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私の独奏

私らしく無く、頭に来ちゃってるルクちゃんです。

こんな我が儘をやっちゃうなんてね。でも、しょうがないよ~。リセ君が悪いんだもん。

イルちゃんばっかり見てる。少し女の子への配慮が足りないよねぇー。美少女が側に居るのに他の女の子のこと考えるなんて。

イルちゃんは確かに可愛いし、とても素直だけどさ。私の方が 付き合い長いんだよ~!


リセ君、変わっちゃったなぁ。昔は優しかったのに。今でも優しいけど何か違うんだよー。何なんだろうね。


私は変わってないよ~。だから、苦しいよ。昔からリセ君に…。


考えちゃうんだよねー。私は役に立ってるかな。ただ、我が儘やってるだけに見られて無いかなぁ。やっぱり皆のお荷物になってるかなぁ。


私の旅の始まりは、アレンさんがナールスエンドにリセ君に会いに行くって言うから我が儘で同行した。そこでリセ君の隣にはイルちゃんが居て、一緒に旅するっていうから、我が儘でついて来て。今日は私の我が儘でリセ君と喧嘩して、私の我が儘で飛び出して。


私の我が儘っぷりにちょっと泣きたくなってきちゃうね~。リセ君が私を直ぐに追って来てくれないのは当然だよね~。こんな可愛く無い私なんてね。


「マイナー、この建物の中に欠片は在るのだな」


「はい、オシリスの杖はここを指しております」


一棟の背の高い建物の前に立つ。この世界に浮く服装と姿の目立ってる集団を発見しましたよ。間違いなくカイム達だね。シャプトなウニロなんて、注目の的だよ~。

そして、オシリスの杖。ドゥーチの杖の事だろうけど、欠片の位置を探れるんだ~。フィフレで起こった現象の原因だねぇ。恐らく世界の欠片と密接に関係してる品。世界の欠片とドゥーチの杖。これらを集めると何が出来るのか。クレちゃんの隠すカイムの目的。鈍いリセ君は気付かなくても、賢いルクちゃんは勘付いちゃうんだよね~。


道に沿って綺麗に並んでいる木の後ろに隠れながら、敵情観察。歯痒いけれど、一人で来たから何も出来ない。何やってるのかなぁ、私は。


声を落としたカイム達。何かの相談かな?私も是非聞きたいんだけどな~。と思っているとカイム達は欠片のある建物へ歩き出す。顔傷ニンジャさんを残してね。


見張りかな?と思っててもこちらに近づいて来る顔傷さん。


「出てこい!そこに居るは分かっている」


バレちゃった?

そっか~、欠片の位置が分かるんだよね~。ルクちゃん、うっかりだー!


「あはは、お久しぶり~、格好良い傷のおじ様ぁ。ご機嫌いかが~?」


相手は私の愛くるしい笑顔と愛嬌たっぷりの挨拶にカタナを抜いて応えてくれましたぁ。ご機嫌斜めですね~。

私としてはゆっくりお話でもしてたいなぁなんて、上着で隠した銃に手が伸びてたり。

銃に手がかかる前。既に相手の得物が私を捉えられる位置にある。煌めく刃。これは間に合わないや~。瞼は恐怖で自動的に落ちる。


鋭い鉄の鳴る音。開いた眼に映ったいつもの背中。


「ルク、一人で無茶をするな!」


こちらを見ずに怒る背中。言い返したい気持ちはいっぱい。でも、言い返す言葉は無いよ。

ずるいな~、リセ君は。何で私の格好悪い姿を見て、自分の格好良い姿を見せるんだよ。

ずるいよ、リセ君。

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