夏の夜の事件簿
これは、とある夏の夜に起こった奇妙なお話。
梅雨が明け、ムシムシとした暑さが訪れた。人々の姿は、レインコートから夏物の半袖へと移り変わり、若い女性たちの短いスカートも、夏の風物詩としてはやり始めている。
ここに、とある女性がいた。年齢は、20代。金髪のロングヘアと、短いスカート、長身のすらりとした身なりをしている。会社のOLとして働くものだ。
とある夜の日、彼女は深夜まで仕事をしていた。昼間からの連続勤務は、体に悪く、何度もあくびがでてきてしまう。深夜1時を過ぎたころ、彼女はやっとのことで帰路につこうとカバンを手に取る。20分かけて歩いて帰宅することにした。夜道を一人歩いていると、奇妙なことに気が付いた。直径、人間の身長ぐらいもある水たまりがあったのだ。しかも、なにやら白い。
「なにこれ。キモイんだけど。」女性は、男性が出すあれを連想した。
無理もない。ここ一週間は、雨降らず晴天が続いていたからである。女性は、水たまりを避けるように道を歩いて行った。が、すぐ後ろから何かが近づいてくる気配を感じた。後ろを振り向いても誰もいない。直径、人間の身長ぐらいの水たまりがあるだけである。女性は足早に道をすすんでいった。が、正面に誰から立っている。長身で、スタイルの良い男性・・・いや、頭の先から、なにかが垂れ下がっている。女性はすぐに察しがついた。
「キモイ。見たくない。」
そう、男性がつけているあれなのだ。女性は、恐怖と羞恥心のあまり、立ちすくんでしまう。その怪しい者は、突然、体をびくびくと震わせ、頭の先から液体を噴出してきた。白いねばねばとした液体が、女性の足にかかった。その液体は、女性の足にねばねばとまとわりつき、女性の自由を奪う。怪しい者は、女性の目の前に近づいてきた。ぎろぎろと光る怪しい目は、夜でも昼間同様に見えるようだ。女性の意識は朦朧としてきた。女性は思わず、顔を背ける。すると、怪しい者は、またも頭の先から、液体を噴出した。その液体は、女性の顔にべっとりと付着。あまりの刺激臭に、女性はふわふわとした気分を味わっていた。
すると、怪しい者は急にしゃべり始めた。「いい女だ。キレイな太ももに、きれいなヘアスタイル。」
そういいながら、怪しい者は、女性の太ももをなでるように触る。
「いやっ」
女性は高い声を出し、抵抗するも、怪しい者は、そっちの気。スカートの中へと手を滑らせる。
怪しい者は、頭の先から、またも液体を噴出。女性の洋服を溶かした。女性の顔は、白い液体と、羞恥心からくる赤さで彩られる。怪しい者は、むっちりとした女性の胸を触る。
「いや、やめて。触らないで。」女性は、泣きそうになりながらも、抵抗する。
怪しい者は、女性の胸を刺激し続け、女性は、思わず出てしまう声を我慢できない。
「気持ちいいだろう。」怪しい者は、そう呼びかけるも、女性は、反応しない。顔を赤らめながら、されるがままにされるだけとなっていた。
翌日、道の真ん中に倒れている女性は発見され、病院へ搬送後、回復した。しかし、驚くべきことに、その女性は妊娠していたのだ。すぐに、体の中から出されたその赤ん坊は、昨夜に見た、怪しい者に瓜二つだった。その赤ん坊は、摘出されて間もなく、白い液体をぶちまけて息絶えた。
女性は、その後、同じ会社に勤める男性と結婚。今では、1女1男を持つ、母親となった。