23話 お兄ちゃん①
またしても空いてしまい、ひな祭りネタも書けずでした……。
今回は数話続くので、できるだけ間を開けずに投稿します。
今日は風が強いですね。おまけに寒の戻りで寒いです。
窓が時折ガタガタいってますし、巻き上げられた落ち葉が飛ばされているのが見えます。
昨日までは異常に暖かくて窓の外にエリザベスちゃんが来ていたのですが、今日はおうちで丸くなっていることでしょう。
そんな窓のそばにたむがいて、やたらとそわそわしています。
野性なんてカケラも持ち合わせていないでしょうが、それでも天気が荒れていることにはなにかを感じるのでしょうか。
「あ、あれでしゅ! ミサキちゃん、窓を開けてくだしゃい!」
「嫌だよ、寒いのに」
「あの葉っぱを取ってくだしゃい!」
「聞いちゃいねぇ……」
無視したらずっとうるさいのはわかっているので、諦めてできるだけ細く窓を開けます。
ううっ、風が冷たい……。
「どれ?」
「その、窓の前を飛んでる大きな葉っぱでしゅ」
「ああ、これか」
確かにやたら大きな葉っぱが1枚、ずっと窓の前を飛んでいます。
風の具合なのかなんなのか、飛ばされもせず不思議な飛び方をしています。
ひょいっと掴み、急いで窓を閉めました。せっかく暖かくしていたのに、だいぶ冷えてしまいましたよ……。
「はいこれ」
「ありがとうございましゅ」
葉っぱを受け取ったたむは床の上に置いて、「ふむふむ」とか言いながら熱心に眺めています。
観察? 探偵ごっこ?
「たむにはお兄ちゃんがいるんでしゅ」
「はい!?」
葉っぱから顔をあげて、こっちを見たたむがまたわけのわからないことを言い出しました。
お兄ちゃんとはなんでしょうか?
あれですかね。たむが縫われた工場で、たむより先に作られたクッションのことを「お兄ちゃん」って呼んでるのでしょうか?
「お兄ちゃんはどこにいるの?」
「あめりかでしゅ! ……あめりかってなに?」
「はい!?」
アメリカ!? 海外ですか!?
しかもたむはそれがどこのことかわかってないようです。まあ、たむらしいと言えばそうですが……。
「お兄ちゃんはあめりかのてきさすしゅうでサボテンに座ってるんでしゅ」
「……………………」
私はどこからつっこめばよろしいのでしょうか……。
「サボテンに座ったらトゲが刺さると思うけど……」
「お兄ちゃんは強いお尻を持っているので大丈夫なんでしゅ!」
「……………………」
強いお尻とは……。
「えーと、そのお尻の強いお兄ちゃんがどうしたの?」
「今度遊びに来るそうでしゅ!」
「はい!?」
「お手紙が来ました」
そう言ってたむはニコニコしながらさっきの葉っぱを渡してきます。この葉っぱがお手紙なようです。
渡された葉っぱを見ると棒か何かで跡がグチャグチャとつけてありますが、もちろん読めやしません。
「ここに遊びに行くって書いてるの?」
「はい!」
たむには読めるらしいです。文字も読めないのに。心の目で見るようなのものでしょうかね……。
「いつ来るの? それに、どうやって?」
「いつかはわかりましぇんが、風さんに運んでもらって来るんでしゅ!」
風さんときましたか……。
風に飛ばされて来るんですか? アメリカから? そりゃあいつ着くかわかりませんね……。本当に来るなら、ですが。
もういいです。本当に来たら、その時に考えましょう。
お兄ちゃんの正体も聞いてもわからなそうですから、来てから考えましょう。




