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02中国人


「10万円持って来た。」


「確かに。」


俺は再び中国人に接触を試みた。

前回と同様にお金を要求されたけど・・


「・・ははは、お前って馬鹿だな!」


へ?


「前回あんなメモ渡されただけで10万とられたってのに、自分から進んでまた10万出すんだもんな。」

「そりゃ馬鹿だろ?」


「・・」


「そんな顔すんなよ。お前みたいなやつ嫌いじゃないぞ。」

「話したいんだろ?いい店あるから行こうぜ。」


「あ、ああ・・」


大丈夫だろうか・・心配だ。


・・

・・・・


「まあ座れ。おじさん何か日本人の口に合うやつを頼むわ。」

「こいつ日本人なんだ。」


「ほー、日本人の好みなんて簡単だ。寿司、カレー、から揚げ、焼肉、ラーメンの中から選べばいい。」


「そうなのか?」


「あ、うん。大体合ってる。ただ人によって細かい好みはあるよ。」

「ジャガイモを大きく切ったカレーは好きじゃないとか、寿司でも貝類は嫌いとか。」


「贅沢だな。一度飢え死にでもすりゃ何でもおいしく食べれるぞ。」


「それ死んでる・・」


「オレはかつ丼だな。甘じょっぱさがたまらん。”勝つ”にかかってて縁起もいい。」


「かつ丼も人気だけどトンカツと同じくらい人気で食材がかぶるから、ランキングとかだと票を分け合って不利なんだよ。」

「寿司は刺身と食材がかぶるけど、人気は圧倒的に寿司だからランキングにはあまり影響しない。」


「日本人はマジで食べ物にこだわるな。飯がうまい理由はそこか?」


「いや単純だよ。うまけりゃ細かいことは気にしない。」

「外国で寿司とか魔改造されてるのが紹介されたりするけど、おいしいなら逆輸入してほしいって意見も多い。」

「あ、でも値段も重要かな。あと手軽さも。人気があるかどうかも結構・・」


「こだわりまくりじゃねーか!」


「はは、客商売してるとわかるぞそういうの。ほらできたぞ食え。」


「え・・」


そこには、寿司とカレーとから揚げと焼肉とラーメンがそれぞれの小鉢に少しずつ入っていた。


「どれ注文しようか悩むぅ~(裏声)・・とか言うやつがいるから作ってみた。」


「へぇ、いいじゃないですかこれ。」


「最初は物珍しさから注文されるが、時間が経つと定番メニューに戻るんだよ日本人って。」

「新商品なんて出し続けることなんてできないから、こうやって提供の仕方を変えたり工夫してる。」


「商売は大変ですか?」


「・・大変だがやりがいもあるさ。問題はやりがいだけじゃ食っていけねえってとこかな。」


「なんだお前、店でも始めたいのか?」


「い、いや・・でも、今の仕事もどうしようか悩んでて・・」


「ははは、人民解放軍に入ればいいだろ。」

「どうせいずれ戦争は起こる。早めに準備して損はないぞ。」


「あの、入るためには米兵を・・」


「しっ、ここでその話はダメだ。ほら飯食うぞ。」


「う、うん。」


俺たちは普通に食事をした。

うん、おいしい!


・・

・・・・


「腹いっぱいになったか?」


「あ、うん。」


「そりゃよかった。じゃあな。」


「・・」


・・何しに来たんだっけ?


「っておい呼び止めろよ!10万出してこの程度かい!ってつっこめや!」


「え、あ、いやなんかこう、すみません。」


「飯食いながらきな臭い話はしたくなかったからな。」

「本題は次の店でだ。そこはそういう話をする場所だ、ついて来い。」


ちょっとノリについていけなかった。

来たの失敗だったかなぁ。


・・

・・・・


「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。」


小綺麗な感じのお店。

案内してくれた店員さん綺麗。チャイナドレスが似合ってる。


「いつもの頼む。」


「はい、かしこまりました。」


綺麗な店員さんはすぐに飲み物を持ってきてくれた。


「ごゆっくりどうぞ。」


店員さんは俺を見てほほ笑んだ。


・・いい店だなぁ。

今度ひとりで来てみようかな。


「言っておくが、ここ会員制だからお前だけ来ても入れないぞ。」


「え?」


「あの店員が気に入ったんだろ?顔に書いてあるぞ。」


俺は反射的に顔に手を当てた。

まぁ本当に書いてあるわけじゃないだろうけど。

他にもお客さんいるけど・・みんな会員の中国人なのだろうか?


