第1話 いきなりゲームオーバーな予感・・・・・
「·······は?」
目を開けた、俺はただ目を開けただけだ
だというのに、俺は呆けてしまった
ああ、勘違いしないでいただきたい
俺が呆けているのは先程の出来事があった直後にまだ生きているからではない
うん、まぁ、自分もその自体には少し驚いたものだけども
言うのも馬鹿馬鹿しいし、信じてもらえると思うのも馬鹿馬鹿しい話なのだけれど
「どうなってんのこれ·····」
俺は目を点にして、今日何回目かもわからない言葉を呟いた
目の前に広がるのは·····
「amtgmd4:eo5p6phm,vjhj!!」
「うわぁ!すみませんすみません!!」
「o5mjtog!kpldgtmnajtptymabg!!ja4ym4sye!?」
何やら大声で俺の知らない言葉を話し、俺に対して剣の切っ先をむける鎧姿の騎士たちである
そしてヨーロッパ風の街並みに、自分の下のレンガのようなものでつくられた地面は、ひび割れてへこんでいる
何これ!?何でいきなりこんなことに!?
全く理解できない。何故生き残れたと思ったらまた殺されそうになっているのだ
「tj7y2jym'vm!mjsy4nsod4m!」
また何か知らない言葉で怒鳴り始めた騎士たち
何をどうしろというのだ!?
「yl5;o4vajqht'wjhtunj!!!?」
おおう、このままだとほんとに殺されかねんぞ
さっきより剣の位置が近くなってるし!!
ええと、確かテンプレだと、こういう場合は·······
俺は降参の証として両手を掲げてみた
「mgtv2nymd!!mknopy2m4!joyj'!?」
「ひぃ!」
なんかまた怒っていらっしゃる!
何が悪かったのかさっばり分からないが、とりあえず手はおろしたほうが良さそうだ
また剣が俺に近づいた
いやもう首に剣当たってます、はい
あはは、即死ルート確定かなこれは?
目尻に涙を浮かべてからだをプルプルふるはせながらそんなことが思い浮かんだ
だがそんな俺を見かねてか、騎士は剣先を静かにおろした
あ、あれ?俺助かった?
よ、よかった。殺されずに・・・・
「ousadhousgaosco」
「siugcqigxsixuoxsqo?」
何やら目の前の騎士があとから来た騎士に何か書類を渡された
まさか俺を処刑しろとかの命令文じゃないですよね?
ははははは、まさかね~
「xaouoxihsohiasxibxs!」
なんかガッツポーズしてる、嫌な予感が・・・・
騎士は剣を振りかぶった
「iwucbsajoashcoasj!!」
終わった・・・・・
もう何が何だかわからないまま、俺はまた死ぬのだ
始まったばかりなのにまた自分は死んでしまうのだ
抵抗?いやなんか手と足縛られてるんですわこれが・・・・・
もうどうにでもなれと目をつぶった、できるだけ痛くしないでね?と思いっきり目をつぶった
もう混乱しすぎて何もかもあったもんじゃないが、ただわかっていることは
今自分は意味もわからず始まって、意味も分からず終わるのだ
怖い、なんで!?、俺が!?、嫌だ!?死ぬのか!?2回目!?夢だろ!?
全力の現実逃避が、僕の頭に中で起こる
ブオゥ!
剣が振り下ろされて起こった風圧のせいか、僕の全身に圧がかかった
あ、もう終わったんだな
その風圧で、俺は起こったことが分かった気がした
痛くなくてよかった
それだけ思って俺は意識を手放し・・・・
『さっさと目ー開けろです』
「はい?」
聞こえてきた声に違和感のようなものを覚え、言われた通りに目を開けた
「だ、だれ?」
目の前には、紅色のストレートに伸ばした髪と、髪の両端に結んだ白と黒のリボンを揺らす、少女の顔があった
強気な性格がそのまま出た、だが幼い目に、薄紅色の唇
はっきり言って、その姿は美少女だった
『いやらしい目で見んなです!このオスが!』
「なんだと!?てっ!・・うわぁ!」
心底いやそうな顔でこちらを見下ろしながらそう言う彼女の発言に、俺はいらっとして胸倉をつかもうとしたのだが・・・・
「ちょ、高い!高いって!死ぬ!」
『このくらいの高さでバカな事言ってんじゃねぇですよ』
「いやだってっ・・どわ!」
俺が言うのを待たずに、彼女は建物の屋根を蹴ると、そこから高く跳躍してまた別の建物の屋根に移っていく
「待ってお願い!死んじゃう死んじゃうから!」
『ピーピー喚くんじゃねぇですよ!言語理解の能力のせいで頭に直接響くから、大声出されると頭がいてぇのです・・・』
「は!てかお姫様抱っこされてるだと!?」
『黙れって言ってんですよ!!てっ、きゃあ!』
彼女は予測していなかったのか、急に爆砕した自分の下の建物で体勢を崩す
「おお、かわいい声出すな・・・・」
『マジ黙ってろです!このド変態が!』
クルッと俺を抱きながら縦に一回転すると、すかさず体制を立て直してもう一度屋根まで跳躍する
ど、どんな身体能力だこいつ・・・・
というか、一回転したときに俺を抱いたせいで胸の感触が
「幼いこの背丈と顔にしてはなかなかのボリュームだったな」
『いい加減にしろですっ!』
「そんなふうに押し付けるとかお前・・・・いだだだだだ!苦しい苦しい!ごベンなざい、ゆるじでくだざい!」
急に抱きしめる力が強くなったと思ったら、そのまま俺を絞めるつもりだったらしい
『次言ったら2、3本骨折った後にここに置いて行ってやるですっ』
言いながら今度は建物が壊れる前に跳躍、そのままさっき俺を殺そうとした奴らから離れていく
こいつ、俺のこと助けて・・・
ドガン!ドガン!
少女が飛び越えた建物たちが、次々に破壊されている
「な、なんなんだこれは・・・・」
「まさか街を巻き込んで攻撃してくるとは・・・・。外道王国の兵もやはり外道のみてーですねっ、と」
「・・・・・・・」
何か彼女に聞こうと思った、でも聞きたいことが多すぎて言葉がまとまらず、何も言うことはできなかった
もうどこを見たらいいのかすらもわからない、ひたすら視線をさまよわせる
ええっと、ええっと・・・・
「数が増えてきやがったです」
後ろから追いかけてくる多くの騎士たちを見て、少女は「チッ!」っと舌打ちをする
「おおい、どうすんだよ・・・」
「あまりやりたくねーんですが、仕方ねーです」
そう言って後ろを見ながら、手を突き出して
「ぶっ壊れろです!」
告げた瞬間、少女の目線の先の騎士たちの、空間が圧縮して
ドゴォォォォォオオォォン!!
空間が元の形に戻るようにして大爆発が起こった
「なんじゃこれわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!??!?」
『だーかーらー!大声出すなって言ってんですよ!!』
苦しそうな顔をして少女はまた怒鳴った
く、口の動きと声があってなくて気持ちワリィ・・・・
少女はまた後ろを振り向いて爆発の煙の中から騎士が追ってこないのを確認する
『ここまで離れれりゃ・・・』
「おい!また来たぞ!」
煙の中から先ほどより明らかに少ない数の騎士たちが出てきたのを見て俺は叫んだ
『目ー瞑ってろですオスゥ!』
「え?なんで?」
疑問に思って問いかけるが、それにこたえる前に
『【瞬間移動】!』
「どわっ!」
急にまばゆい光が全体を、少女を中心に包み込んでいった
感想下さいよ~だ~れ~か~(涙)