39話 〇〇ごっこ③
「ねぇねぇ、ちょっちゃん」
「……なぁに?」
「ぬいぐるみごっこして遊びましょう!」
「しないよ」
「ぶふぉっ! ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ」
「ミサキちゃん、汚いでしゅ」
確かにお茶を吹いてしまったのは汚いですが、誰のせいだと思っているのですか!?
ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ。苦しい……。
それもこれも、たむがぬいぐるみごっこなんてわけのわからない遊びにちょっちゃんを誘うからです!
ぬいぐるみごっこもなにも、君たちは元々ぬ・い・ぐ・る・み・です!!
「ぬいぐるみごっこってなにするの?」
「じーっとしてボーッとするんでしゅ」
「ぶふぉっ! ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ」
「ミサキちゃん、汚いでしゅ」
やっと治まってきたのに、また激しく噎せてしまいました。
またしてもたむがわけのわからないことを言うからです!
じーっとしてボーッとするって、普段の君たちと全然変わりませんから!!
「ねぇねぇ、ぬいぐるみごっこしましょうよ〜」
「しないよ」
「しましょうよ〜」
「しつこいなぁ。わかった、じゃあちよはひとりでぬいぐるみごっこするから、たむちゃんはあっちでやって」
「なんででしゅか!?」
「じーっとしてボーッとするなら、一緒にやらなくてもいいでしょ? たむちゃんはあっちでやって」
「ええっ!?」
抵抗虚しく、カポっと持ち上げられてぽてんと離れたところに置かれたたむ。
ちょっちゃんは定位置に戻って、いつも通りじーっとしてボーッとし始めました。
「たむが思ってたのと違うんでしゅ……」
呆然とする哀れなたむ。
たむはやっぱり可哀想なのが可愛いですねぇ〜。