「まあ美人だからな。気になってもしゃあない。」


「き、綺麗な人ですよね。」


「だが諦めろ。今のお前じゃ無理だ。」


「・・あー、日本人嫌いとか?」


「んなことはない。むしろ日本人には好意的だ。」


「・・お偉いさんのお嬢さんとか?」


「いや、一般人だ。」


「実はエリートだとか?」


「中国語のほか日本語も話せるが、そこまで頭がいいわけじゃない。」

「英語もできればまた違ったんだが・・」


「じゃあどうして?」


「2022年に安倍元総理が殺されて中国上層部は背筋が凍り付いた。」

「・・日本では何が起こるかわからない。大使館だけで日本にいる同胞77万人は大丈夫か?」

「いざという時を想定してここみたいな拠点が各所にある。」

「公開はしてないからな。そこで働く女性を日本人と付き合わせる馬鹿がどこにいる?」

「お前ら日本人は、自衛隊員が中国人と結婚しても不安にならないか?」


「そういや一時期スパイじゃないかと報道されたこともあったような・・」


「軍人は出世するほど外国人との結婚が自由にできなくなるものだ。」

「厳しい身上調査が行われ結婚が認められない場合も・・が、自衛隊は軍人ではなく制限が甘い。」

「自衛隊は国防を担うには制度不足だ。だがこれは我々にとってチャンスでもある。」


「というと?」


「軍人には国際捕虜規定がある。いわゆるジュネーブ条約だな。」

「簡単に言えば軍人や民兵を捕虜にしたら人道的な扱いをしないといけないってものだ。」

「・・が、自衛隊は軍人でも民兵でもない。特に海上保安庁法第二十五条では軍隊としての組織や機能を否定している。」


「てことは?」


「拳銃と警棒を振り回すだけなら警察であり人道上の扱いは必要。だが・・」

「戦車を用いたり砲撃をするようなら警察でもない。そして軍人でもないなら・・テロリストだな。」

「ウサマビンラディン氏がどうやって殺されたか知ってるか?」


「アメリカ軍が殺したってくらいしか・・アルカイダのテロリストだよね?」


「自宅にいて武器を持っていない状態でアメリカ軍に殺された。」

「テロリストは自宅にいても殺していい。テロリストは無抵抗でも殺していい。テロリストは裁判せず殺していい。」

「外国にいるテロリストを殺しに行っていい。文句はアメリカに言え。」


「もしかして日本って憲法改正しないとヤバいんじゃあ・・」


「日本政府はやるべきことをやっていない。」

「国の外からの守る準備もできず、国の中に不穏の種をバラまいている。」

「あんなのに任せていては日本の未来は閉ざされる。犠牲となったキミたち不幸な人には戦う理由がある!」

「・・しかしなあ・・革命してもお前に国政ができるとは思えん。」


「自分でもそう思う。」


「でも安心しろ、中国が手伝ってやるよ。」

「お前たち日本人は洗脳されてるから疑うだろうが、中国のやり方はそう間違っていない。」


「というと?」


「例えば中国では自由な報道ができない。クソみたいな報道をすればテレビは真っ暗になる。」

「日本は”共産党に都合の悪い放送を検閲している”・・などとたわごとを言ってるが違う。」

「日本の報道を見てみろ。クズだろう?誰が管理しないといけない?そりゃ正しい政府だろ。」


「うーん。」


「例えば中国ではゲーム規制をしている。未成年の利用時間を制限したり新規アプリのリリースに制限をかけたり。」

「日本は”共産党の気分ひとつで市場が破壊される”・・などとのたまってるが違う。」

「日本の企業を見てみろ。税金にたかる汚いハエだろう?規制しなきゃ国家を破壊し尽しても金を奪おうとする。」


「うーん。」


「まだ洗脳が解けないのか?」


「いや・・そう説明されても俺が政治?ってなるとピンとこないというか不安というか。」


「ま、しゃあないか。やはり自衛隊にやってもらうしかないな。」


「え?なぜ自衛隊!?」


「簡単な話だ。日本政府は腐ってる。官僚は腐ってる。資本家は腐ってる。報道機関は腐ってる。警察は腐ってる。」

「お前ら不幸な人は組織の動かし方を知らない・・消去法で自衛隊だ。」

「戦争になればクソ共のために命を懸けないといけないんだぞ。自衛隊がかわいそうで涙が出てしまうなあ。」


「え?戦争になったらその自衛隊を中国が攻撃するのでは・・?」


「だから一緒に腐った日本政府を倒して日本を正しましょうって説得する。あ、ついでに不幸な人の救済も。」


・・ついで?


