恋人爆誕!
次の日。
そう、あれから夜が明け次の日になってしまったんだ。
カルチャーショックが抜けきれぬまま妹と二人で項垂れながら学校へ足を進めること早10分ちょっと。
ついに…ついに学校に到着してしまった…っ!
…ん?てかなんで雨も一緒に項垂れてんだ?雨関係なくね?
「お姉ちゃん、なにまた百面相してるのー?早く探そうよぉ」
「まぁ急ぐな妹よ。大丈夫だ、学校は逃げない。」
「なんか話ずれてる。そうじゃなくてさー、お姉ちゃんが振った彼女…彼?をさぁ、見つけようよー」
「なんでだよ?」
「お姉ちゃんは彼女…彼?いちいちめんどくさいわね。振ったことでかなり苦悩してるし、一応、ね。」
意味わからん。
あと気持ちはわかるが毒吐くのようないとお姉ちゃん思うぞ~?
「うっさい」
「うっわついに反抗期か?妹よ…お姉ちゃんは悲しい…悲しいぞ…っよよよ~」
「わざとらしすぎてなんもいえねぇ」
「某水泳選手の名言を改変すんなし」
「ていうかカレジョ何年生なの?」
スルーしやがったなこいつめ。
つかカレジョって。カレジョって…っ(内心爆笑)
「w…っ、さぁ?…ネクタイ赤かったし、俺と同じ二年生じゃねぇか?」
うちの学園はネクタイの色分けで学年がわかるんだぜ。
ちなみに一年は青色で三年は緑色のネクタイを着けている。
でも来年はネクタイの色こうなるんだぜ。一年が緑色で二年が青色、三年赤色…ってな。
んで、再来年は一年が赤色で二年が緑色、で三年が青色。
そう、エスカレーター色だ!なんつってw
「お姉ちゃんダサい」
「ぐはっ!刺さった!言葉が矢になって今絶対心の臓に刺さった!!矢印の縁の中にお姉ちゃんダサいって書かれてる矢が絶っ対刺さった!!!!」
「なにそのやけに具体的な例は…アニメの見すぎよ。」
あ、ちょっとまって今のも刺さったかも知れないお姉ちゃんつらいよぉ…
「にしても、こうやって玄関で待ち伏せしてても来ないものね~…」
「…ど、どうしよ、俺が振ったせいかな…?」
「「それは違うと思うわ(います)!」」
「あ、あわわわわ…つい声に出してしまったぁっ!!」
「き、君は昨日の…!えーと…」
やべ。名前知らねぇ!
「そ、そういえば自己紹介がまだでしたね…!僕は安部古部学園二年壱の組の三壁 涙と言います、雪先輩♪」
「同学年なのになぜ先輩?」
それと、昨日は一人称私じゃなかったか??
「先輩って感じがするので!」
にぱっと花が咲いたような笑顔で意味わかんねぇこと言いやがったこいつ!
可愛いな!普通に好きかもしんない!!
「お姉ちゃん!お願い戻って来てお姉ちゃんんんん!!!!」
「だから揺さぶんなってぇぇぇぇ」
「??」
「三壁ちゃん…くん?きょとんとしてないでとめてくださいお願いだからぁぁぁぁ!!!」
「いいですけど、お願い聞いたら付き合ってくださいね?」
にっこり笑顔でとんでもないこと言いながら返事する前に雨を止めやがった、こいつ…!
「えへへ~♪恋人になっちゃった!」
「くっ…可愛いから許す!!!!」
「これだから男ってやつは…!って、あれ??」
…なぁ雨。俺、女。