幻と現
次の日の朝。僕とハクは慧音にお礼を言って何をどうするか、話あっていた。
「で、どうするんですか?彌生さん。」
「いや、俺に聞かれてもな〜」
そうだ。僕はこの世界について何か知ってる訳ではない。ハクとの約束で来たからだ。
だから、本当なら、ハクに聞きたいのだが、寝る所ならどうにかなる。と言われただけだった。だから、自分で考えるしかない。
「よし。だったらまず。その寝泊りができる所にいこうか」
「はい!確かに確認しておいた方がいいかもしれないですね!」
いやいや。いきなり笑顔で言われても。まぁ、まずは目的がきまったんだ。一つ一つやっていけばいい。
それから僕は驚嘆した。ハクの言っていた寝泊りできそうな所、があまりにも大きかったからだ。普通に神社だった。しかし、博麗神社ではない。
「おいハク。この神社は、いったい誰が管理しているんだ?」
「あ〜。遅れてしまいましたが、ここは現実の世界から忘れさられたものが集まる世界なんですよ。」
「いやいや。それじゃ説明になってないじゃないか。」
「つまりですね、今。現実の私たちがいた世界から、この神社は忘れさられたもの。になっているんですよ。」
神社が忘れさられる事ってあるのかよ。
「まぁ、忘れられた理由としてはですね、ここの神社にいた縁切りの神が、あなたに力だけを与えていなくなったからですよ。」
まさか、あんなに前から、ここにくるようになっていたなんて。僕にはそうとしか思えなかった。
現実と幻がこんなにも、近くにあったなんて思いもしなかった。
まぁ、僕の疑問はここまでにして、神社で寝泊りすればいいから、あとは、他の所を見て回る事にしよう。
「なぁハク。あの屋敷って誰の屋敷なんだよ」
「知らないですよ!最近また、この世界にきたんじゃないですかね?」
その屋敷は、赤レンガの綺麗な洋館だった。何かがある気がした。理由が分からない。けれども何かを感じていた。
幼い容姿の少女がメイドと話していた。
「そろそろくる頃ね。咲夜。」
「はい。お嬢様。」
「客人が来たらちゃんと《おもてなし》をするのよ。」
「はい。承知しました。」
「神道彌生。彼の運命は私が変えて見せるわ。」
幻と現 完