ブラックチームの温床
2022年2月13日(日)くもりのち雨雨雨。くっそ寒いのに雨まで降って、身体が心底冷え切っていた。それでも目の前で小学生たちによる野球の試合は続いていた。
(天気予報じゃ、これからずっと雨やのに、試合止めへんねや。ていうか、その試合中止の権限っていったい誰が持ってんの?)
そんなことを考えながら、試合を見ていたら、急に相手チームの監督がキレ始めた。
「ナメとんのか、ゴルァ!」
「調子乗んな、ボケぇ!」
え?なにこれ。いいの?
そう思っていたら今度は、そのクソ監督が子どもたちに手を出し始めた。キャッチャーの子への平手打ちでキャッチャーのマスクが吹っ飛ぶ。他の野手の子たちには軽い膝蹴り。軽めとは言え、手を出された子どもたちはあからさまに顔を歪めている。
グラウンドに重たい空気が充満する。審判団も親たちも何も言わない。ただ見ているだけ。
何これ・・・マジでクソやん・・・。
あとから調べた。
全日本軟式野球連盟のサイトに「スポーツ界における暴力行為根絶」ってあった。そのなかに、“殴る、蹴る、突き飛ばすなどの身体的制裁、言葉や態度による人格の否定、脅迫、いじめや嫌がらせ”は根絶させなあかんって書いてました。平成25年だから、何年も前に掲げられてるのに、全然根絶できてへんやん・・・。私は愕然とした。
雨が強くなる中、周りをもう一度見渡す。大人も子どももみんな下を向いている。
あー、そうだよね。みんな見て見ぬフリだよね。私だってそうだ。事なかれ主義バンザイ。じゃなくて、こんな状況、仮面ライダーたちか戦隊たちしか割って入れない。もし勇気ある人間が入ったとしても、その場はちょっとしたトラブルで多少の改善はあるのかもしれないが、野球界全体で見れば小さなことで終わる。すっげぇ勇気振り絞って起こしたアクションも、何の波紋も広げることなく、この世からサヨウナラとなる。
それにその監督の少年野球チームは地域で強豪。強いのだ。そんな立場の監督に文句が言える人間がその場にいるわけもない。人間関係的ポジションからいっても、その監督は少年野球界で強者なのだ。
令和4年の少年野球界。そこはブラック企業ならぬブラックチームの温床なのだということを、私はその日、目の当たりにした。