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科学世界アース

科学世界アースの様相にイルサが一人で凄いを連発しているが、これは俺も驚くしかないようだ。


五階建ての高さを誇るシーベルエ城を見馴れた俺でさえ、何百階あるのか予想もつかない高さの長方体な建物が天を付きながら並ぶ。更にはクーレでは高級なガラスを惜しみ無く建物に使う綺麗な建物。


地面は全面石畳。黒灰色の石道を通る様々な色の動く鉄の塊達。中がくり貫かれて、人が入っている。黒い車輪がついているところを見ると馬車のような乗り物なのか?鉄を動かす、高度魔法だがこれは科学の力なのか。

街を歩く人が多い。大半の人は白いシャツに黒か茶の上着、そして黒く薄いズボンという服装をしている。

首に色とりどりの布切れを巻いているのは、まじないか何かの類いか、ナフキンなのだろうか。それとも、防具なのか?


その俺からすれば異様な格好も向こうからすれば、俺たちは異様なのだろう。歩行者達は視線を僅かに此方に向けては、目を反らして歩き続ける。どうやらこの世界でも、イルサが目立ち過ぎるらしいな。この世界の通行人達は主に黒髪、黒眼。俺やルクと同じ茶髪も居ることには居るが、イルサの赤髪、赤眼は見掛け無い。更に、イルサに生える感情に合わせて動く翼は珍しいのだろう。


「それでルク。欠片は見つけられそうかい?」


何故かいつもの元気の良さが無いルクにクレサイダが話しかける。


「今度は気持ち悪いぐらい魔力の反応を感じないよ…。これだけ人が居るのに」


本当に気分が悪そうだ。この世界の住人は魔力を持っていないと言うのだろうか。俺には魔力を感じる能力が無いから、ルクの気持ち悪さは分からない。目が突然見えなくなった気分なのだろうか。


ルクの弱音にクレサイダは頭を抱え出すと俺も頭を支えたい程重くなっている。

これだけ人がいるんだ。誰かに情報を貰おう。その結論は、この世界の住人の危険性を良く知らない俺の早急な愚考だった。


それを取り出したのは、顔からして俺よりも若い女の子だった。長方体の片手で持てる薄い小箱。コンパクトのように上下に開き、それをイルサへと向ける。その開かれた上部に丸いレンズのような物が付いている。


俺に走る緊張。もしや、この世界の銃か!


クレサイダがその女の子に向かって火の魔法を放つ。その兵器を撃ち抜く。


「おい、あいつ、火炎放射機かなんか持ってるぞ!あぶねぇぞ!」


「誰か警察を呼べ!」


先の女の子に代わり、ポケットやバッグから、形や色は僅かに違えど先程と似た武器を取り出すアースの住人達に囲まれた。


「チッ、全員殺るか」


「駄目だ!多分、ケイサツとか言う軍隊が出てくる。逃げるぞ!」


カエンホウシャキやら分からない単語が多いが、ケイサツなるものがこの世界の軍であろうことは理解出来た。国を代表する軍とやり合うのはまずい。ここは逃げるのが常道だ。


それにシーベルエでは、銃を持つには、騎士団に入るか、国家資格を得なくてはいけないが、老若男女問わず、謎の最新兵器を持っているこの世界の住人の大群に勝つ自信は無い。


困惑の表情を浮かべるイルサの手を引き、素早く生まれた人の輪を強引に突破。ルクやクレサイダもついて来ている。セルツはイルサの肩の上に居る。俺たちの後ろから、光や魔写機のシャッターのような音が聞こえるが、被弾はしていないようだ。


くそ、訳も分からず集団で発砲して来るとは、ここは何て危険な世界なんだ!

他人を無許可で写メを撮るのは如何なものかと思っている天見酒でした。


携帯電話は便利にですね。

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