第一部あとがき
この作品をごらんの皆さん、お初にお目にかかります。
この作品の作者、ターンAです。
別にこの名前に意味はありません。だけどお気づきの方もいるかもしれませんが、ガンダムが好きだったりします。
はじめに書いたのですが、この話は、他の携帯小説サイトで好評(?)だった、作者の処女作を、少しだけ手直しして載せているものなのですが、そちらも読んだ方はどれだけいるのか…
処女作なんで、ご感想やご指摘は真摯に受け止めたいので、もしご意見があったら、色々とご指導ください。
この話は、作者が高校生の頃に書いて、受験などで一時中断したのを、大学に入学して少しずつ完成させたものです。作者は学費をバイトでまかなう貧乏学生で、お金のかからない片手間の暇つぶしとして書いていたもので、とてもプロの小説家のように、練りに練って書いた作品とも言えませんが。
しかもこの話、初めは男同士の友情を描いた、ヒューマンストーリーチックなものとして当初は書いていたのですが、どうも男だけだと話が展開しなくなり、女性をアクセントとして出してみたら、あれよあれよと話が恋愛方向に行ってしまったというものでして…恋愛ものとしても、ヒューマンストーリーとしてもどっちつかずな状態になってしまったかもしれないです。まあ、それで小説を書く難しさを痛感して、色んな人に読んでもらい、その感想から何かを学ぼうと、こうして大きなサイトにこの話を載せようと思ったわけですが。
さて、一応、この作品の登場人物の製作秘話を、ここで一部だけ紹介してみます。
・サクライ・ケースケ
モチーフは自分なんですが、基本的には「少年」です。天才だけど、まだ幼く、純粋な面を書きたい、と思って書いたキャラです。それゆえの不器用さで、不幸を招いた、っていう面が、読んでくれた方に伝わっているのやら…
名前の由来は、掲示板に書いたのですが、伸ばす棒を入れることで、少し名前に子供っぽさを出したい、ということでカタカナにして、伸ばす棒を入れられる名前、ということで、ケースケ、を採用しました。
サクライは、誰かが昔テレビで、ミスチルの桜井さんの事を「音楽が大好きな少年が、そのまま大人になったって感じ」と称していたのを聞いて、これだ、と思って、サクライ、を使いました。偶然ですが、冬にいたけれど、春を自分の中に持っていた、という意味でも、いい名前だな、と思って。
少年っぽさを出そうと思って、一人称を「僕」にしたり、色々どうでもいい小細工を…ただ、キレた時に、一人称が「俺」になるのは、一部の人に、某人斬りのようだと言われました。
はじめは名前を漢字にする案もあって、「桜井蛍介」という名前も考えたのですが、これを当時はやっていた「脳内メーカー」にかけたら、かなり悲惨な結果だったので、漢字案は頓挫して、名前をカタカナにしてしまった、という……
天才という設定にしたのは、小説初心者の作者がスキルもないのに書くとしたら、主人公が何でもありな奴の方が、制約がなく書けると思ったからですね。それでも彼は力に取り付かれる設定に繋がって、誇り高い性格も後からついてきました。主人公が馬鹿だったら、この話は書けなかったので、結果的にはラッキーな設定でした。
この主人公、自分の中では「底抜けにいい奴」を書きたかったんですが、それが皆さんに伝わったか、と言われれば、ごめんなさい、といった感じです。
屈折してはいるけれど、根は真っ直ぐで、冷めているけれど、心は熱くて、天才なんだけど、どこか抜けてて、器用に見えて、実は不器用で…みたいな、全ての「ギャップ」を兼ね備えた人物として書こうと思ったんですが、作者の文才だとこれが限界だったようで…
加えて、人に翻弄され続ける、一種のヘタレとしても書いています。
もう少し彼の人間性を際立たせるなら、もっと破滅型か、内向的に徹しきった方がよかったかな、とも思います。冷酷にもなれず、優しくもなれずで、どっちつかずだったかな、と。皆さんには理解されがたいキャラに成り下がったかもしれません…自分の能力を信じてはいるものの、過信にならないように書いてあげたかったのですが、皆さんには、ただのナルシストに映ったかもしれません。そういう加減は難しいです。
ヒロインを無視して、別の女の子に走ったりするところも、好かれない主人公にしてしまったかも知れません。自分の中では、あの時は救いを闇雲に求めて、あれ以外の選択肢がなかった、ってことで納得できているんですが…その後病室で、ヒロインを抱きしめたりしたのは、作者も書きながら「これって、節操がないのかなぁ」という自問自答をしながら書きましたが、主人公が救われるためには、一度どん底まで落ちて、負の暴走を止めなくちゃいけなかったので、仕方がなかった、と、自分では納得させています。