「日本は軍事国家的なものにアレルギーがあるから自衛隊統治は難しいんじゃないかな・・」


「オレもそう思うね。だから一時的な処置だ。」

「例えば5年という期間限定で憲法を停止して自衛隊が統治・・いや、改革をする。無論不正の排除だ。」

「戦後77年・・その間に積もり積もったゴミを掃除するんだ。その後はもちろん民主制に戻すさ。」


77年かけて積み上がった不正が5年で解決するのかな・・?

かなり強引なことになりそう。いや荒療治が必要なのか・・?


「これは新しいドミノ理論だ。ロシアとウクライナの戦争でエネルギー価格が上昇し食糧危機も近づいてる。」

「世界が不安定になる。この機会を利用して西側や第三世界の国々を一気にいただく・・あ、仲間にするって意味だぞ。」

「最初に味方へ引き入れた国をどう扱うかで他の国が追随するかが決まる!日本か台湾、そのどちらかだろうな。」


「それでなんかこう融通してくれるっていうかロシアみたいに敵対的な感じじゃないのか。」


「我ら黄色人種は白人とは違う!我々が世界一であることを証明してやろうじゃないか!!!」


中国人は上昇志向だ。少しうらやましい。

俺は・・そこまでの意思をもてない。というか世界一を目指す必要性が見いだせない。


「・・俺は・・そんな風に世界一を目指す自信ない・・」


「いやいやいや、別にそんな重い考えとかオレだってしてないぞ。」

「誇るべきことをするんだ。世界一はその結果についてくるおまけにすぎない。」

「日本風に言うとあれだ。人事を尽くして天命を待つ・・準備はしっかりする、やるべきことはちゃんとやる。それ以外を考えてもしょうがないだろ。」


俺に足りないのは・・勢いなのかなぁ。うーん。


「難しいことは必要ない。お前は日本政府を倒して幸せになればいい。」

「綺麗な奥さんもらって、かわいい赤ちゃん作って。あ、さっきの店員の子がいいか?」


「えっ、でもさっきは俺なんか無理だって・・」


「そりゃ今はな。だが日本政府を倒して新しい中国と日本の付き合いが始まれば話は別だ。」

「それまでどれだけ貢献したかが重要だぞ。しっかり戦うんだ。」


「あ、うん。」


「というかあれだ。戦わないやつは救いようがない。」

「そんなやつ誰も救ってくれねーよ。」


「・・」


「オレは日本が好きだ。桜を見るのも好きだ。梅を見るのも好きだ。」

「町並みは綺麗でおいしいものはたくさんあって楽しくなる。落ち着ける。」

「だからこそ許せない!なぜこんなにも綺麗な日本で汚いことをする!?」


「汚いこと?」


「旭川でいじめがあって自殺した女生徒がいただろう?第三者委員会による最終報告が発表された。」

「いじめと自殺の関係について”不明”だとさ。おかしいと思うだろう?どう考えてもいじめが原因だ!」

「日本はおかしい!見捨てられた者が戦うのは当たり前だ!汚い日本を変えようじゃないか!」


まだあれ続いてたのか・・というかじゃあ何であの子は自殺したと思ってるんだ第三者委員会は?


