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反撃


ラブラを再び牢にブチ込むことができて、シバは喜んでいた。

今度はあいつにどういう『暗示』をかけてやろうかと考える。

あいつを使って部屋から出てこない皇太子を襲わせたら、さぞ面白いことになりそうだ。


文句を言われそうなので、チャウにはラブラを捕まえたことは黙っておこう。

だがそのチャウは、先程から見当たらない。


あの知らないおじさんが「俺だ、チャウだ!」と言っていたが、どう見ても別人だった。

バカな奴・・・まったく何を考えているんだ!?

そうだ!あいつにも『暗示』をかけて一緒に王子を襲わせたらもっと面白そうだなと考えていた。


「何だか楽しそうね。」

一緒にお茶をしていた女王が声をかけてきた。


「ええ、面白いものが手に入ったんですよ。」

マルチーズを落とせば、もう玉座は目の前だ。

それを思うと、シバはそれは楽しそうに笑うのであった。



そのマルチーズの部屋に到着したコーテッドとリサは、先程起こったことを王子に報告していた。


やはりあの男はチャウ様ではなかったのかと思うと同時に、トラウマ発動の原因となった張本人が、のこのこと戻ってきたので、マルチーズは俄然やる気になる。


ゴールデン、レトリバー父、王配は簡単にマルチーズのところに呼び出すことができた。

リサによって『暗示』がとけた3人は状況がわかってくると、それまでの苛立ちを口にした。


「何ということだ!」

「知らない間にあいつにあやつられていたのか!」

「絶対にゆるさん!」

「気が付けばシバのことが王様に相応しいと思っていたぞ!」

「元パグさまだと〜!!」

「喉が渇いたなー」

おのおのが勝手に喋っている。


ゴールデンは『暗示』にかかっていたとはいえ、マルチーズに酷い進言をしたことを恥じていた。

「マルチーズ様。操られていたとはいえ、大変失礼なことを言ってしまいました。」

「私はとても怒っている・・・あんな奴らに好き勝手にされてこのままでいいのか!?これから反撃にでる! ゴールデン、一緒にきてくれるか?」

「勿論です!!」


絆を深めあった2人は、捕まったチャウを調べるために早々と牢に向かう。

特にマルチーズは『全身の毛をむしってやる!』ぐらいの勢いで飛び出して行った。



残ったメンバーは女王の『暗示』を解くことを考える。

だが女王の側には大体シバがいるらしい。


女王の部屋と王配の部屋はコネクティングルームになっているそうなので、そこに行き隣の様子を伺う。


コントさながらで、みんなでその扉の前でコップを持って聞き耳をたてた。


ほどなくしてシバが部屋から出て行ったことが確認されると、ぞろぞろと女王の部屋になだれ込んだ。


「まあリサ、いつこちらに戻ったの?それにみんなどうしたの?」

のんびりと話す女王に対して、食い気味で王配はチャウのことやシバのことを、話して聞かせる。


その間、リサはずーっと女王の手を握っていた。

他の人たちとは違い、かなり時間をかけたようでなかなか『暗示』はとけない。


『コーテッド様、さっきの男、帰ってきませんよね?』

会話の邪魔をしてはいけないと、リサは結びで話しかけた。

『それはわからないが・・・まだまだかかりそうか?』

王配や父の話を聞いても、女王は未だシバを庇い続けていた。

『ちょっと様子を見てくる』


廊下に出たコーテッドは四方を見渡し、近くにシバの姿が見えないことに、ひとまず安心する。

『リサ、この近くにはいないようだ』

『良かったです。』

『そっちはどうだ?』

『少しずつですが、とけていってるようです!』


『じゃあ、私はこのまま兄上達の様子をみてくる。』

あのシバという男が、やけにラブラ兄上に突っかかっていたので、ひどいことをしていないか心配だった。

あと、マルチーズ王子の妙なハッスルぶりも、何だか気になったのだった。


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