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雨降りにはピアノが似合う

作者: 花木理葉

自分の中には、どういった価値観なのか、楽器ができると格好いいという思いがあります。中学校の頃にはギターにチャレンジして挫折し、キットを先生にもらい、親に組み立ててもらった、まったくチューニングの合わないウクレレをかき鳴らしていました。


そして高校で、自分で言い出して、ピアノを習わせてもらいました。

そう、早い人なら幼稚園くらいから始めていて、高校生ともなれば音大を目指していても不思議ではない、あの、ピアノです。

トルコ行進曲は好きで弾けるようになりましたが、結局1年くらいでやめてしまいました。


しかしギターは諦めずにだらだらとチャレンジし続け、結果として、

少しなら弾けるようになりました。しかも、いまだに、たまに一人で弾きます。

楽器としては似ているからか、ベースもちょっぴりいじれるようになりました。

ピアノは売ってしまったために、もう家にはありません。


振り返れば、初めてギターを手にしたとき、弾きたいと言った覚えがなく、

ギターがほしいと言ったような気がします。

ピアノは家にあって、初めはそもそも自分が習っていたわけではなかったものの、インテリアとしては気に入っていました。


ギターは見るのも好きですが、触る方がより好きで、ピアノは見る方が好きだったのかもしれません。

それに何より、ロック・ミュージックが好きですし。

打ち込みで音楽を作ったり、バンドを組んでみたりしたこともありますが、

夢を見ても、自分ができたのはせいぜいお遊戯だったような気がします。


ただ、今日のような雨降りの日には、歪んだギターや跳ねるリズムより、

やはりピアノがしっくりくると思うのです。

インテリアではなく、鍵盤がぽろぽろと鳴っている、生きたピアノの音が。

それはもう思い出せない、ピアノを習うのをやめようと感じた、遠い日の気持ちが帰ってくるような、昔、誰かだったわたしが浮かべる幻想のなせるわざでしょうか。


もし楽しんでいただけたら、お気に入り登録や、評価・感想などいただけると、励みになります。お手数ですが、よろしくお願いします

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