「日本政府は不幸な日本人を見捨てるつもりなのは間違いない!」

「秋葉原無差別殺傷事件は知ってるか?」


「加害者が最近死刑になったんだっけ。」


「加害者の労働環境は安定せず精神的に不安定になっていた。彼は就職氷河期世代だ。」

「なぜそんなことになった?日本政府が韓国邪教と組んで日本人を意図的に見捨てていたからだ!」


「あのー、日本政府が日本人を見捨てる必要って別にないのでは?いやまぁ俺が言うのもなんだけど。」


「食いものにしていたと言った方がわかりやすいかもな。」

「安月給でこき使い、不要になれば切り捨て・・救わないので税金もかからない。」

「一部の権力者が儲けるために不幸な国民から搾取し切り捨てたんだ!」


「死刑が執行されたのは2022年7月26日。安倍元総理が殺されたのは同年7月8日・・近いと思わないか?」


「安倍さんが殺されてから18日後か・・まぁうん。」


「これはメッセージだ!日本政府から不幸な人は絶対に救わないという挑戦状だ。」

「ここまでわかりやすく宣戦布告をされて戦わないやつはもうダメだ。救いようがない。」


「・・」


「日本警察はゴミだ。ゴミ以下だ。秋葉原無差別殺傷事件の供述調書では捏造もしてる。」

「そもそも警察は朝鮮パチンコの守護者だからな。韓国邪教と手を組んだ政治家どもと同じだ。腐ってる。」


「・・」


「2011年、韓国を異様にヨイショするテレビ局に対し抗議デモが行われた。」

「このテレビ局による韓国ごり押しに”嫌韓”は大きな広がりを見せた。」

「今思えば嫌韓は正しかった。韓国邪教も含め、日本はあの時に韓国を排除すべきだった。そうすれば安倍元総理の暗殺は起きなかった。」

「安倍元総理を殺したのは政治家たちだよ。自業自得さ。」


「・・」


俺は何も言えなかった。

日本人より日本に詳しいなぁとか日本人より怒ってんなーとか頭の中で色んなことがぐるぐる通り過ぎて行ったけど・・

自分が怒られているような気分だった。


「あの、安倍さんの国葬についてはどう思ってる?」


「開催の是非については日本人が決めることだからそこはどうでもいい。」

「別に中国に害があるわけじゃないからな。」


「・・そう。」


「個人的なことを言わせてもらえば・・不幸な日本人を徹底的に見捨ててきた日本政府。」

「そのトップを長年勤めてきたやつは不幸な日本人にとって大敵だ。」

「そんなのが国葬なんてされたら戦う理由が増えてしまうではないか!だから国葬は大賛成だ。あー楽しい!」


「え?え?え?」


「安倍元総理が韓国邪教と手を組んで不幸な日本人を見捨て続けてきた。」

「韓国邪教はキリスト教系の宗教だ。なら安倍総理は死後どうなると考えている?」

「あの世で神だか神の子だかにこう言われるのか?」


”よくぞ日本人を長きに渡り苦しめてきましたね。あなたを祝福しましょう・・”


「そんな馬鹿な!宗教はクソだ!!!」

「韓国邪教も、それに協力する政治家も極悪人だ!不幸な日本人が戦うのは当たり前だ!」

「人を救うのは宗教ではない!人が人を救うしか道はない!洗脳されるのはもう終わりにしよう!」


「・・」


「オレは日本が好きだ!だからこそ許せない!」

「戦おう!そして日本をあるべき姿に!」


「おう!」


「その通りだ!」


え?誰?

他のお客さんたちがなぜか賛同してきた。


「よーし、景気づけにみんなで日本の歌を歌おうぜ!」


「歌って・・そらで歌える歌なんてないけど。」


「ははは、この歌を知らない日本人なんているわけないさ。」

「日本の国歌(君が代)斉唱!!!」


”き~み~が~あ~よ~お~は~”


”ち~よ~に~ぃぃや~ち~よ~に”


”さ~ざ~れー、い~し~の~”


”い~わ~お~と~な~~~りて~”


”こ~け~の~、む~ぅ~す~ぅ~ま~ぁぁで~”


