第100話 茨城県① 筑波山
「これは神社というものじゃな」
「そうだね。ここは筑波山神社といって3000年の歴史を持っている古社になるんだ」
今日は茨城県の筑波山へとやってきている。定番だが言っておくといばらぎではなくいばらきだな。
神奈川を出て南は沖縄、北は北海道まで回って関東まで戻ってきた。この日本一周の旅ももう少しかと思うと感慨深いものがある。確か自転車で旅していたころも関東まで来たらもうすぐ旅の終わりだと思ったものだ。
筑波山の麓にある筑波神社で参拝をして、いざ登山の開始である。
「平日というのに、こちらは他の登山客が多いですね」
「筑波山は登山初心者にも登りやすくて、関東からのアクセスもしやすいから登山客が多いことでも有名なんだよね」
筑波山は日本百名山にも数えられているが、その中でも一番標高の低い877メートルで、ケーブルカーやロープウェイまで整備されているので、登山初心者にも優しい山となっている。例えば登ったは良いが下りは無理という時にケーブルカーやロープウェイを使えるし、登りはパスして下りだけ楽しむこともできたりする。
つくばエクスプレスを使えば都内からも一本で行けて、つくば駅から直通のバスなんかも出ていてアクセスもしやすいのだ。さらに筑波山は男体山と女体山という2つの東西に並んだほぼ同じ高さのふたつの峰があり、様々な登頂ルートがあるため、何度でも楽しめる山となっている。
基本的な移動はミルネさんの転移魔法を使っているから、たまにはしっかりとした運動もしておかないといけない。
「はあ……はあ……」
さすがにしんどい……
いくら初心者に優しい山とはいえ、立派な山だからな。さすがに富士山と比べたら楽かもしれないけれど、最近はだいぶおいしいものと食べて運動が少なめだったからなあ。
この旅が終わったら、少し筋トレでもしよう……
「佐藤さん、もう少しで山頂ですよ」
「タケミツ、あと少し頑張るのじゃ!」
「………………」
喜屋武さんもミルネさんも本当に元気だよな。
とはいえ、2時間ほどかけてようやく山頂付近まで登ってきたからもうすぐだ。
「はあ~到着。ここが女体山の本殿だね」
「おお、景色がとても綺麗なのじゃ!」
「ここが筑波山で一番高い場所だよ。今日は天気が良いから奥の方まで良く見えるね」
女体山の山頂は男体山の山頂である871メートルよりも高い877メートルとなっている。山頂にはイザナミノミコトを祀っている女体山のご本殿があった。
そしてここから望む霞ヶ浦と関東平野の眺望は本当に絶海だ。
この澄み切った青空と、どこまでも続くような緑色の平地や山脈がとても美しい。ここまで頑張って登ってきた甲斐があったというものだ。
「なにやら開けた場所に出てきましたね。お店もいくつかあるようです」
「ここは山頂付近の御幸ヶ原だよ。ちょうどいい時間だし、ここでお昼にしよう」
女体山山頂から山頂連絡路を通って少し歩いたところで、広い平坦な広場にはケーブルカーの筑波山頂駅があり、展望台や売店にレストランなんかもある。
ここは御幸ヶ原といって、女体山と男体山の山頂の間にある場所だ。ここで少し休憩をするとしよう。
「ふむ、これはおいしいのじゃ」
「これは筑波山名物のつくばうどんだね」
つくばうどんは具材の頭文字を取っている。筑波茜鶏の「つ」くね、地元産のしいたけやゴボウなどの「く」ろ野菜、ローズポークの「ば」ら肉の具材と地元産の小麦とレンコンパウダーを使用したうどんとなっている。
結構無理やりなきもするけれど、うまければそれでいいんだよ。
「なかなかおいしいですね。それにこの景色を見ながら食事ができるのは素晴らしいです」
「360度のパノラマはすごいよね」
この食堂の最上階は全面がガラスで、この素晴らしい景色を一望しながら食事ができるようになっている。
他にも筑波山の麓産の福来みかんを使用したラーメンやつくば鶏親子丼なんかも人気なようだ。なんだか食べると服が来そうなみかんの名前である。
「ここが男体山の山頂だね」
「うむ、ここからの景色も素晴らしいのう」
お昼を食べたあと、そのまま男体山の山頂へと進む。先ほどの御幸ヶ原から15分くらいの道のりだ。こちらは徳川幕府の守護山としても崇められており、男体山のご本殿は江戸城の方向を向いて鎮座していたらしい。
今日はとても天気が良いから、富士山やスカイツリーまで綺麗に見えた。そこまで見えるほど天気が良いのは素晴らしい。
「さて、ここからはケーブルカーに乗っていこう」
「うむ、楽しみなのじゃ!」
ここからは先ほどの御幸ヶ原まで戻り、そこからケーブルカーに乗って下山する。
もちろんこのまま歩いて山を下山してもいいのだけれど、せっかくならミルネさんをケーブルカーにも乗せたいからな。
……決して俺が疲れたからケーブルカーに乗りたいという訳ではないのである。
そして筑波山神社に戻ったら、すぐそこにある宿の日帰り温泉を楽しむ。やはり登山をした後の風呂は最高だ。





