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幸運の縁

竹林の中、彌生は自分が今どこにいるのかすら分からなくなっていた。

フランとハクを追い続けた結果。当然のごとく道に迷ってしまいました。

「おいハク。あと、フランも、どうやって…」

「ごめん。ヒグッ。なさい~。ヒグッ」

「あ、彌生さん。フランさんを泣かせましたね。」

「いや、え。俺のせい?」

「はい。彌生さんのせいです。早くどうにかして下さい。フランさんが可哀想です。」

何となくハクの口調がいつもより強い気が…早くどうにかしないと、なんか妙な空気になってしまいそうだ。

「フラン?ごめん。そんなに怒ってるわけじゃないからさ、な。な?」

「グスッ。じゃあさ、あの兎、捕まえてくれる?」

「え?。兎って。あれ?」

あの妖怪兎は茂みに隠れながら、こちらの様子を伺っているようだった。

もしかしたら、あの妖怪兎。話せるんじゃないか。彌生はそう考えていた。

「分かったよフラン。だから、泣きやんで。」

「うん!!」

げ、まさかの嘘泣きかよ。

「彌生さん。私もよくひっかけられたんですよ。あはは。あ、すみませんでした。」

それよりまずは、ここから出る方法を考えないといけない。だからこそ、あの妖怪兎が話せる奴か聞かなければいけない。

ほんの少しの緊張をほんの少しの勇気で無くし。兎に話しかけた。

「なあ。すまないが、話しできるか?」

「当然。私がどれだけ昔からいる妖怪か知らないようね。私は幸運をもたらす兎。《因幡 てゐ》だ。」

彌生の予想通り。この世界の妖怪はほとんどが話しの出来る奴らなのだろう。

「すまないがここから出る方法を教えてくれないか?」

「出るのは簡単さ。私について来ればすぐ出られる。今、お前さんが一番行きたい場所を思いながら、私を連れて進むといい。そうすれば、お前さんが望む場所につくだろう。」

「ありがとう。」

彌生は自分が今、探しているかモノがいる場所を望んだ。

しばらく歩き続けた彌生の前に、空を見ながら黄昏ている黒髪の女は黒い大蛇の上に腰掛けていた。

「あら、もう来たの。そう言う事ね。そこの妖怪兎を使うなんて、あなたも上手く幻想郷の妖怪を使っているわね。」

偶然のただの幸運なのだが、まあ、そんな幸運の縁があったのだろうと思えばいいだろう。

「お前を倒せば、この幻想郷でお前にやられた奴らの敵討のようなものになるんだよな。あと、俺の運命も変える事が出来るんだよな。」

「あなたの運命とやらは知らないけど、敵討のようなもの、にはなるでしょうね。」



博麗神社で…

「霊夢。分かってると思うけどこのままいけば、幻想郷は…」

「分かってるわよ。だからあんたと私がギリギリの状況を保っているんでしょ。」

キリコの本当の狙いは、確実に幻想郷を崩す事だった。

《八雲 紫》彼女は言うなれば幻想郷の中で最強の妖怪だろう。そんな彼女が足止めを食らっているのは、外の世界と幻想郷との縁をキリコが切ってしまい幻想郷と外の世界のバランスが崩れてしまったからだ。

「霊夢。縁を結び直せるあの~彌生くんだっけ?あの子が鍵なんだからね。」

「分かってるわよ。だから魔理沙には彌生の所に行ってもらったのよ。それと、吸血鬼とそのメイド、なんであんたらもここにいるのよ。」

ボロボロの服に血だらけの咲夜をおんぶしているレミリアは泣きたいのに泣くのを我慢しているような表情だった。

「彌生とフランとハクさん。あの三人と、魔理沙とあと、わたしが帰ってくるまで、咲夜の面倒を見ていてくれないかしら?」

「分かったわよ。そのかわりに…五人全員で帰って来なさいよ。」

「ふふっ。私を誰だと思ってるのかしら?」

幼き紅を称する吸血鬼は翼を広げ崩れゆく幻想郷の空に消えて行った。


「あ、一応あの子にも知らせておこうかしら。」

紫は少し考えながら呟いた。

「あの子って誰よ。」

「私の古くからの友人よ。」

「そう、なら早く作業に戻ってくれない?今は私達が頑張らないと、あいつらに申し訳ないでしょ。」

「はい、はい。霊夢は異変の時だけは頼れるわよね。」

「ちゃんと、帰ってくる場所を護るわよ!」



幸運の縁 完




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