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プチプーチン

 ドイツの元首相アンゲラ・メルケル。メルケルはその手腕から16年にわたりドイツの首相として活躍した人物。そして、ロシア語が堪能(たんのう)恫喝(どうかつ)に動じない人物として、世界の中で常に独裁者プーチン対策の先頭に立ってきた。そんな彼女はプーチンとの対談中にこんなことを言っている。


「アンタは、国際法を公然と無視してる」


 そして、メルケルは元米大統領のオバマ氏にもこんな愚痴を言っている。


「プーチンは現実から切り離された自分の世界に生きている」


 そして、私は思った。

 ああ、プチプーチンなら日本の少年野球の世界に山ほどおるで・・・。


 平気でパワハラを行う指導者たち。彼らはスポーツマンシップやスポーツ界における暴力行為根絶宣言を公然と無視し、現実から切り離された昭和少年野球の世界に生きている。そして口をそろえて彼らはこう言う。


「少年野球ってこんなもんだよ?(何か問題でも?)」


 残念ながら、令和になってもまだその体質はほとんど変えられておらず、パワハラ指導者たちのやり方を日本の野球組織は許してしまっている。少年野球のニュースはパワハラ反対の記事が、専門家やプロ選手たちから多々挙がっているが、ネットで現場の保護者の声や子どもたちの声を調べるとその温度差がすぐに分かる。現場はネットに踊るニュースなど無関係に近く、平然とまだ昭和のパワハラ野球をやっているのが現実である。


 彼らはコロナ禍で緊急事態宣言が出ていようが、まん延防止等重点措置が出ていようが、普通にイベントを実施する。クリスマス会だの、卒団式だの公民館やイベントホールを借りて大人数で会食。タバコの分煙もなし。やっている対策は窓を開けているだけ・・・。少年野球の世界にはプチプーチンがいっぱいいるのである。


 昭和野球の何が悪いの?とピンとこない方々に分かりやすく説明したい。


 時代は変わる。

 一般企業内ではセクハラにパワハラに、他のハラスメント行為に対しても年々厳しい態度を取ってきているのは、社会人の方々なら周知の事実だろう。ひどいケースには厳罰を与えることも普通になってきている。

 しかし、少年野球の世界では練習中に捕球をミスするなどのエラーをしただけで、怒鳴りつけることが当たり前に行われている。中には、


「オレが小さい頃はもっとひどいこと(殴る、蹴る)をされとったぞ」


 とあたかも自分の言動を正当化する発言までしているコーチもいる。

 これらを一般企業で表現すると、たまに怒鳴り声が聞こえてくるぐらいはあるから普通じゃね?と思うかもしれない。が、そのレベルではない。例えば、ハラスメントレベルで言えば、女性の肩や背中を気軽に男の上司がベタベタ触っている光景を毎日見るのと同じようなレベルだと私は思う。

 もしこのケース、やっている男を問いただせば


「え?別に嫌がられてませんけど?胸とかおしりとか触っているわけでもないのに、何を言っているんでしょうか?」


 昔、よく聞いたようなセリフである。しかし、やられていた女性から話を聞けば、


「前から、ずっと気持ち悪いと思っていました。でも、変に抵抗して上司や周りに嫌われるのが怖かったので・・・」


 というようなことをだいたい言う。そう、ハラスメントはやったほうの気持ちはあまり関係がなく、やられたほうが嫌がっていたかどうかが焦点になる。

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