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ただいま、私の場所

城の三階。主の居ないお父様やお母様の部屋とお兄ちゃんの部屋に挟まれた静かな私の部屋。この階に住む、誰も待っていない一人取り残された私。


「姫と二人きり、あのクレサイダも今は居ない。フフフフ」


私の幼い頃からの世話係りのカリサペクがいるけどね。


「えっと、カリサペク?お留守番ありがとう?」


「ひっ、姫~!もう大好きです!」


クーレに召喚される前と同じで塵一つ落ちていない部屋。カリサペクが毎日お掃除してくれてたんだろう。私も大好きだよ。


「それで、私はどうすれば良いのかな?」


「まずは、お風呂に入られて、お召し物を替えませんと。お背中をお流しします。さぁ、お風呂へ!」


「えっと、一人で入るから良いよ。カリサペクはここで待っててね?」


カリサペクと入ると何故か凄く疲れちゃうから。


「ここでイルサ様の風呂上がりを待つ…。ハッ、ハイ!先にベッドの中でお待ちしておりますね!」


そろそろ日が暮れるのに、今からお昼寝したら、夜に寝れなくなっちゃうよ?


本当はのんびりお風呂に浸かりたかったけど、早めに出て、カリサペクが既に用意をしておいてくれた服を来てお風呂を出る。魔王の正装だって言う黒を基調にした服。動き難くてあまり着たく無いんだよなぁ。


「カリサペク。起きなさい」


私のベッドで本当にお昼寝してるカリサペクを起こそうとしているシュナアダが居た。私はシュナアダが苦手。お父様の時から仕えている優秀なアダなんだけど、笑ってくれた事無いんだもん。いつも私に仕事を持ってくるし。


「シュナアダ、カリサペク疲れてるんだよ。寝かせてあげてよ」


睨まないで、怖いよ。


「本当は解雇ですがね。まぁ、彼女の主人が消えてから、彼女は毎晩殆ど寝ずに泣き明かしていましたからね?とにかく、起きなさい、カリサペク!」


シュナアダの声で起きるカリサペク、そんなに心配してくれたんだ。


「カリサペク、ごめんね」


「な、何がでしょうか!姫が私に何を謝る事が」


「カリサペク、私は忙しいので、用件を言いますよ。会場の準備が整いましたら鐘を鳴らしますので、イルサテカ様をお連れしてください。以上です」


それだけ淡々と告げると部屋を出ようとするシュナアダ。ドアノブに手をかけて振り返ります。


「イルサテカ様。お疲れと存じますが、今夜だけは頑張って下さい。では、失礼します」


シュナアダは本当は優しいんだ。でも、とっても照れ屋さん。


「あの姫、申し訳ありません。姫を待つ間、姫のベッドで寝てしまうなど。在ってはならない事」


私に頭を下げるカリサペク困ったな。全然怒って無いのに。それに


「カリサペクは私の心配して夜寝てなかったんでしょ。ごめんね」


そう、私が悪いんだ。でも、嬉しいな、そこまで心配してくれてたなんて。カリサペクやシュナアダが居るヘブヘルに戻って来て良かったよ。私の大切な人達だからね。


「本当にご心配しておりました。姫があのカイムと同時期に姿を消し、異世界に喚ばれたのでは無いかとシュナアダ様が御推察なされた時は怪我等をなされないか…」


「大した怪我してないよ。ちょっと擦りむいたぐらいだよ」


リセスやクレサイダが守ってくれたもん。


「それだけではありません。全世界一の愛らしさを持つ姫が異世界でくそ野郎どもに捕まってあんな事やこんな事をされるのではと、されてませんよね!姫は汚されてませんよね!」


勢い良く詰め寄って来るカリサペクに一歩後退。少し怖いよ。


「さっきも聞いたけど、あんな事やこんな事って何の事?」


ルクちゃんはまだ知らなくて良いって言ってたけど知りたいなぁ。セルツさんが良いことも悪いことも知りなさいって言ってたもん。

私の質問にカリサペクが言葉に詰まってるってことはかなり難しい事なのかな?


「良いですか、姫。男性に身体を触られてたり、過度に密着されたり、その一緒に寝たりしませんでしたよね」


「したよ。リセスとギュッとしたりとか一緒に寝たりとか。でも、お父様が言ったように身体が腐ったりしなかったよ?」


カリサペクが固まっちゃった。でも、私の身体に悪いところは無かったんだよ。


「イルサテカ様?」


カリサペク、眼が怖い、胃から捻り出したような低い声でフルネームで呼ばないで。昔、いたずらした時に見た本当に怒ったカリサペクだ。私、悪いことしたの?


「そのリセスとかいうクソ野郎は今日姫が連れて来た輩のどちらかで?」


「そうだけど、リセスはクソ野郎じゃないよ。とっても優しくて、頼りになるんだよ」


「そうですか…、リセス様がそこまで…ね」


「な、何でそんなに、カリサペクは怒ってるの?私悪いことしちゃった?」


今のカリサペクは凄く怖いよ~!リセス、クレサイダ、ルクちゃん、誰でも良いから助けて!


「いえ、姫は何も悪くありませんよ」


あっ、いつものカリサペクに戻った。


「ただ、そのリセス様には特別に丁重なおもてなしが必要なようです。感激で息が出来なくなってしまうほどのおもてなしを…。後でご紹介下さいね?」


「うん、リセスにはお世話になったから宜しくね」


優秀な世話役カリサペクの丁重なおもてなしかぁ、是非やってあげて欲しいな。リセス、喜ぶかな?


他の皆にもこの世界を楽しんで欲しいな!

いけませんな。カリサペクが俺の脳内で反乱を起こしました。ニーセ様の動乱の危機を何とか乗り越えた天見酒政権は、またしても更なる脅威に曝されています。このままでは、サイト運営陣に抹殺されてしまう。


皆様の天見酒政権への応援を宜しくお願いします。


まだ15禁には入って無いですよね?

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