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第6章:静寂が永遠に続くことはない


 街は弛緩していた。あまりにも、度を越して。

 それが「問題」だった。


 数日間の自制を経て、オーレリスの街は、反復だけで記憶を塗りつぶせるかのように日常へと縋り付いた。店はいつもより早く開き、市場の屋台は夜遅くまで灯りを灯し続けた。衛兵たちは不自然なほど大きな声で笑い、その声はわずかに高揚しすぎていた。

 それは「平穏」という名の演技だった。


 カエリスは、即座にそれに気づいた。


 物資管理局では、フェラが整理の必要のない棚を何度も整理していた。彼女は同じ木箱を二度動かし、無意識のうちに元の位置に戻した。


「みんな忙しそうね」彼女は彼にというより、自分に言い聞かせるように呟いた。「そうすれば、何かが解決するとでも思ってるみたいに」

「忘れるための助けにはなる」カエリスが答えた。

 彼女の手が止まった。「それは、解決とは違うわ」

「ああ」彼は同意した。「だが、限りなくそれに近い」


 「疑問」の代わりに「要求」が溢れ出した。

 追加の配送。厳しい締め切り。「今回だけ」の有利なルート設定。人々はもはや何が起きたのかを問わなくなった。ただ、何も起きなかったかのように、物事がどれだけ早く動くかだけを求めた。


 誰かが、貯蔵庫近くの外通りのショートカットを再開することを提案した。

 台帳レジャーをめくるフェラの手が止まる。

「いいえ」彼女はきっぱりと言った。「まだ早いわ」

 運び屋は不満げに眉をひそめた。「もう道は片付いてる(クリアだ)ぜ」

「片付いているからといって、それが正しいわけじゃない」

 男は納得いかない様子で立ち去った。


「……何もない空間に、無理やり入り込もうとしてるわね」ルネッサが観察するように言った。

「空白を『好機チャンス』だと勘違いしているんだろう」カエリスが返す。

「そして、それが好機だったためしなんてないわ」


 最初の異変は小さなものだった。

 再開されたルートの近くで荷車が横転した。怪我人もなく、報告するほどの損害もない。ただ、交通を停滞させ、耳目を集めるには十分な騒ぎだった。人々は不平を漏らした。


 二度目の異変は、その不平が終わる前に起きた。

 二人の衛兵が管轄権を巡って激しく言い争い始めた。口論は急速にエスカレートしたが、突然、幕を閉じた。二人とも、自分がなぜ怒っていたのか思い出せなくなったのだ。

 夕暮れ時までに、三人の商人が同じ荷物について矛盾する報告を提出した。


 一つ一つは些細なことだ。だが、それらが集まることで一つの「パターン」を形成していた。

 フェラは、同じ項目を三度も書き直している自分に気づき、確信した。


「これは偶然じゃないわ」

「ああ」カエリスも同意する。

 彼女は声を潜めた。「街が、見えない何かに躓いているような感じがする」

「的を射ているな」


 彼女は彼をじっと見つめた。「まるで、以前にもこれを見たことがあるような言い方ね」

「『結末』なら見たことがある」彼は言った。

 その答えは彼女を満足させるには程遠かったが、予想していたよりは納得のいくものだった。


 外では、騒音の質が変化していた。

 大きくはなっていない。だが、より「鋭く」、一箇所に集中フォーカスし始めていた。街は、歪みを溜め込むための新しい場所を選びつつあった。


 翌朝までに、再開されたルートは人で溢れかえった。

 あまりにも過剰なほどに。

 商人は以前の反対を無視して荷車をそこへ回し、衛兵は「事態が収束するまで」と恒久的に配置された。人々は理由もわからず集まってきた。

 フェラは事務所の入り口に立ち、通りを見つめていた。


「またやってるわ」彼女は言った。

「また?」カエリスが尋ねる。

「一箇所に『圧力プレッシャー』を溜め込んでいるのよ。発散させる代わりにね」

 彼女は溜息をついた。「人間は、悲しみ(グリーフ)に対してもこれと同じことをするわ」

「そうだな。恐怖に対してもだ」と、カエリス。


「……大抵、こういう時に事態は醜くなるものよ」ルネッサが囁いた。

 カエリスは通行権を巡って争う労働者たちを眺めた。敵意はない。危険もない。ただの摩擦だ。

 注意アテンションが焦点を見つけてしまった。それが危険だからではない。そこが「空」だったからだ。


「止めるべきかしら?」フェラが静かに尋ねた。

「いや」

 彼女は彼を振り返った。「どうして?」

「干渉は、間違った教訓を与えることになるからだ」

 彼女はその答えを好まなかったが、反論もしなかった。


 正午までに、衛兵の数は倍になった。

 午後には、ギルドの調査員が到着した。

 夕方には、その通りは「懸案事項」となっていた。街は、その空白に「名前」を与えてしまったのだ。


 発表は黄昏時に行われた。公式なものではなく、囁かれるような緊急性を持って。

 合同調査。専門家。結界ワード。確認作業。

 人々は、プロフェッショナルたちが「理解しているふり」をするのを遠巻きに眺めていた。カエリスはまたその端に立っていた。フェラは今回は人混みには加わらず、彼の傍らで腕を組み、口元を引き締めていた。


