第八話
さて、ようやく絢香の魔法が成功したわけなのだが、よく考えるとまだ浮かんだだけだ。飛び回るとは言えないので成功なのかも分からなくなった。
まぁ、少しずつ前進していけばいいか。
それにこの修行の手伝い、最初は記憶を消されて頭がパーになるのが嫌で手伝い始めたが俺にもいい事があった。
それは、絢香のパンツが見れるという事だ。
そりゃ、スカートで箒に跨って浮かんだ所を俺は下から見てるわけだ。見えるに決まってる。
今までは勢いよく飛んでいってたので分からなかったのだが、今はゆっくり浮かんでいってるためその事にようやく俺は気づいた。
絢香はその事に気づいてないみたいだし、集中力を切らせたら悪いので俺も黙っておこう。
……というか気づかせないようにしないとな。
俺は心の中で『ありがとう』とだけ言った。
暫く浮かんでいた絢香が降りてきた。
「ふー、高い所にも慣れないと結構怖いね」
「そうなのか? でも天井突き破ったり勢いよく壁に向かっていくよりはマシじゃないか?」
「確かに……それもそうよね。なんか怖くなくなったかも」
ちょろい。ちょろすぎるぞ。
将来いろんな人に騙されそうで心配になるレベルだぞ。
「よーし、もう一度浮かんでくるね」
「あぁ、いってこい」
絢香は箒に跨って集中しだした。
そして、また勢いよく天井へと飛んでいった。
何でだろうな? 俺のよこしまな考えでも見抜かれたか? ……いや、それはないだろう。
というか勢いよく飛んでいくのを見るの慣れてきたな。ここでは安全なのが分かってるからなのもあるとは思うが……
絢香は天井に届く前に強制転送でまた戻ってきた。
「失敗しちゃった」
「イメージが悪かったのか?」
「ちょっと調子乗って少し早く浮かぼうと思っただけなんだけどね」
「慣れるまではやめなさい」
「はーい」
返事だけはいいんだが、本当に反省してるのだろうか?
「あっ! そろそろ戻らないといけないかも」
「そうか、時間たつの早く感じたな」
「そうね、もう少しやりたかったけど仕方ないわ。また明日ね」
「ちゃんとイメトレだけはしといてくれよ?」
「分かってるわよ。ほら、じゃあ戻るわよ?」
絢香は右手を出してきたので、そのまま手を繋いた。
絢香が集中するとまた目の前が光に包まれた。
そして、絢香の部屋へと戻ってきた。
戻ってきたのが分かったのか絢香のお母さんが部屋へとやってきた。
「よかった。ちゃんと時間通りに戻ってきたわね。絢香の事だから修行に夢中になって時間忘れるかと思ってたわ」
「おかあさん酷い! ちゃんと時間気にしてたんだからね」
「ふふっ、ごめんね。それで修行はどうだったの?」
「快適に出来たよ」
快適? まぁ失敗しても大丈夫だから間違ってはないか……
「そう、それはよかったわ。じゃあこの空間いったん消すわね」
絢香のお母さんは呪文を唱えた。
俺には消えたのかどうかは分からないが絢香と違って安心感がある。さすがは本物の魔女だ。
早く絢香にも安心して見れるようになってもらいたいもんだ。