表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

第1章その一:プロローグ

「ここがアルディオン星かぁ〜。」


一番風呂が好きな迅が最初に宇宙船から降りた。

「けっこうキレイな所じゃねーか!けっこうけっこう、ハッハッハ!!」


次にバースが降り、最後に船からこの星のデータをコピーしてきたイクスが降りる。

「ここの名物は美味い飯と美人と治安の良さらしいぜ。」


「美人かぁー、そう言われればどことなくレベルの高いやつが多いなぁ。」


そのての事にはあんまり興味がない迅は、周りの女を値踏みするように見た。

迅とはうってかわってそうゆう事に興味があるバースは、ウキウキ気分で言った。

「ハッハッハ!ホントにいい女ばっかだ!俺、ナンパして来ようかな〜♪」


「あ〜止めとけ。どうせ無理無理。」


「たいていのやつはお前を見てビビるからな。」


バースがそう言われるのもしょうがない。

なぜなら彼は巨体でデブ、そして上半身裸のスタイルだからだ。

まぁ、彼の故郷では当たり前のかっこではあるのだが。

「それもそうか!ワッハッハッハッ!それより飯を食いにいこうではないか!!」


「そうするか。」


「えーっと、ここらへんで評判の店は……」


イクスのガイドを頼りに二人は街を歩いていった。

そしてイクスが店の前で止まった。

「ここだ。」


そこには

「アリメ」

と書いてあった。

どうやらレストランというよりかは、定食屋らしい。

「いらっしゃい!」


三人が中に入るやいなや、店の主人らしき男が声をかけた。

中はけっこうにぎわっていた。

三人はカウンター席に座り、メニューを見ずに注文した。

「この店で一番美味い飯な♪」


「俺も同じやつを。」


「俺は、肉料理な!!とびきり美味ぇやつ!」


三人の食事はいつもこんなもんだ。

迅とイクスが一番美味い料理で、バースは肉系の料理をたのむ。

金の事などおかまいなしだ。

それは決してふとっぱらなのではない。

単に計画性が無いだけだ。

「はいよ。お待ち!」


十分ほどで料理が出来た。

食べてる途中、店の主人が話しかけてきた。

「お前さんたち、旅人かい?」


「あぁー、まあな。一応そうゆうとこだ。」


迅が言葉を濁しながら答える。

「普段は何やってるんで?」


「武器屋だ。けっこう品揃えはいいぞ。」


その時、店の中の空気が微かに変わった。

三人はそれに気づいたが、あえてそれには触れなかった。

だが、あまりにも強烈な視線が浴びせられたので、迅はさりげなくその方向を見た。

そこには少女がいた。

背は迅と同じくらいだった。

その少女は幼さをその体に残してはいるが、目はそこらの大人に負けないくらい鋭かった。

店主がその視線に気づいたのか、三人に少女の事を教える。

「あれは娘のようなものでリオンと言うんですよ。」


店主はリオンという少女を手招きした。

店主の言葉に引っかかりを感じたイクスはリオンが来ないうちに聞く。

「娘の…ような?」


「えぇ、リオンの両親は死んでしまって、代わりに私が面倒を見てるんですよ。」


丁度言い終わるときにリオンは店主の横に来た。

「その赤髪はこの星特有かい?」


迅は話題をそらすように言った。

「ええ、この星の女性はほぼ全員赤い髪で生まれてくるんです。」


迅とイクスはその燃えるような髪をしげしげと眺めた。

バースは肉料理に夢中だ。

「ねぇ、あんたら武器屋なんでしょ?私に武器を売ってよ。」


鋭い目を向けたまま、リオンは言った。

迅たちが答える前に、店主がまぎらわすように言った。

「リオン!上に行ってなさい!」


「………」


リオンは少しためらった後に二階へのワープエリアに乗って上に行った。

なんだか居心地が悪くなったので(ついでにバースも食べ終わったので)、三人は店を出る事にした。

「ごちそーさん。美味かったよ。」


「いくらだ?」


イクスがカードを取り出しながら言う。

今の金はすべてデータとしてカードに入っている。

これにより、持ち運びも楽になった。

「えーっと、丁度380000バレンですね。」


「!!!!」


「ちょっと待て!いつ俺たちがそんなに食った!?」


びっくりして声も出ないイクスと慌てて聞く迅。

「そりゃー俺のせいだろーー♪」


あくまでも陽気にバースが言う。

二人がバースの食った所を見ると、いつのまにか食器が山のように積まれていた。

「バ〜ス〜……」


「やばいぞ迅。全然足らない。」


イクスが迅に見せたカードには300000Vもなかった。

もちろんこれが全部である。

カードがもう一枚、なんて事はない。

「お客さん。もしかしてお金が足らないんじゃ…」


二人の妙な慌てぶりを見て、店主はピンと来たようだ。

「だ、大丈夫ですよ。宇宙船に戻ればありますから……」


急に敬語になる迅。

「ちょっと待っててくれれば、金は持ってくる。……そうだ。こいつを人質代わりに置いておくから。」


「うおっ!イクス!!てめぇ仲間を人質にする気か!!!!」


「その仲間をピンチに追い込んだのは誰だ!」


三人でギャーギャー騒いだ結果、やっぱりバースを人質にして金を取りに行く事になった。

もちろん宇宙船に戻ったって金はない。

あるのは売るための武器だけだ。

二人はさっさと売って金にするために宇宙船へと戻った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