高校生の作者が書くには、少しハードルが高すぎたキャラかもしれません。生きるとか、愛するとか、作者はこの歳になってもまだまだわからないことだらけなのでね…
・ヒラヤマ・ユータ
サッカーが好きな人は一瞬でわかったかもしれませんが、これは現在、FC東京に所属している某フォワードから名前を取りました。
作者が初めて高校サッカーを見た大会で、長崎の国見高校に二年生でエースとして出場していた時に、「うお、こいつすげぇ」と思ったのがきっかけで、そのインパクトを借りて使いました。
その後、まさかこんなに有名人になるとは思わず、名前を変えることも考えましたが、その頃にはもう話が100ページを超えていて…
直すのが面倒臭くて、そのまま使っちゃえ、ということで、この名前という黒歴史…
作者は基本的に、キャラの名前を考えるのがものすごく苦手です。カッコいい名前とか思いつかないし…カッコいい名前を考えるコツとかあったら、教えて欲しいものです。
一番困ったのが、ジュンイチとのキャラ分けをすることでした。多分一部ではそれはかなり不完全だったと思います。
ジュンイチが陽気な奴だったのに対して、ユータはプレイボーイゆえに、男に好かれなった過去があり、どこかクールになってしまった、というキャラだったのが、二人と出会って何気にいじられキャラもこなせるようにはなった、みたいなのを書きたかったんですが…
マツオカ・シオリの登場で、肝心の親友コンビが脇に追いやられるという、予想外の展開に…
なのでアナザーストーリーを作って、二人の性格を補完したわけです。しかしユータがケースケに抱く思いは、決してBLではありません。
・エンドウ・ジュンイチ
これもサッカー好きは気付いたかもしれませんが、モチーフは主人公との「ダブルボランチの相方」というのが思い浮かんでいたので。そのコンビを書きたいということで、元が出来ました。
たまたまやってた日本代表の試合で、その試合に出ていた代表ボランチの名前を合体させただけ…
どちらかというと、人と距離を置くユータよりも、ケースケに近い存在として書きたかったキャラです。ユータと比べ人情に厚く、考えが少し楽観的にしてみたかったんですが…それも不完全だったかもしれません。
ケースケを殴ったエピソードは、ジュンイチの人間性を現していて、結構自分では気に入ってはいるんです。そんな、「普通の高校生」のジュンイチを出すことで、ケースケとユータの特異性を出そうかと思ったんですが、それをやるとあまりにページが多くなってしまうので、第一部では頓挫しました。
序盤のケースケとジュンイチの会話は、普通の高校生をやっているジュンイチと、もう普通の高校生を出来なくなったケースケの対比として書きました。
良くも悪くも「普通の奴」です。
・マツオカ・シオリ
作者にとって諸悪の根源…元々男の友情重視の話が、男だけだと上手く話が展開しなかったため、アクセントで出した女性が、いつの間にかヒロインになってしまったという…
名前は、個人的にですが、松田とか、松岡とか、松浦とか、「松」がつく名前って、いい人が多いイメージがあって。ビジュアル的にも。その中で。女性的な感じがあった、松岡、を選びました。
女性を出すなら、話が男だらけだったので、女性らしい子を出したい、と思って、女性らしい名前を考えたら、「詩」という漢字を入れると、ちょっと女性らしいかな、と思い、詩織という名前をつけました。
しかしこの名前、某伝説的ギャルゲーヒロインの名前だったり、作者が高校時代、通っていた男子校ではやった、ジャンプでやってた某ラブコメ漫画のヒロインと名前が似てたり…こてこて過ぎた事を今では後悔している作者です。
正直作者は今まで、大恋愛をしてきたわけでもないです。女性を本質的に求めたことも、女性に救われた経験も、まだありません。これを書き始めた高校生時から、今でもそうです。
なので、彼女の言動は全て自分の「妄想」と言ってもいいです。なので、この娘を書く、第一部ラスト当たりは拷問のようでした。もう恥ずかしくてたまらないというか…
公共の場で妄想だけの女性キャラを書いて、何をやっているんだ…という恥ずかしさに勝てず、時には酔ったままこのキャラを書いたこともあります。なので相当キャラが崩壊していたり、好き嫌いが別れても、作者は何も言えないキャラですね…
正直このキャラの感想が、作者は一番気になるところですね。
…と、まあこんな感じです。
これから第2部が始まります。仕事の関係で更新は遅いかもしれませんが、今後もよろしくお願いいたします。