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信長ちゃんの真実 ~間違って育った信長を私好みに再教育します~  作者: 牛一/冬星明
第2章.尾張統一、世界に羽ばたく信長(仮)
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67.尾張統一戦、余談の戦いの事(2)<桶狭間の戦いにならなかった!>

尾張統一戦ファイナル祭り!


統一戦最後まで投稿中、ラスト2。

桶狭間の戦いと言えば、織田信長が天下を駆け上がった分け目の戦いです。


愛知県、名古屋鉄道(名鉄)名古屋本線の中京競馬場前駅前が桶狭間古戦場伝説地です。


毎年行われる競馬のGⅠレースの競馬場の近くが桶狭間なのです。


競馬ファンの人、知っていますか?


沓掛城を下した孫(信光)さんは、手勢1,000人のみを連れて沓掛城から南下して、手越川(てごしがわ)沿いに西に進んだのです。


手越川(てごしがわ)は鳴海城の脇を通り、信長が入った中島砦に沿って旧東海道が走っていました。


その上流は今川義元が進んだルートとして有名であり、中京競馬場前駅前を通ったと伝えられます。


その桶狭間古戦場伝説地前を横切って、松井宗信が布陣したという標高35mの高根山の山頂に孫(信光)さんに布陣してもらったのです。


鳴海城とは3kmで、徒歩で30分という所です。


高根山から鳴海城が一望できるということは、鳴海城に戻ってきた山口教継にも見えました。


孫(信光)さんが高根山に布陣できたことで、この戦が負けたと山口教継も悟ったでしょう。


しかし、しかしです。


今川、斉藤、北畠、信友、信安の軍が那古野に侵入したとき、(山口)教継は何をやっていたのか?


熱田を襲ったが鉄砲で近づけず、門前で留まっていた。


これはちょっと恥ずかしい戦果でした。


このままでは終われません。


では、何故に孫(信光)さんが高根山に陣取ったのか?


私の趣味です。

(忍が信光にリクエストしていたのです)


本当は桶狭間に布陣させたかったけど無理だよね。


仮に本陣にしても(山口)教継が討って出てくれません。


悲しい妥協です。


末森の総大将の孫(信光)さんを高根山にいたとすればどうでしょうか?


織田全軍の総大将です。


囮としては最高でしょう!


もし、(山口)教継が討って出てきたなら桶狭間の本隊を二手に分けて、一隊は長坂道を通って正面からぶつかり、もう一隊は分け道から後ろに回った前後からの挟撃です。


そうです!


