ハラスメント相談窓口
野球は、ある程度セオリーが決まっているスポーツ。どうなったら、どう動くとかがある程度決まっている。そういう意味で基礎はどうしても頭に叩き込んだり、身体に教え込まさないといけない部分はあるだろう。でも、試合になってくるとグラウンドでは様々なことが起こる。教えられたセオリーだけでは瞬時に最適解を出せない。自ら考えてベストの動きをしなければならないスポーツでもある。
娘の言っていることは間違っていない。楽しい野球。多分、娘がやりたい野球はヘラヘラ笑いながらやる野球ではない。ちゃんと仲間を思いやりながら、しっかりと練習をして、監督らからの指示だけでなく、自分たちも考えてプレーをする令和野球のような野球なんだと思った。
私が娘から奪うことになるもの。パワハラ、みんなでやる野球、仲良い友達、仲そこそこの友達、仲悪い友達、長時間練習、各種イベント。
仲の悪い友達との関係を悩むのもとてもいい。それは必要なことだ。
パワハラと長時間練習だけを娘から奪えないものか・・・。結局それは無理だと思った。あとで妻と娘と話をしたが、他のチームへの移籍の話をすると、仲間思いの娘からは、「そういうことがしたいんちゃうねん」と言い切られてしまった。また妻も、その他のお母さん方との付き合いで、練習は別々でも試合で敵として顔を合わすのは気まず過ぎると言われてしまった。
私はネットで、地域の野球連盟にハラスメント相談窓口がないか確認してみた。スポーツにおけるハラスメント窓口相談とか弁護士への相談窓口はあった・・・これはダメだと思った。少年野球と距離が遠すぎる。まず相談するのに利用する側の心理的なハードルが高い。また、相談したところで、少年野球チームの指導者たちからすれば、そんなよそ者の言うことなど響かない可能性が高い。一般企業では内部にハラスメント相談窓口やコンプライアンス相談窓口がある。身内から何らかの制裁がある可能性を持たせないと、現場の指導者たちには響かない。とうとう少年野球にもそういう風が来たかと思わせないといけない。彼らだって、少年野球の外では常識人で良い人たちの可能性が高い。少年野球のときだけ、子ども相手にパワハラを行う。それがパワハラだと思わずに。少年野球ではそれをしても良いんだと思っているに違いない。
これは全日本軟式野球連盟の怠惰だと思った。一番の悪は、現場にあるパワハラ温床環境を認識しながら野放しにしている、全日本軟式野球連盟の怠惰だと強く感じた。2024年度に指導のライセンス取得の義務化だけでは、パワハラが撲滅できる可能性は低いと思う。やはり、各地域ごとで、自浄作用が機能するように、各地域の野球連盟にてハラスメント相談窓口設置の義務化を徹底させ、少年野球チームに入る子どもも親御さんもみんなそのハラスメント相談窓口があることを認識させる案内を各少年野球チームにさせなければいけないと思った。