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secret love
わたしの右腕は左腕に比べてちょっと太い。
それは右腕が元々のわたしのものではないからだ。
肘のちょっと先、名前も知らない誰かの腕とわたしの腕がつながれているところをそっと指でなぞる。
よく見なければわからないけれど、引きつれた皮膚が腕をぐるりと一回りしている。なぞるとざらざらと指先にひっかかる。
指でこの傷跡をなぞる時、わたしはご主人様の愛に身も心も包まれる。
「ああ」
自然と熱い吐息がもれる。
世界なんていらない、ただ、ご主人様がいてくれればそれでいい。
それだけで……
いい
2024/01/06 初稿




