表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

第1章その一:プロローグ

とある鯨型宇宙船内に、三人の若者がいた。

「……チェック。」


「んむむ……」


のっぽで耳がとんがっている男と、ちびの男がボードゲームをしていた。

これは古くから伝わる遊びで、チェスという名を持つ。

ちびの男がうなる。

一方のっぽの方は、余裕そうにイスにもたれかかっている。

「……ちょっと戻してくんない?」


「ダメだ。ホレ、さっさと言えよ。負けたって。」


ちびの方はしばらく考えこんでいたが、やがて口を開いた。

「…………負けました。」


「はい。俺の勝ち♪」


ちびの男はその言葉を聞くやいなや、イスごと後ろに倒れた。

「くあー、また負けた!」


すると奥の方から、巨体の男が姿を表した。

「ハッハッハ!迅!また負けたんか!」


巨体の男に髪はなかった。

だが、彼には最初から髪はなかったのだ。

彼の生まれた星では、当然の事だ。

そして迅と呼ばれた男は倒れたまま、答えた。

「うっせーよ。バース。」


悪態をつかれたのにもかまわず、バースという男はただただ笑っていた。

「ハッハッハ!当然の事だからしょうがねぇだろ!おい、イクスからも何か言ってやれよ!」


「迅。チェスが好きなのはいいが、もうちょっと強くなった方がいいぜ。」


「だってよー、好きこそ物の上手なれって言うじゃんか。」


「それはお前の故郷だけだ。」


イクスと呼ばれている男はあきれながら言った。

ここで三人の事を紹介しよう。

まず、ちびの男。

名は佐々木 迅。

地球という星の生まれだ。

次はのっぽの男。

名前はイクス・ラスベル。

バスル星出身で、そのとんがった耳はその証だ。

最後に巨体の男。

ギドム星というみんなが巨体の星出身である。

名はバース・ファルガーというギドム星でもけっこう有名な家柄だ。

「そーいやバース。お前、料理の途中じゃなかったっけ?」


「あぁ?……おおぉー!!忘れてたー!!!!」


バースはドスドスと、もといた場所に戻った。

そして数秒後

「うおおぉぉーー!!!!」


そんな叫びが聞こえたので、迅とイクスはその場所――キッチンに行った。

扉の中に入ると、焼け焦げた匂いとフライパンを持ってひざを床についているバースがいた。

(またか……)

迅とイクスは同時に思った。

実は三人とも料理は大の苦手で、飯を焦がすというのはしょっちゅうあった。

「すまん……」


「いいっていいって。俺なんて昨日の料理灰にしちゃったんだから。」


「そうそう。迅の灰料理に比べたらお前のはまだちょっと焦げただけだから大丈夫だって。」


ちなみにイクスは肉料理をものすごい生でみんなに食べさせた。

もちろん腹をこわした。

が、バースだけは無事だった。

「それにしてもそろそろ飯が無くなってきたな。」


「そうだな。イクス!近くに星があるか?」


「ちょっと待ってろ」


イクスは操縦席に行き、何かを操作していた。

「そうだな……ここからだとアルディオン星が一番近いな。」


「よし。じゃあそこにするか。」


「ついでに商売の方もやんないとな!ハッハッハ!」


そうして宇宙船はアルディオン星に着陸した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