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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第10話 静岡県② 熱海温泉、鳥のもつ煮


「あ〜あ、いい湯だな」


 ここは温泉で有名な静岡県の熱海温泉である。山梨県の観光を終えたその日に、静岡県へとやってきた。昨日の箱根温泉に続けて2日連続の違う場所での温泉である。


 ……毎日違う温泉に入れるとか、転移魔法最強すぎるだろ。それに観光したり、美味しい都道府県の名物が食べられるし、この仕事を受けて正解だったようだ。


 ちなみにここ熱海には熱海秘宝館なんていう場所もあったりする。18歳未満は入場できないいわゆるエロい大人のための娯楽施設だ。


 さすがにそんな場所へミルネさんを連れていったら一発で案内役をクビになってしまう。いや、案内役をクビになるどころか、異世界との国交を壊した国家反逆罪として捕まってもおかしくないな……




「佐藤さん、失礼します」


「はい、どうぞ」


 そして今日も温泉で疲れを癒したあとは、喜屋武さんと一緒に明日のための打ち合わせだ。相変わらず喜屋武さんの浴衣姿はいつもの黒スーツよりも色っぽい。おっと、また変なことを言うとセクハラとか言われてしまう。


「熱海の温泉もいいお湯でしたね」


「セクハラです」


「なんでだよ!」


 思わずタメ口になってしまった。なんでいい湯だって言っただけでセクハラになるんだよ!


「ミルネ様や私が温泉に入っている姿を想像したでしょう……いやらしい」


「……いやいやいや! そんなこと想像してないですよ」


 本音を言うとちょびっとだけ想像してしまった。男女で温泉に来たら普通は女湯の様子を想像してしまうのは健全な男性なら当然のことである……当然だよね?


「まあ半分は冗談ですよ」


「そこは全部冗談と言ってほしかったです」


 まあ想像だけでは罪にならないはずだ。ミルネさんの魔法で頭の中を読み取る魔法とかないよね?


「私のほうは転移魔法による体調の変化はなさそうですが、佐藤さんの体調は問題なさそうですか?」


「ええ、問題なさそうです」


 転移魔法による移動は今日で2日目となるが、今のところ体調に変化はないみたいだ。どちらかと言うと、転移魔法による移動で運動不足になりそうなことくらいである。


「そうですか。昨日の健康診断も問題ないようでした」


「それはよかったです」


 今日も簡単な健康診断を終え、明日のおおまかな予定を話した。




「それではお疲れさまでした。明日もよろしくお願いします」


「こちらこそよろしくお願いします。あっ、喜屋武さんもよかったら少し飲みませんか?」


 冷蔵庫に入れていたお酒と買っておいたツマミを取り出す。


「……それでは少しだけいただきましょう」


 ミルネさんはお酒を飲めないが、どうやら喜屋武さんは飲めるらしい。せっかく日本を巡るのなら、その土地の地酒や地ビールなどを楽しまないと損だからな。


「山梨県の甲府ワインとツマミで鳥のもつ煮、静岡県の御殿場高原ビールと伊豆高原ビールです」


 日本のワインの発祥の地である山梨県で買ってきたワインと、山梨県の郷土料理である鳥のもつときんかんが入った鳥のもつ煮。そして地ビールと呼ばれる、その土地の小規模な酒蔵で作られているビールを買っておいた。


「……普通のビールとは少し味が違うのですね。こちらの鳥のもつ煮は甘しょっぱい味付けで、このお酒によく合います」


 鳥のもつにというのは全国的にも珍しい。それにきんかんが意外と合うんだよね。


 地ビールは特徴的な味がするものも多いからな。その味は本当に地域のビールによって全然違う。それにピルスやヴァイツェンなど様々な種類がある。


「こっちのワインもなかなか美味しいですよ。山梨県のブドウは有名ですからね」


「……確かにこちらもなかなかいけます。これはいけませんね、明日もミルネ様の案内があるというのに」


「俺も二日酔いには気をつけないといけませんね」


 酒がうまいからといって、ついつい飲みすぎて明日二日酔いにならないよう気をつけるとしよう。




「今日はごちそうさまでした。お酒もおつまみも美味しかったです」


「こちらも1人で飲むよりも楽しかったですよ。またいいお酒やつまみを買えたらお誘いしますね」


「ええ、お待ちしております。今回のお酒に免じてセクハラで訴えるのは勘弁してあげましょう」


「あっ、はい……」


 訴える気はあったのか……全然冗談ではなかったようだ。


「それと私に対して敬語はいりませんよ。ミルネ様に対して普通に話しているのに、私にだけ敬語というのはおかしいですから」


 言われてみると確かにそうだな。ミルネさんに普通の口調で、喜屋武さんには敬語というのもまずいのかもしれない。


「……なるほど。わかったよ」


「それに佐藤さんと私は同い年のようですからね。私は業務上ミルネ様や佐藤さんに対して敬語になってしまいますが、あまり気にしないでください」


「あっ、そうなんだ」


 正直に言って、喜屋武さんはしっかりとした女性だから、俺よりも年上だと思っていた。おっと、女性の年齢に触れたら、またセクハラと言われてしまう。


「それでは佐藤さん、明日もよろしくお願いします」


「ああ、こちらこそよろしく」


 ひとりで飲むのも楽しいが、他の人と一緒に飲むほうが楽しいし美味しく感じる。またいいお酒やつまみが手に入ったら、喜屋武さんを誘ってみるとしよう。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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