「意味のないものに、無理やり意味を押し付けようとしているわ」彼女が言った。

「ああ」

「それは決して、良い結果にはならない」

「その通りだ」


 専門家たちは、回答を暗示させる道具を携えて現れた。チョークの印。探知ロッド。反応を引き出すための魔術。

 何も反応しなかった。

 苛立ちが募る。声が尖る。一人の男が「何かが数値を抑制している」と言い張り、別の男が「機材の故障だ」と責め立てた。三人目の男が「外部からの干渉」を示唆した。


 『悪魔デーモン』という言葉が浮上した。

 群衆が身を乗り出す。


「……くるわよ」ルネッサが言った。

 圧力が変わった。脅威ではなく、「期待」だ。人々はそこに「何か」があることを望んでいた。カエリスは、街がその欲望に向かって軋むのを感じた。


「ここが限界点ブレイキングポイントね」フェラが囁く。

「いいえ」カエリスが答えた。「ここが、『失敗』の場所だ」


 専門家の一人が前に踏み出し、声を張り上げた。

「何かが隠れているのなら、無理やりにでも暴き立ててくれる!」

 彼がデバイスを起動させた。


 空気が歪んだ。激しくではなく、「不自然に」。

 コンマ数秒の間、何も存在しなかった空間が「何か」になろうとした。


 カエリスが一歩前へ出た。

 速くはない。劇的でもない。

 ただ、その歪みが崩壊した。

 鮮やかに。

 反動バックラッシュも、衝撃波も、反応も何一つ残さず。

 ただ……消えた。


 デバイスは男の手の中で、最初から欠陥品だったかのように砕け散った。

 沈黙が支配した。群衆は呆然と見守る。自分たちがたった今、何を見逃したのか誰も理解していなかった。


「……今のは少しだけ面白かったわね」ルネッサが言った。

「ああ。少しだけな」


 専門家たちは早々に退散した。

 その後には、歯切れの悪い、自己防衛的で、納得のいかない説明が続いた。機材の故障。環境の不安定さ。早急すぎる結論。

 群衆は決着のないまま霧散した。


 フェラはゆっくりと息を吐き出した。「彼ら、数週間はこのことで言い争うわね」

「いいえ。もっと大きな騒ぎに塗り替えられるまで言い争うだけだ」

 彼女は渋々頷いた。「そっちの方が最悪ね」


 翌朝には衛兵の配置は戻され、ルートは密かに再び閉鎖された。

 何の公式発表もなかった。街は適応したのだ。


 管理局では、平穏が戻っていた。フェラは台帳が落ち着くのを見届けた。

「終わったわね」

「ああ」

 彼女は躊躇した。「……あなたは、止めなかった」慎重に言葉を選ぶ。「でも、起こさせもしなかった」

「その通りだ」


 彼女は長い間、彼を見つめた。「あなた、危険な人ね」非難ではなく、確信だった。

「ああ」

 その答えに、彼女は思わず短く笑った。「せめて正直でいてくれて助かるわ」


 その夜、カエリスは一人で歩いた。

 貯蔵庫の方へでも、あのルートへでもなく。ただ街の中を。

 騒音は再び柔らかくなっていた。不在ではなく、焦点がぼやけているのだ。人々はまた、物価や天気といった、どうでもいい不平不満に戻っていた。


 日常が再開された。

 だが、それは以前より薄く、脆いものになっていた。


「……またやるわね、彼ら」ルネッサが言った。

「ああ。いつだってそうだ」


 カエリスは広場の井戸の近くで足を止めた。

 ランタンは静かに燃えている。何の変哲もない光景だ。


「嫌にならないの?」ルネッサが尋ねた。「彼らが同じ間違いを繰り返すことが」

「いいや」

「どうして?」

「反復は『証明』だからだ」カエリスは言った。「失敗ではなくな」


 彼女はその言葉を咀嚼した。

「……あなた、本当に気が長いのね」

「十分にな」


 街は、彼がそこに立っていることに気づかない。

 見守られていることにも。

 そして、それこそが肝要だった。


 静寂が戻ってきた。平和としてではなく、「余白」として。

 世界が次の間違いを犯すための、空白だ。

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