大高街道(桶狭間の横を走っている街道)を迂回して桶狭間に本隊を隠すのです。


出柄を立てたい岩崎勢が喜んで本隊に志願してくれました。


末森の本隊は鎌倉街道と常滑街道に隠します。


合図の花火が上がると一斉に動く手筈です。


罠と気づいている教継は本音で戦いたくないのでしょうが、敵の総大将が身を晒しているのです。


笠寺の兵が暴走して止められません。


鉄砲なんていう紛い物で戦を穢された笠寺の憤慨は頂点に達していました。


敵の総大将を討って一矢報いたい。


教継は渋々ですが出陣した訳です。


長坂を上り出すと、予想通りに右手の長坂のまがり道から兵が湧いてきます。


「突撃せよ」

「ぶち当たれ!」

「笠寺の意地を見せろ!」

「手柄の取り放題だ。押せ、押せ!」


双方ががっちりとぶつかる戦らしい戦がはじまったのです。


ぶつかった瞬間、頂上から花火が上がります。


もう一家の岩崎が手越川を迂回して後背から横槍を入れました。


そちらは教継が対応して当たります。


何とか退路を防がれるのを防ぎました。


「好き勝手にやらせんぞ!」

「敵大将はこっちにいるぞ」

「ええい、押し返せ!」

「首を取れ、一番手柄じゃ」


花火は大高城と鎌倉街道と常滑街道に待機している味方に掛かれの合図です。


フライング気味に山裾に兵を隠していた大高の兵が走り出します。


同じく、常滑街道の末森側から鳴海城を目指して駆け出していましす。


また同じく、鎌倉街道の脇に身を隠していた一隊も討って出ます。


「「「早い者勝ちじゃ! 手柄をたてよ!」」」


三方から一万人以上の兵が同時に襲うのです。


200人足らずの鳴海城は慌てることでしょう。


しかし、しかしです。


大高城の水野 近守(みずの ちかもり)のじいさんは海岸線の山に兵を隠して飛び出し、海をショートカットして中島洲(後の中島砦)を超えて、鳴海城に襲い掛かります。


「 掛かれ!」

「「「「「「うおおぉぉぉ!」」」」」」


城にはわずかな手勢のみです。


大高城の全軍で襲い掛かります。


「我らの見せ場はここぞ!」

「「「うおぉぉぉぉ!」」」


朝からじっと睨み続けるだけのうっぷんをここで晴らします。


何と言っても(山口)教継が謀反を起こさなければ、今頃は自分が南蛮船の艦長となって大砲を撃っていたのです。


遠くに聞こえる大砲の音が聞こえる度に口惜しいと呪っていたのです。


この恨み晴らすべし!


200人も残っていない鳴海城に猛攻を掛けるのです。


と言っても大高城の兵は300人のみですよ。


「梯子掛け!」

「上れ!」


弓に対して鉄砲で応戦し、隙を見て土手に取り付いて、梯子を駆け上がるとすかさず焙烙玉を放り投げて敵を混乱させます。


それも10組ほどが一斉です。


帆船で鍛えられたバランス感覚で、梯子の上も地面と同じ、息もぴったりで10個の炮烙玉が一斉に爆発すると敵は大混乱です。


「マスト上りで鍛え上げた俺らに階段上りは楽過ぎるぜ!」

「どんどん、放り投げろ!」

「手を緩めるな!」


堪らず、敵が引いて行ったので、あっという間に大外の曲輪を攻略します。


『『『えい、えい、えい、おおぅぅぅぅぅ!』』』


余りの速攻に敵も味方も大慌てです。


城代はどう対処すればいいのか判らず、守りを固めることしか指示ができません。


いえいえいえ、慌てているのはむしろ味方です。


大外の曲輪に織田の旗が舞ったのを見た味方はあり得ない速さに驚きます。


これでは大高勢だけで鳴海城が落ちかねません。


自分たちは何をしに来た?


旗を振って行軍しただけです。


このままでは余りに惨めです。


何の為に陣触れを出して兵を集めてやってきたのでしょう?


見せ場もなく帰れません。


「「「「急げ、急げ、大高に遅れを取るな!」」」」


もう隊列とか言っている暇もありません。


ただ、ただ、ひた走るのです。


何も考えずに部隊を走らせます。


もちろん、(水野)近守のじいさんが大外の曲輪だけで満足する訳もありません。


「掛かれ!」


飛んでくる矢を恐れずに、梯子を駆けて二ノ曲輪の中に焙烙玉を放り投げ入れます。


ズドドド~ン!


崩れた所に飛び込むと入り込んで突撃します。

後から来て者も炮烙玉を投げ入れると、乱戦に加わってゆくのです。

前で乱戦、後で爆発し、援護の味方がドンドンと削られます。


堪らず、二ノ曲輪も放棄して一ノ曲輪、本丸に逃げ込む兵が続出です。


二ノ曲輪に織田の旗が舞うと、常滑街道と鎌倉街道の織田の兵が雄叫びを上げます。


うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!


も~う、必死のパッチ!


鬼気迫る形相であらん限りの力で走っています。


兵を追い越して、馬だけで走っている武将もいます。


それは鳴海城から見下ろすと、巨大な大蛇がうねって近づいてくるような光景なのです。


所要時間は『一刻(30分)』も掛かっていません。


未だ(かつ)てない衝撃を受けた城代は恐怖します。


外から来る無言の圧倒に屈して、白旗を振って降伏したのです。


一万の兵が天を仰ぐのです。


それは歓喜ではなく、一万人が嘆く地響きのような獣の呻き声がです!


