第五話
「おはよう」
次の日の朝も絢香は迎えに来てくれた。
そんなに監視しなくても言いふらさないんだけどな。
「おはよ、昨日はあの後大丈夫だったのか?」
「ちょっと落ち込んでたけど……まぁ調子が悪い日だってあるし気にしない事にしたわ」
そうは言ってるがやはり顔は落ち込んでるように見える。
「そうか……やっぱり俺に見られてるだけで全然違うのか?」
「それはそうよ、例えるなら……ご飯を食べる時に目隠しして利き手と逆の手で箸をもって食べるぐらいかな」
「例えが凄いが……そんなに変わるのか……」
と言うかほぼ無理じゃね?
「だから失敗なんて当然だし、ようは慣れよ」
その例えを聞いた後だと慣れる気がしないな……
「そうか……というか慣れるまで絢香のお母さんも部屋に居てくれた方がいいんじゃないか?」
「それだと失敗しても大丈夫って安心して修行にならないじゃない」
「確かに……」
俺が思ってた以上に魔法の修行は大変みたいだ。
そして学校へと着き、教室に入り席に着いた。
すぐさま透が俺の所にやってきた。
「見ろ! 今日は50枚ほど書いて来たぜ」
「マジか……」
「ほら、早く持っていってくれよ」
「思ったんだが、それを持って自分で話しかけに行った方がよくないか? 話すきっかけになるだろ?」
正直、俺はこれを持って行きたくない。
「はっ!? お前、天才か? よし、行ってくる」
お前は凄い奴だ。よくそんな勇気あるな
絢香の所に行った透はすぐに戻ってきた。
まぁ、そうだろうな……
「何て?」
「きもっ! だって。 くぅー、やっぱり絢香ちゃんは良いなぁ」
訂正だ! お前はヤバイ奴だ。
「しかし、どうやったら仲良くなれるんだ?」
すまん! 俺が言い出した事とはいえ、もうすでに手遅れだとは思う。
「お前は諦めるという事はないのか?」
「おいおい、俺を誰だと思ってるんだ?」
「透だ」
「正解だぜ」
何? このやりとり意味あるの?
「よく分からんが俺はこれ以上思いつかない。後は自分で考えてくれ」
「よし、幼馴染の許可が出た事だし今度は歌でも作ってくるか」
凄いポジティブだな。ってか普通に話かけるのが1番だと思うが面白そうだから黙っておくか。
「じゃあ早速、放課後ギターでも買いに行かないとな」
そこからなのか?
「翔吾、放課後付き合ってくれよ」
「悪いが用事があるんだ。他の奴誘ってくれ」
「そうか、分かった。じゃあ歌が出来たらまず聴いてくれよな」
「オッケーだ」
どんな歌を作るのか楽しみだな。まぁ歌次第ではさすがに止めた方がよさそうだが……
そして、1日の授業が終わり、家に帰り少ししてから絢香の家へと向かった。
コンコン
絢香の部屋をノックすると絢香が魔女の服を着て出てきた。
さて、今日の修行開始だ。