出会い
初投稿の作品です。
さまざまな方々のお話を読んで、浮かんできたお話なので、もしかしたら、表現が似てしまうかもしれません。その時は報告お願いします。
わからないことだらけの想像で描いています。よろしくお願いします。
時は15年前。生まれたばかりの男の子が施設前に捨てられていることを施設の職員が発見した。この赤ちゃんは、名前もなく、所持していたものも病院のシーツのみで、親の名前も何もかもがわからないまま置かれていた。
この赤ちゃんが捨てられていた施設は、親からの虐待から逃げてきた子供達を預かっている施設だったので、親もわからない子供を拾うというのは初めてのことでした。
名前を付けないわけにはいかないので、施設の名前、安らぎの郷(安郷)を名字とし、名前はくるまれていたシーツが白いことから白と名付けた。
(病院のシーツが白いのは当たり前のことであるのだが・・・)
白は、名前を付けてもらっても、同じ施設の子供や大人たちに「名無し」のナナと呼ばれ、提げずまされていた。そのため、義務教育の場である小学校、中学ともに友達と呼べる友人もできず、日々、勉強ばかりしていたため、頭だけはよくなっていた。また、友達ができなかったために、悪いことをすることもなく、素直で純粋な性格のまま、成長していった。
中学3年生になった白は、毎日憂鬱な気分で過ごしていた。
白のいる児童施設は、義務教育までしか子供を置いておくことができず、白と同じ子どもたちは、卒業後は就職や、バイトをしながら夜間学校に進学するつもりているらしく、早々と次の生活を決め、施設を出ていく準備を進めつつあった。
しかし、白は勉強が好きだったので、進学したいと思っていた。そのため、奨学金などのことも考えたのだが、生活のことを考えると奨学金よりも寮もあり特待生枠がある学校にしたいと考えていた。けれど、なかなか見つからず、困り果てていた。
そんなある朝、白が学校へ向かうために歩いていると、道路の端に車をとめ、車道側で携帯でしゃべっている男の人がいた。白は危ないなぁと歩きながら見ていると、目の端に大きなトラックがその人に向かっているのが見えた。
「あぶないっ・・・!!!」
白は思わずその男の人をつきとばした。その瞬間、白はすごい衝撃とともに意識を失っていった。
白に突き飛ばされた男の人は、すぐに白の元へ飛んできた。
白はその時、トラックにひかれ、そのまま、引きずられていたため、少し離れたところで、血まみれになっていた。
「おい!!!しっかりしろ!!・・・早く救急車を呼んでくれ!!この子が死んでしまう!!」
彼の秘書は衝突があった後すぐに救急車を呼んでいたので、男の人が叫んだ後すぐにやってきた。救急隊員はその現状を見、すぐに大学病院に運ぶよう通達し、状況を確認するため、軽傷であった彼に同行を願った。
彼も白の状態を知りたがったため、その要求に応じたのだ。
白は、全身の複雑骨折と打撲、引きずられたときの出血が思ったよりも多かったため、一週間目を覚まさなかった。