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自分的に恰好良く転移を決めたものの、既にあの部屋に帰りたい。

いや、分かっているんですよ。あの部屋にいたら騎士さんにお前はNANDA!なにしてんだ!怪しい奴!もしや王に変態行為したのは貴様か!ばっさりだぁぁあ!

ってな事になるのは。ええ。

しかし、それでも言いたい。私はあの部屋に帰りたい。

後悔とはやった後に気づくもの気付いてしまうもの。

身にしみて気づくもの。私のように!そう、この寒さがみにしみてから気付いてしまうものなのさ。ははっ。うう、寒い。


暗い藍色の空を見上げて思う。まだまだ夜は明けそうにない。ちなみにこの世界では聖と魔で大体のものが分かれている。聖は白、魔は黒。夜は太陽がしずむから暗いんじゃない。魔の力が強くなるから夜は暗くなるのだ。なので黒魔法を使うなら夜、白魔法なら昼に使う方が燃費がいい。と言うのがここの常識。私はそんな単純な原理だとは思わないけどね。ちなみにそういう原理など魔法を解明するのが魔導協会。大体の魔導師が入っている。まだまだ解明されていない事、協会の中でも秘匿にされている事は沢山ある。何か知りたければ魔導師協会を利用するのがおすすめだよ。この協会は世界規模どこの国にもあるものだからね。

ただ深く関わるのは余りおすすめしない。腹が真っ黒な連中も沢山だ。普通に研究者達もいる。と言うかこれが大半だね。以前の私もこがね稼ぎで色々論文を発表したものだ。


ああ、ちなみに太陽はきちんとあるよ。それに月もきちんとある。…2つほど。

ちなみに時間は24時間で、空の色が紫、藍、青、緑、黄、橙、赤、となるから7日で1週間だ。一年365日。12月が35日で他の月は30日。12月の30日から34日は空がグラデーションで綺麗に飾られるんだ。35日は一日中真っ暗。太陽が出てるのに真っ黒で少し面白いでしょ?30から35日はお祭り騒ぎ。皆んな浮かれる。種族、国、階級とかによっては全然違うけどね。


それにしても外は寒い。今は4月真冬ではないが夜は冷える。そろそろ何処かに入りたい。それに、室内に入りたい理由はそれだけじゃない。私の記憶だとここはそんなに治安が悪いところでは無かったはずだが…


ちらりと見える人影には余り近づかない方が良いだろうと奈耶は深くフードをかぶり直し、注意深く辺りを見渡した。


建物の柱などに転移しないように大通りのど真ん中を選び転移したと思ったが失敗したか?いや、9年も経てば細部は変わっているが店や店の並びなどは余り変わっていない。

宿屋か、飲み屋、又は知り合いのところ。

この先に確か宿屋があったはず。変わってないといいが…。

目的の場所まで足を早める。


一応は魔法を使えるようになったが、まだ実際にどの程度の威力がでるのか試した訳では無い。だからこうして不安になる。今が昼だったらと…嘆いても仕方が無いが思わずにはいられない。

夜とは言え、王都のそれも城の近くでこれなのだから昼でも安心というわけではないけど…。


自分の力も、ここの地理も情勢や、昔の知り合いなど確認しておきたい事があり過ぎる。

特に知り合いに関しては、私が私である事は知られるわけにはいかない。なればこそ、相手より先に知り近づかないようにしなければ。これからディーゼルに近寄るのだから。しかし、ディーゼルは似ていると言ったが自分自身は似ているとは思わない、私から明かさない限り気づく人などいないだろう。


ふと、視線を感じ足は止めずにそちらを見る。


あちらもフードを被っているためよくは分からないがそれでもこちらをじっと見つめるその目とあった気がした。


相手は路地裏に入っていったため気のせいにしたいところだが、あれは私を見ていた。


どうやら、余り楽観視しない方がいいみたいだ。

あれは、魔族だ。しかも、嗅いだことのある匂いがした。


前に、友好的であったものが今世は変わっていく気がする。


それは、ただの勘なのだけど______





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