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無死に着きました。





あれから、私達は光に包まれて、目を開けたら…


「ここが、…………無死?」

「そうそう。どんな所想像してた?」


「暗くてジメジメして、そこら辺に死体がゴーロゴロ。んでもって、紫色の猛毒があっちこっちに…」


……の、筈が…………


なんだここ…。

まるで中世期時代のヨーロッパの街並みじゃないか!


いや、知らんけど……見た事無いけども


「じゃあ、こことは正反対じゃない。ちゃんと太陽も出てるし、涼しい風も吹いて、死者は滅多に居ないし、ゴミ一つ落ちてないからね」


「わぉ、地球よりハイレベル!」



良いなぁ、ゴミ一つ落ちてないってどんだけ~…

あ、でも私も今日からここで住むのか。

つか、キーリルの家ってどんなの?ベッドって広いのかな…


いや、変な意味じゃなくて。

一回飛び込みダイブしたいんだよなあ…こう、ボフン、とさ。


「あ、見えた。あそこ、俺の他にも死神が住んでるんだよ、日本で言うマンションかな」

「へー、…………………………お城かな?大豪邸かな…?なにこれデカっ!?どこがマンションだよ!」

「はいはい、行くよ……?」


いやいや、マジで。ちょっとキーリル君、さりげなく手を繋がないで。なに?私に惚れた?……冗談だよだから力を籠めないでミシミシ言ってんダヨあぁ、痛い痛い!


「……君ホントに残念な子だね。黙ってたらバカな男どもが寄ってきそうなのに……あぁ、でもさっき殺してた男は君をナンパしてたんだっけ?ほら、やっぱり君黙ってなよ、うるさいもん。それにほら、イケメンが寄って来るよ?ゴキブリホイホイだよ?」


「ごめん、嬉しくない」


何だよ、ゴキブリホイホイって…………。じゃあ、さしずめ私はあのベッタベタのシートかっ!バカな男どもはゴキブリかっ!?


「全然嬉しくない…、って、キーリル!私、自己紹介してない!」

「……なに?急に」

「いや、だって名前教えてなかったからさ……そういうわけで!キーリルから自己紹介して!」



無理矢理私がキーリルに自己紹介を促すと、一歩先を歩いていたキーリルは顔だけ少し振り返って呟く。


おぉ、その角度超イケメンだ。


「……キーリル。18歳、死神最高クラス」

「死神、最高クラス?じゃ、キーリルは一番偉い?」


私がそう訊ねるとキーリルは首を横に振る。


「違うよ。僕の他にも最高クラスの死神はたくさん居る。そして、最高クラスの死神より偉いのが…王神様。この世界の王様さ、ま、滅多に居ないけどね」


「王様、ねぇ…ずっと気になってたんだけどさ、死神ってやっぱり人の魂を奪うとか有ったりする?」


「あるよ」


(やっぱ、あるんだ)




キーリルから聞くと、要はこんな感じらしい。


まず、死神は、大きく分けて三種類の仕事の内どれかに就かないといけないらしい。



ひとつめは、『狩り』と呼ばれる職業。死期の近い人間の魂を持ち帰り、王神様に捧げる事。




ふたつめは、『守剣士』と呼ばれる職業。その名の通り剣でこの世界を守ったり、主の護衛をする。いわば警察。





もうひとつは、『商人』と呼ばれる職業。お店を開き、この世界の経済を支える。


ちなみに、キーリルは『狩り』に就いていて、最高クラスと言うのは、『狩り』の仕事で実績を上げているかららしい。


そこまで考えて私は一つ疑問が浮かんだ。


「ねぇ、キーリル。私はキーリルと契約して女死になるんでしょ?そのあとは、三つの職業のどれかを選ばなきゃならないの?」


「そうだよ。人間のままじゃこの世界では生きていけないから、まず契約して女死にならなきゃいけないんだ。」



そうかそうか。それはかなり……めんどくさい。

ま、なりたい職業は既に決まってるんだけど…


にしても、足痛い!人混み避けながら歩いてるから神経使うぅ…


いつまで歩くんだこの野郎キーリル



「…着いたよ、レン。あ、グール!ここ通してね」


私がげんなりしながら、歩いているキーリルの後を追っていると、大豪邸の門の横に立っている門番に声を掛けた。



「あ、キーリル様。お仕事お疲れ様です!どうぞ、お通り下さい!」


グールと呼ばれる男性は、キーリルに向け、敬礼をした。



……………………ぷっ


キーリル様だって…、キーリル、に敬礼って……ヤバッ、笑える!だかしかし!堪えろ私!


今すぐ「よ、坊っちゃん!」って言ってやりたい!いじりたい…!だが堪えろ私!


「…………?…キーリル様、そちらの人間は…」

「……あぁ、レンって言って僕と契約する為に連れてきた」

「契約、ですか?…後…あの、先程からずっと笑いを堪えている様ですが……」



二人の視線が背中に刺さっているのが分かり、もう私は堪えられなかった。


「…っ、…も、ムリ………ぷっ、あはははは!…ひー、…し、しぬ…!あははっ、キーリル、様って…!?キー、リルが様?あり得ない……!」


「…………」


私が腹を抱えて笑っていると、キーリルの殺気を感じた。


おそろしや…

って、睨むなよぉ、怖いじゃん


「…………キーリル様、ホントにこの子で大丈夫ですか?」

「……やめようかな」


なんですとっ!?それは困る!


「ごめんなさいすいません許してください」

ので、全身全霊でソッコー謝った……結果、


「……はぁ…今回だけだからね?」

「勿論でございますとも、はい。」


キーリル様がツンデレであることが発覚しました。


※重要なのでもう一度!

キーリル様がツンデレだった!


「………………」

「…………行こうか」

「…………はい。」


スベりました……。

グールが哀れな者に向ける目を、私に向けていました。


ぐすん……。


「気持ち悪い」

「…すいません」


キーリルに罵倒された。







キーリルが連の名前を知っていたのは、あらかじめ調べていたからです。


グールはこれからもどんどん出てきます!

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