意外と今でも歌えるもんだな。


「ちゃんと歌えるじゃねえか。うまいうまい!」


「ど、どうも。」


「兄ちゃんもっと声を出していいんだぜ!自国の国歌だろ。」


「いい歌じゃねえか。自信もって歌えや。」


「お前らあんま出しゃばるな。いかついお前らに囲まれたら怖いだろ。」

「美少女になって出直してこい!」


「顔が怖いのは生まれつきだもん、くすん。」


「実は女装コスプレが趣味でして。」


「あいつらは無視していいぞ。」

「・・日本の国歌っていいよな。長生きを祝う歌なんだってな。」


「中国は違うの?」


「戦争の歌だぜ。ちなみにアメリカの国歌も戦争の歌だ。」

「・・日本もさ、源平とか南北朝とか戦国時代とか戦争しまくってたじゃねーか。」

「それで選ばれるのが長生きを祝う歌ってのがすごいよな。」


「あんまり考えたことなかったけど・・」


「日本は独特だよな。中国はナンバーワンを目指すけど日本はオンリーワンって感じだ。」

「だがアメリカはだめだ!あいつらもナンバーワンを狙ってる。」


というかアメリカは今現在ナンバーワンでは?空気を読んで言わないけど。


「アメリカと共に覇を唱えることはできない。必ず決着をつける。」

「だがアメリカにはイギリスがいるように、中国にもパートナーが必要になる。」

「中国と日本は長い関係があり奇しくも日本はイギリスと同じ島国だ。」

「大陸国家と島国の組み合わせにどこか運命的なものを感じてならない。」


「・・でもその、中国は日本と本気で組めるの?日本と中国は色々あって恨んでいる人もいるんじゃ・・」


「ははは、中国とロシアの関係を知らないのか?」

「東欧の一国だったロシアは16世紀後半あたりに東方進出を本格化する。」

「旧ジョチ・ウルスであるシビル・ハンやシャイバニ朝を破り東の果て・・アジアへやってきた。」


「いきなり色んな国の名前が出た・・」


「ジョチ・ウルスはモンゴル系の国だな。一時期ロシア・・当時のモスクワ大公国を支配していた。」

「だがその後モスクワ大公国はジョチ・ウルスに勝ち独立を果たす。」

「ジョチ・ウルスは分裂してしまい、モスクワ大公国あらためロシア・ツァーリ国に各個撃破されてしまった。」


「へーへーへー」


「ロシアは17世紀に南下政策をとる。そこにいたのは・・我らが清国!」

「長い長い中国とロシアの戦いが今ここに幕が開いた!清露国境紛争だああああ!!!」


「17世紀だと日本は江戸時代か・・」


「そう!日本が鎖国している間に世界は大きく変わっていたのだ!」

「ロシアにアジアは渡さない!清国はロシアからアジアを守ってきた!!!」


「パチパチパチ!」


「事態の変化は19世紀半ば!アヘン戦争に破れた清国は香港など南方をイギリスに奪われてしまう!」

「さらにアロー戦争が起きイギリス・フランスに破れた清国はボロボロ・・ロシアが黙ってるわけもなく・・」

「ロシアは南方への進出を強化して清国の権益を奪っていった!」


「フルボッコだ・・」


「19世紀も終わり頃、これは日本も知ってるだろう・・日清戦争勃発!ここでも清国は涙をのむこととなる!」

「敗れに敗れた清国はロシアに助けを求め権益をいくつか譲ったりした・・が!ロシアなんて信じるもんじゃないな。」

「義和団事件が起きると列強は八カ国連合軍で清国に攻めてきた!その中にはロシアも日本もいた!」


「・・」


「ここからは日本でもちゃんと習う内容だ。」

「南下政策を強めたロシアに対し、清国に権益を持つイギリスが危機感を抱くもアジアは遠すぎる。」

「ロシアを止められる勇者を求め、日本に白羽の矢を立てた・・そして日英同盟と日露戦争につながるわけだ。」


「・・日本も結構やらかしてるんだな・・いやだから恨んでるんじゃないかって・・」


「違う違う。ロシアと数百年殴り合ったり裏切られたりしてるのに今は同じ東側陣営だろ?」

「日本との付き合いはそれより長い。古くは邪馬台国の卑弥呼様か?まあ商人レベルの付き合いはさらに前からあっただろうが。」

「ざっと見て1800年。争った年月なんてその中の数十年だ。」


「・・」


「数十年争ったからといって1800年かけた付き合いを捨てたら御先祖様に叱られてしまう。」

「そろそろさ、欧米のプロバガンダを信じるのはやめにしようぜ・・次の時代はもうすぐそこまで来ているんだ。老害にはなりたくないだろう?」


「あ、ああ・・」


「新しい時代の主役はオレたちだ。もうみじめな思いはさせたりしない。」

「戦って勝ち取ろうぜ!オレたちの未来を!!!」


なんだろう・・本当に新しい時代が来る気がする。


もう・・みじめな思いはしたくない。


・・

・・・・


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