咲いて散るなら夜ではなく
私は、たとえ一人になろうとも、貴方の為なら戦い続けられる。
どれだけ苦しく、辛い事だとしても… 貴方の為なら…。
濃い霧のかかった湖にて…
咲夜とレミリアは先制に徹した。
相手が動かない以上、何事もなく終わりたいものだが、ラドンから感じる威圧感がそれを諦めさせる。
そうなると、こちらから仕掛けるのが妥当だった。
「殺気だけは確かに感じるのに、何でなにもしてこないのかしら!」
レミリアが弾幕の波を作りながら叫んだ。
「分かりません!ですが、このまま押し切りましょう!」
咲夜はレミリアの弾幕と共に、一気に敵に近づいた。
咲夜はラドンの大きな口のすぐ目の前で止まり、
「この距離でも動かないようなら、貴方はただの置き物です。」
そう罵るように言い放った。
最高の挑発だ。
咲夜の挑発のすぐ後に、レミリアの放った弾幕がラドンに命中し、外れた弾幕が湖にのみ込まれ幾つかの水柱がラドンの周りに乱立した。
その水柱が崩れようとする時、それは動いた。
幾つもの水柱を長い尾でなぎ払い、水の塊を弾き飛ばす。
弾かれた水の塊は弾幕とは違うが、質量を持った確かな弾丸のように、レミリアと咲夜を襲った。
咲夜はその水の弾丸を避けながら距離をとった。
「やっと…ですね!お嬢様!」
「そうね!多分今からが本番よ!気を引き締めなさい!」
「言われなくとも!」
咲夜は一定の距離を取りながらラドンとの間合いを考えていた。
いくら時を止められるからと言って、その能力に頼ってばかりでは倒せない相手がいる。それを咲夜は霊夢との戦いから学んでいた。
咲夜はニヤリと珍しく笑った。
「お嬢様!私に策があります!一時、手助けして貰って宜しいでしょうか!」
「ふふっ、勝手にしなさい!」
「ありがとう…ございます!」
咲夜はレミリアの返事にうなづきながら、もう一度、次はラドンの懐に目掛けて距離詰めていった。
一体、あの子は何を考えてるのかしら。
でも、あの子が考えた事だ。信じる価値は大いにある。
咲いて散るなら夜ではなく 完
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