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護る為に

赤紅の竹の中、その紅は憤怒の色か、勇ましく燃える闘志の色か、目覚めた狂気の色か、または流れ出す命の色か…崩れゆく幻想郷を紅く染めるモノ…


紅く燃え上がる竹林の中で…

「彌生くん。私があなたに与えた能力。それは私とほぼ同じ能力よ。でもね、あなたが私と同じように、その能力を使いこなせるとは限らないわよ。」

キリコの言うとおり、彌生とキリコの間には実戦経験の大きな差があった。それは今からどうにか出来る事では無い。

「お前の言うとおりだ。俺だけだとお前に殺られて終わるだけかもな。けれどもだ。俺にはこの幻想郷で得た大切な縁がある。その縁を信じて、俺は戦うよ。」

彌生は外の世界との縁を全て断ち切って幻想郷にきた。その幻想郷で得た新しい大切な縁を彌生は護りたかった。だからこそ、この幻想郷と幻想郷で出会ったモノ達との縁を信じた。

「ねぇ!そんな話ばっかしてないでさ!」

フランはキリコのあたりに弾幕を撒き散らした。力にまかせて撒き散らした弾幕は彌生の事など関係なしに、周りの竹まで吹き飛ばした。

「なにこの子。彌生くんも凄いモノを連れているわね。」

キリコには大蛇が巻きついていた。霊夢の夢想封印を防いだ時と同じように。

「おい、フランの事はレミリアから聞いていたけど、ここまでするとはな…。」

キリコはフランを先に殺すべきだと判断した。キリコは大蛇に刀を突き刺した。大蛇は火炎を纏い空に舞った。その姿は火炎の神であるカグヅチが鎖から放たれたようだった。

「まずはやっぱり、あなたからね!」

キリコはフランとの距離を一瞬で詰めた。

「早い!お姉さん凄いね!でも、そんなんじゃ、私に届かないよ!」

フランはキリコに右手を伸ばした。キリコには意味が分からなかった。

フランはその小さな手を握り締めた。

「《悪符 タイムアウト》」

キリコは破壊される瞬間、フランの手が差し伸べる方向の逆に移動していた。

キリコがいたはずの燃えていた竹林は塵になっていた。

「まさか、こんな能力まであるなんて。」

キリコはフランに刀の切っ先を合わせた。その時、ハクが彌生に話しかけた。

「彌生さん。あの構えはフランさんが危ないです。少しの間、身体を貸してくれませんか?私の精神と彌生さんの精神を入れ替えます。多分、そう長くは入れ替われないと思います。その間に、あの構えに対抗する方法を覚えて貰いたいのですが…」

「当然、良しだ。フランを助ける為にも、俺からも頼むよ。ハク。」

彌生が見る景色をハクが、ハクが見る景色を彌生が。

「それでは、行きます!《縁符 タイムエンド》」

ハクはキリコとフランの間に割って入った。そして、白刀を白い鞘に収め、抜刀の構えをとった。



レミリアと魔理沙は空に舞うカグヅチと既に対峙していた。

「魔理沙。これがあなたの言った大蛇なの?」

「あぁ!こいつだぜ!」

「蛇と言うよりは、龍に近いと思うのだけど。まあ、いいでしょう。」

「こいつはカグヅチって言われてたぜ。霊夢の話だと、業火を纏う火炎の神、らしいぜ。ま、なんでもいいか!早く倒して彌生の加勢をしなくちゃな!」

「その通りね、早く終わりを与えてあげましょうか。」


護る為に 完



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