代藩主である徳川斎昭によって造園された場所となる。その美しい庭園は金沢の兼六園、岡山の後楽園とならぶ日本三大庭園のひとつとなっている。
今の時期は梅の木がとても綺麗で、ちょうど梅まつりがやっているようだ。
「建物も趣深くてよいですね。自然に囲まれた昔ながらのこの雰囲気は素晴らしいです」
「気持ちはよく分かるよ。こういった江戸時代の建物は見ていると落ち着いてくるよね」
ビルに囲まれた現代社会に疲れきっている俺や喜屋武さんみたいな人にとって、こういった昔ながらの建物や庭園なんかが心に染みるんだよなあ……
旅の終わりが近くなってきて、またあの社畜の日々に戻るのかと思うと心がすさんできてしまうぜ……
「こ、これはすごい匂いがしておるのう……」
「これは納豆だね。大豆を発酵させるとこんな感じで糸を引くようになるんだよ」
水戸と言えば大体の人が水戸黄門か水戸納豆を思い浮かべるだろう。
そして異世界人のミルネさんにとって納豆は初めて食べる料理だ。これまでに泊まっていた宿の朝食では喜屋武さんがチェックをしていたこともあって、食べられない可能性のある納豆は外していたらしい。
とはいえ、水戸に来たら納豆は試してもらわないとな。さすがに腐った豆というと印象が悪いから、発酵と言う言葉にしておいた。
「日本だとよく朝食に出てくるけれど、結構好き嫌いの分かれる食べ物だから、無理はしなくていいからね」
「わ、分かったのじゃ」
水戸の納豆はよくスーパーとかで見るパックの容器ではなく、昔ながらの藁に包まれているものが売っている。
現代は茹でた大豆に直接納豆菌を加えるが、昔は茹でた大豆を稲藁へ包むように入れておくと、藁に付着している納豆菌が繁殖して納豆になっていた。現代ではどちらかというとわらの香りをつける意味合いの方が強いようだな。
納豆を混ぜて少量の醤油を入れたものを炊き立てのご飯の上に乗せる。個人的に納豆にはネギかキムチ、あるいは卵を入れて食べるのが好きなのだが、今回はしっかりと納豆の味を試してほしいからな。
「おお、香りは微妙じゃが、味はいけるぞ!」
「それはよかった。日本人でも食べられない人は結構いるからね」
どうやらミルネさんは納豆は大丈夫なようだ。この旅で食べられなかったものもないみたいだし、好き嫌いはないようだな。納豆が食べられるようなら、他に食べられないものはないかもしれないな。
「こ、これはとんでもない大きさじゃな!」
「こんなに大きな大仏があったのですね……」
「大仏は奈良の大仏が有名だけれど、大きさはこっちの方が全然大きいんだよ」
続いてやってきたのは牛久大仏だ。正式名称は牛久阿弥陀大佛という。
この大仏は立像では世界3位、青銅の像としては世界最大の120メートルと世界最大でギネスブックにも登録されているほどの大きさだ。
足元から見ると、本当に巨大すぎておどろくと思うぞ。某3分間しか戦えないヒーローが4~50メートルくらいだから、その2~3倍くらいと言えば、その大きさが少しは伝わるかな。
大仏様の足元には極楽浄土をイメージした庭園が広がっていて、様々な花が咲き乱れている。
「大仏中にも入れて5階に分かれているから、早速中に入ってみよう」
「……あの中に5階も空間があるのですね」
喜屋武さんの言う気持ちも分かる。まさか大仏の中にそれだけの空間があるなんて思わないよな。
1階には浄土の世界を表現した「光の世界」という空間となっていて、2階には77席の写経席があったり、大仏の原寸大の親指や建立完成までのパネルなんかが展示されている。
3階には約3400体の仏像があり、金色の世界が広がった「蓮華蔵世界」が広がっている。4、5階には『霊鷲山の間』がある。そして一番の見どころである胸部展望台へはエレベーターを使って上がることが可能だ。
……まさか大仏内にエレベーターがあるとは思えないよね。
「おお、ここからの景色も見事じゃな!」
「今日は天気が良いから富士山まで良く見えるね」
胸にある展望台からはスカイツリーや富士山まで見える。夜には牛久大仏がライトアップされたり、夏には花火大会もあるのだから、地元に愛されている証拠である。
他にも茨城の大洗ではあんこうが有名で、あんこう祭りなんかも有名だな。某戦車アニメの聖地でもある。





