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日本の野球の未来のために

 娘に野球チームをぬけさせてから、二人で野球をした。


 全然埋めてやれない。子どもがやりたいのはみんなとやる野球。娘がやりたいのはこんな親父と二人でやる野球じゃない。それはわかっている。


 私たちの不幸は、私たちが野球の素晴らしさを知ってしまったからかもしれない。娘に令和野球を思いっきりさせてやりたい。そんな欲も、令和野球を知らないままだったら、湧き上がることは無かった。


 私は娘からお金では買えないかけがえのないものをいっぱい奪った。


 私の力不足でパワハラだけを最優先で取り除くことができなかった。でも、ブラック企業に入って、そこから逃げたらダメだなんて考えを持った大人になって欲しくなかった。真正面から闘えば激しくムダに消耗もしてしまう。だから、ハラスメントは匿名で相談できるハラスメント相談窓口を設置してもらえるよう促したり、もしすでにハラスメント相談窓口がそのブラック企業にあるなら、そこか、あるいは近くの弁護士に相談するほうが良い。ブラックチームは何もブラック企業の中だけにあるわけではない。普通の企業の中に一部だけブラックチームがあったり、ホワイト企業の中に急にブラックチームが現れることも普通にある。私自身、過去にブラックチーム(炎上案件)に入らされて、「俺たちの底力を見せてやろう!」と上司たちに言われ続け、平日は夜遅く、土日祝もほぼナシで仕事。36協定に引っかからないよう勤務時間を操作。そんな経験もしてきた。そこから一度逃げたことがあったが、


「あいつは現実から逃げるやつだ」


 と後ろ指をさされ、誰も守ってもくれなかった。半年間、今まで身を粉にして働いていたことへの感謝の気持ちもそのチームのリーダーたちには全く無かった。あったのは暴言や罵声だけだった。


「残業代いっぱいもらえて良かったじゃん」


 そんなことを言う先輩たちもいた。あのとき、ハラスメント相談窓口やコンプライアンス相談窓口なんてあったかも、私は知らない。今は定期的に会社のメールに何かあればそういう窓口に匿名で相談できるという案内が来てくれているから、困ったらそこへ相談すれば良いと分かっている。


 本当に悔しい。心の底から悔しい。オリンピックで金メダルを取った日本の野球はハラスメントの温床だった。しかも、それを知りながら、全日本軟式野球連盟などの上層部は現場に届きもしない声を出すだけで終わっている。結果、現場には今も時代遅れの悪習がはびこったまま。


 ネットに潜れば、少年野球で苦しんでいる親御さんの声がいっぱい出てくる。娘のように苦しんでいる子どもの声もある。


 野球は本当に素晴らしいスポーツだと思う。だからこそ、その土台とも言える少年野球の世界が、少しでも早く正常化されていくことを心から願って、この文章を締めたい。


 最後まで読んで下さった方々、本当にありがとうございました。

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