むおぉぉぉぉぉ~~~~!


(山口)教継は城から聞こえる爆発音に恐怖を感じていましたが、目の前の敵から目を離す暇がありません。


敵と対峙するのに忙しく、ここを通せば負けが決定します。


退路が断たれてなるまいと必死でした。


しかし、恐ろしい獣の呻き声のようなものに全軍が動きを止めたのです。


ふり返ると鳴海城が陥落しているのです。


退路を守るとかいうレベルではありません。


帰る家がなくなったのです。


降伏です。


全軍が降伏を決めたのです。


岩崎勢も大物の首を取らぬ内に終わったことを嘆くのです。


歓喜に湧くのは大高の兵のみです。


勝ちながら一万人近い兵が嘆く戦いというのもシュール(奇怪)だね!


でも、ちゃんと後で褒美を上げたからみんな最後は喜んでいたよ。


土地じゃなく、銭だったけどね!


本隊が待機した場所が『桶狭間』です。


でも、これでは『桶狭間の戦い』とは呼んでくれないよ!


決戦をした『長坂の戦い』とも呼ばれそうもない。


だって、退路を完全に絶つ、絶たないで小競り合いを続け、やっと崩れそうとなったと思ったら、鳴海城が陥落して降伏した訳だ。


長坂で決戦らしい決闘も始まってなかった!


で、『鳴海城の戦い』と命名するには悔し過ぎる。


山口教継は大軍に恐れをなして降伏したのみ記録された。


(水野)近守のじいさんががんばり過ぎた。


 ◇◇◇


荒川城の前田利昌は信長ちゃんの外遊の付き添い人員から外されたのを恨んだ。


前田家の面目をつぶされたと憤慨した!


藤八の実父でしょう。


利家も信長の小姓に昇進した。


面目が潰れるどころか、大昇進だ!


水を得た鯉が滝を遡って龍になろうとしているよ。


喜んでいるとは思ってなかったけど、謀反を起こすとはね!


いやぁ、私もノーマークだった。


誘いが来ているのは知っていたけど、まさか乗るとは思わなかった。


どうして甘い諫言に乗っちゃったのよ。


起請文なんて、何の保証にもならないのに!


私は天を仰いだ。


はい、大浜で次男と3男に冷たく当たっていたことを忘れていた。


利家は元気だから気がつかなかったが、(前田)利昌は利家の話を聞いて泣いていた。


「小姓の仕事はどうだ!」

「はい、竹姫の目に入らぬように壁の裏や縁の下で身を隠して、呼ばれるのを待っております」

「壁の裏とか、縁の下で過ごしているのか?」

「はい、私の顔が目に入ると気分が悪くなるそうです」

「そこまで、うぅぅ」

「ですが、とても過ごし易くして頂いているので感謝しております」

「くぅ、くくく、なんという扱いじゃ」


利昌は悔し涙を流したそうです。


壁の裏って(柴田)勝家たちも一緒だし、普通に稽古している。


さらに、那古野の縁の下は快適だよ。


塵1つなく、寝転がることもできる。

しかも縁の下は涼しい。

智ちゃんら奥女中が差し入れを持ってくるので、忍者のみなさんもサービスに困惑気味だ。

お菓子を齧り、好きな飲み物を飲み、絵草子などで余暇を過ごす。

縁の下とは思えない快適さだ。


家の周りには溝が掘ってあるので、雨も入って来ないようにちゃんとしてある。


虫よけと蚊帳を張って、蚊の対策もばっちり!


ネコも気に入ったのか、集まってくるんだよ?


今では女忍者のマスコットになっている。


利家はそんな女忍者たちもと仲良くやっているので縁の下は、お気に入りの1つだよ。


利家のキャッチフレーズは『縁の下の力持ち』(縁の下にいる力持ちの男)だと言ってやった。


涙を流して喜んだ。


意味が違う?


いいんだよ!


本人が気に入っている。


馬鹿はいいね!


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