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娘へのヒアリング

 何事も現場(ミクロ)からのアプローチとトレンド(マクロ)からのアプローチが重要なのは理解しているつもりだ。そして、私は頭でっかちになりやすいから、現場に参加して、しっかり情報を得なければならない。溶け込んでいかないといけない。おそらく、ほとんどの少年野球指導者は現場経験重視だと思うので、現場経験ゼロの私の意見はかなり通りにくいだろうと思われる。


 ということで、現場へのアプローチについて、まずは現場をよく知る娘のヒアリングから始めてみた。・・・とここで娘からとんでもないことを聞かされ、愕然(がくぜん)となった。それを聞き、私はどうすればいいか分からなくなり、何時間も次の一手をどうしようか、考えなくてはならなくなってしまった・・・。


「まい、すまんけど、いま入ってる少年野球チームについて教えてくれ」

「えー?なんでそんなこときくん?」

 ん?なんや?警戒?

「パパ、まいと一緒に野球始めようと思って」

「ふーん」

 あれ。あんまりうれしくなさそ。さみし。

「まずは仲ええ友達からおしえてくれ」

「ひーちゃんにまさと」

「他には?先輩の六年生とか」

「六年生?んー、佐藤さんとー、あとー、吉田さんも好きやわ」

「なんで好きやねん」

「みんな優しいから」

「逆にうっとうしいやつはおるか?」

「けんと」

「それ、おれや」

「あ、ほんまや。でも、パパやなくて、チームにおんねん」

「えらい偶然やな」

「ほんまやな」

「けんとは何かいらんことしてくんのか?」

「うーん、リーダーの子についていって、自分は上やとか考えてるとこがダルい」

「ん?どゆこと?」

「リーダーの子、おるやん」

「リーダーの子?チームのキャプテンのことか?」

「ちゃうちゃう」

「ああ。クラスのリーダー格の子か」

「そうそう」

「けんとはリーダー格の子と友達やから、学校カースト的に自分はトップのほうってアピールするってことな」

「そう、それ」

 最近の子は成長早いな・・・おれが小学生の頃は鼻水垂らしてた記憶しかないけど・・・。

「お前、おませやな・・・いくつやねん」

「知らんし」

「監督やコーチは好きか?」

 さあ、本題や。娘は何を言うのか。私は耳を娘に傾けた。

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