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わがはいは、たむである(不定期更新中)  作者: 紅葉月


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25話 お兄ちゃん③

 たむとデイビッドの様子をぼんやり眺めていると、たむがデイビッドをちょっちゃんたちに紹介し出しました。


「たむのお兄ちゃんのデイビッドでしゅ。こっちはたむの仲良しのちょっちゃんでしゅ」

「ちよだよ。仲良しじゃないよ」

「たむが世話になっている。しばらくの間、よろしく頼む」

「お世話はしてないよ。よろしくね」


 なんだか絶妙に会話が噛み合っていませんね……。

 それに、ちょっちゃんはたむと仲良しとは思っていないのですね。不憫なたむです。

 まあ普段からちょっちゃんを振り回していますから、自業自得とも言えますけど。


 その後も噛み合ってない会話を続けながら、フラン、ヒツジ、まる犬にデイビッドを紹介していくたむ。しばらくの間だから、みんな仲良くやってくださいよ。

 


 そろそろ夕飯の準備をする時間になってきました。

 デイビッドはなにを食べるのでしょうか?

 たむと同じであんこなのか、アメリカ在住らしくハンバーガーとかなのでしょうか。


「そろそろ晩ご飯の用意するけど、デイビッドはなに食べるの? たむと同じあんこでいいの?」

「いや、あんこではなくこれをお願いしたい」


 デイビッドはボロマントをゴソゴソすると、缶詰を取り出して渡してきました。

 チリビーンズ!?

 食の好みもこんなに違うんですか……。


「それをそのまま器に出してくれればいい」

「あ、うん」


 私は缶詰を台所に持っていき、開けて中身を器に出しました。真っ赤なスープと豆です。トマトの赤さもありますが、(から)そうですねぇ。

 たむには今日は白あんにしましょう。なんとなく紅白で縁起がいい気がします。

 他のぬいぐるみたちのご飯も用意して、お盆に載せて部屋へと持っていきます。


「ご飯だよー」

「わーい」

「かたじけない」


 たむはデイビッドのお皿を見るなり、うりゅりゅと目に涙を溢れさせました。


(から)いでしゅ。目が痛いでしゅ」


 見ただけで(から)いとは。

 たむは本当に弱々しくて軟弱ですね。かわいい。


「ああ、そうだったな」


 そう言うと、デイビッドはお皿を持って部屋の端の方へ行って食べ始めました。平気な顔で食べています。

 たむの方はいつものように嬉しそうにあんこを食べています。


「ごちそうさまでしゅ」

「うむ、馳走になった」


 デイビッドのは自分で持ってきた分ですけどね。


「そういえば、デイビッドはどれぐらいうちにいるの?」

「うむ、しばらくは世話になりたい。食料は持ってきてあるので、気にしないでほしい」


 そう言って、ボロマントからチリビーンズの缶詰を次々に出してきます。どういう仕組みなのでしょうか、そのマント。


「わかったよ、好きなだけいてちょうだい……」


 世話といっても缶詰を開けるだけですからそんなに手間は増えませんし、具体的に何日間ということは決めなくていいでしょう。

 そもそも、たむやデイビッドにそんなきっちりした感覚はなさそうですし。チリビーンズも足りなくなったら買えばいいだけですし。


 私がいると他のぬいぐるみ達がご飯を食べませんので、いつもたむがかぶっている毛布をデイビッドにもかぶせて、一旦台所へ戻りましょう。あとは自由にしてください。

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